
世界中で食べられているジャガイモは、煮物や揚げ物、サラダなどさまざまな調理に使われています。ポテトチップの原料もジャガイモですし、大人から子供まで、誰にでも好まれている食材のひとつといえます。そんなジャガイモの秘密を探ってみましょう。

ジャガイモはもともとは、南米が原産地とされています。スペイン人によってヨーロッパに持ちこまれましたが、当初は観賞用だったようです。その後1700年代になってドイツのフリードリッヒ大王が、飢饉対策から食用として広め、今ではドイツやフランスでは主食のように食べられています。
日本には江戸時代にオランダ人によって長崎に持ち込まれました。ジャカトラ(現在のジャカルタ)からきたことから、ジャガタライモと呼ばれ、現在のジャガイモになったといわれています。
栄養価は非常に高く、小麦、米、とうもろこし、大麦と並んで「世界五大食用作物」とされています。主成分はデンプンを主とした炭水化物ですが、カロリーは低く、同量の米にくらべて半分程度しかありません。
さらにビタミンCが豊富で、フランスでは「大地のリンゴ」と呼ばれています。しかもデンプンに保護されているために、加熱による崩壊が少ないという利点もあります。

非常に多くの品種があり、世界では2000種類もの品種があるといわれています。日本でもその種類は多く、食用でも煮物用、サラダ用、ポテトチップ用など、用途ごとに向いた品種があり、またデンプン用、加工用の種類もあります。
ジャガイモは日本各地で収穫されており、さらに保存も利くので、旬の時期もまちまちですが、春の5〜6月の時期と、秋冬の9〜12月が代表的な時期です。とくに5〜6月に九州から出荷されるものは新じゃがといわれています。代表的な品種についてご紹介します。
◎男爵芋
日本のジャガイモの代表的な品種で、ゴツゴツとした見た目は芽の部分が深くなっているのが特徴です。中は白く、デンプン質も多いのでほくほく感があります。煮崩れしやすいため、ポテトサラダやコロッケなどに向いています。
◎メークイン
代表的な品種のひとつで、長細い俵状の形で、芽も少なく皮もむきやすいです。黄色がかったきめの細かい肉質で、煮崩れしにくいため、煮物やカレーやシチューなどの煮込み料理にも向いています。
◎キタアカリ
男爵芋とツニカを交配した比較的新しい品種で、黄色がかった肉質はほくほくとして甘みがあります。煮崩れしやすく、粉ふきいもやマッシュポテト、サラダなどに向いています。ビタミンやカロチンが豊富で、最近では人気が高くなっています。
◎ニシユタカ
長崎農林試験場で開発され、九州を中心に栽培されています。春夏にたくさんとれ、春先に新ジャガとして出回るものの大部分がこの品種です。小粒で皮が薄く、やわらかいのが特徴です。煮崩れしにくいので煮込み料理やおでんなどにも向きます。新ジャガならそのままゆでて食べるのがおすすめです。

ジャガイモは光に当てると光合成によって、発芽がおきるので、直射日光や明るい場所を避けて、風通しのいい冷暗所で保管します。
比較的保存のきく野菜なので、麻袋や紙袋、新聞紙にくるむなどして保存するといいでしょう。ただし新ジャガは水分が多く、長期保存には向かないので、できるだけ早く使い切るようにします。
つぎに調理時の注意点です。ジャガイモは切り口が茶褐色に変色することがありますが、すぐに水に入れて空気に触れないようにすると防げます。ジャガイモは切ったらすぐに水にさらすようにします。
ジャガイモの芽や、緑に変色した部分には、ソラニンというアルカロイド成分が含まれます。めまいや吐き気、下痢などの症状を起こし、子供などは最悪の場合、命を落とすことにもなりかねないので注意が必要です。芽を丁寧に取り除き、変色した部分は厚く皮をむきます。ソラニンは水溶性のため、皮をむいて茹でたり水にさらすことである程度除くことができます。
ゆでるときや蒸すときには、皮付きのまま調理したほうが、水っぽくならなくておすすめです。ビタミンCなどの栄養素の損失も減ります。外側も中心もできるだけ均一に火を通すために、水からゆでます。
皮付きのままゆでたあとは、氷水につけて急冷します。すると中が少し縮小して、皮がむきやすくなります。包丁で切れ目を入れると、そこからきれいにむくことができます。
ジャガイモは、調理法を問わず使える便利な食材です。単独でもおいしく食べられ、他の食材とあわせれば、旨みを吸収してさらにおいしくなる。シャトルシェフにもさまざまなレシピが用意されています。おいしくて栄養価の高いジャガイモをぜひ活用してみてください。