THERMOS

サーモスの歴史 現存する製品から歴史を見る

  • サーモス新潟事業所には、サーモスの歴史をたどれる製品や資料が保存されています。1904年にサーモスがドイツで産声を上げて以降、数多くの製品が登場していますが、歴史的にも非常に価値のある逸品も数多くあります。今回は現存する歴史的価値を持つ製品の一部をご紹介します。

100年前の魔法びん

ここにはサーモス社創立以来の世界各地で使われてきたさまざまなタイプの製品が、壁一面を使って展示されています。
中でも部屋の中央にはアクリルケースにおさめられた製品群があります(写真1)。

これらの製品は、サーモスの歴史の中でも特に古い製品です。写真左の魔法びんは1906年製であり、これはサーモスがドイツで生まれたばかりの頃の製品なのです。

展示ケース中央にある箱入りのものは、温度計とお手入れ用のブラシなどがセットになって販売されたものです。
この他にもフードジャーなど、いずれの製品も1904年から1910年頃のもので、100年前の製品がいまだに使える状態で保存されています。

写真2にある製品も、いずれも1910年頃のもので、現在の水筒タイプの原型を見ることができます。
青や緑の革巻き部は、持ちやすくおしゃれで、当時からすでに機能とデザインの両立がなされていたようです。 また写真3の右側にある2つは、1910〜20年代の水差し型の魔法びんで、非常に美しい曲線を持つ製品です。

  • 写真1 1906年〜1910年頃に発売された、サーモス社初期の魔法びん

  • 写真2 1910年代の魔法びんで、典型的な初期モデルのデザインが残されている。

  • 写真3 1910年代には美しい曲線をもつ水差しタイプの魔法びんも登場する

社会情勢に反映される製品

魔法びんという製品はその高い保温性能から、厳しい環境下で行動する探検隊や冒険家などにも広く愛用されていました。
また、各国の軍隊などでも使用されており、たとえば写真4は温かいスープや料理を保存するフードジャーですが、これらは第二次世界大戦当時にイギリス空軍が採用し、長距離爆撃機に搭載されていたものです。

また戦後の1950年〜60年代になると、高度成長の波にあわせたポップでカラフルなものが増え、魔法びんの外装にデザインを施したり、プラスチックで覆ったりしたものが登場しました。(写真5)
写真5のいちばん右側にある製品は、1970年代に発売していたステンレス製の魔法びんです。(現在一般的となっている「高真空ステンレス製魔法びん」とは構造や断熱方法が異なります)
ガラス製とは違って丈夫で割れない真空断熱構造のステンレス容器は、ベトナム戦争時のワクチン空中投下などの過酷な現場にも使われてきました。
生活に密着した製品だからこそ、そのときどきの社会情勢が反映されていくのでしょう。

  • 写真4 1930〜1945年頃にかけてのフードジャー。イギリス空軍(RAF)が採用した

  • 写真5 1950年代になると外装もカラフルになってきた

博物館にサーモスコーナー

アメリカのスミソニアン博物館といえば、アメリカの代表的な博物館、美術館群の総称です。
なかでも国立アメリカ歴史博物館は、アメリカの歴史や文化に関連する展示が有名です。 そしてそこにはサーモスのコーナーが設置されています(写真6)。

サーモス製品、なかでもランチボックスはアメリカで人気のキャラクタがプリントされている製品です(写真7)。
テレビ番組や映画、コミックのキャラクターに、スポーツ選手など、アメリカ文化そのものを表す製品ともいえます。

建国200年あまりのアメリカにおいて、100年を超える歴史をもつサーモス製品は、アメリカの生活に根付いた製品として認識されています。
サーモスのランチボックスを追っていくことで、アメリカの大衆文化の歴史を見ることもできます。 それだけアメリカの生活に密着した製品として認識されているのでしょう。

今回は現存する製品を中心にサーモスの歴史の一端を見てきました。
まだまだ世界各国のサーモス製品、広告などにはさまざまなものがあります。
今後もさらに製品や広告にまつわる興味深いお話を紹介していきたいと思います。

  • 写真6 アメリカのスミソニアン博物館に設置されたサーモス製品展示コーナー

  • 写真7 ランチボックスのプリントは、アメリカの大衆文化史そのものを映し出す