THERMOS

サーモスの歴史 シャトルシェフの新しい調理法

  • シャトルシェフが登場して以来、保温調理という調理方法は、今では家庭科の教科書でもとりあげられるほど、よく知られるようになりました。しかし発売当初は魔法びん構造の余熱を利用した調理方法がなかなか理解されず、販売の現場ではいろいろな苦労がありました。

構想から8年かかって実現

シャトルシェフは、もともとは「魔法びんにお豆と熱湯を入れて煮る」という使い方があることを知って、それなら魔法びん構造を鍋に活用できないか、ということから開発がはじまりました。

しかし実際に製品化するのには、たいへん時間がかかり、いろいろな試行錯誤を重ねました。構想から約8年たった1989年にシャトルシェフは登場しました。その仕組みは、調理鍋で調理したあとに、魔法びん技術を活かした保温容器に入れて、余熱で調理を進めるというものでした。

  • 発売当初のシャトルシェフ

  • 調理鍋と保温容器という基本構造はいまも同じです。

なかなか理解されなかった調理方法

シャトルシェフの発売当初は、真空断熱技術を応用していることから「断熱調理」と呼んでいました。また、わずかな時間の加熱で、あとは余熱で調理するという、まったく新しいその調理方法は、メリットや便利さがなかなか伝わりませんでした。

そこで百貨店などの実演販売などを繰り返しましたが、圧力鍋のような短時間でできあがるといったわかりやすいメリットが見えにくいので、実演販売時もいろいろな苦労がありました。

しかし、実際に使っていただいたユーザーの方のクチコミなどで、その便利さが評判を呼ぶようになってきました。そして意外にも台湾のほうで人気に火がつきました。中華料理ではスープストックなど、長時間の煮込みが必要な料理が多いため、保温調理の便利さがすぐに伝わったのです。日本にやってきた方がシャトルシェフをおみやげに買って帰るという光景が多く見られました。

  • 当時のカタログには断熱調理という表記が見られます。

  • 料理研究家や調理学校などと共同開発した季節のレシピなども配布していました。

累計340万台に及ぶロングセラーに

その後、日本でも人気が広がり、サイズやデザイン、機能性などでさまざまなバリエーションのモデルが登場しました。キャンプなどに持って行けるアウトドア向けの製品などもありました。

またシャトルシェフから派生したさまざまな調理器具も登場しました。おかゆやとうふをつくる製品、現在発売しているイージースモーカーやパスタクッカーなどの調理器具も保温調理を利用した製品です。

そしてシャトルシェフは、基本構造はそのままに、素材やデザインなどで現在も進化を続けるロングセラーモデルとなっています。その累計は約340万台にもなり、世界中の多くの家庭で利用されています。

近年のエコロジー意識の高まりから、エネルギー消費の少ない保温調理はますます注目されています。シャトルシャフにも従来品より20%もコンパクトになった新世代モデルが登場し、いっそう使いやすくなっています。