Inteview with THERMOS vol.01

自転車専用ボトル「FFQ-600」開発チームに聞く発想・アイディア

サーモスの真空断熱技術が生んだ、
「自転車専用ボトル」

サーモスが発売した自転車専用設計の「真空断熱ストローボトル(FFQ-600)」。
サーモスならではの、ステンレス製魔法びん構造の高い保冷力を有し、様々なスポーツバイク用ボトルケージにフィットする専用設計のボトルだ。
この商品企画を担当したのは、企画課の松井美華。これまでに多くのスポーツボトルや、子ども向け商品を生み出してきた松井が"自転車専用ボトル"の開発に込めたこだわりと、想いを聞いた。

スポーツバイク・自転車のために
生まれた構造。

ーサーモスはこれまでにも数々のボトルを開発していますが、
なぜ今回“自転車専用ボトル”を開発することになったのでしょうか。

実は、自転車専用ボトルの構想は、かなり前からあったんです。
サーモスは保冷専用の「真空断熱スポーツボトル」を、魔法びん業界で初めて開発・発売しました。そのため、色々なスポーツシーンでの水分補給を研究してきた経緯があります。
スポーツ時の水分補給の方法は、種目によって大きく異なります。水分補給量や飲むタイミング、ボトルが置かれる環境も様々です。例えばサッカーの練習では、大型のジャグタイプを日光の当たらない場所に置いておけますが、スポーツバイクについては、ボトルケージにセッティングして走行する状態となります。重要なのはボトルケージにしっかりフィットする最適なサイズと、スムーズに出し入れができる構造。そして保冷力があること。事前のリサーチで、樹脂製のスクイズボトルでは、保冷力が足りないとの声が多くありました。スポーツバイクユーザーが快適に水分補給出来るように、サーモスならではの高い保冷力を持ち、ボトルケージにフィットする自転車専用ボトルを作ろうと、開発に至りました。

左は真空断熱構造の断面

どんなボトルケージにも
フィットする形状を。

ースポーツバイクユーザーの声が、
商品企画に生かされているのですか?

商品の企画をするうえで、まずスポーツバイクに乗っている方へヒアリングを行いました。ビギナーから長距離走行、レースに参加して自己ベスト記録を目指す方、街乗りが主な方など様々です。また、自転車の展示会・イベント・峠・河川敷などへ行き、スポーツバイクユーザーのニーズを探りました。スポーツバイク用の樹脂製のスクイズボトルを利用する方が多いのですが、その他にもペットボトルを凍らせて使用したり、中にはサーモスのボトルをポーチに入れて、ボトルケージのサイズに合わせて使っている方もいらっしゃいました。より高い保冷力を求めるユーザーがボトルケージにしっかりとフィットするものが無く、不便さを感じている現状を知り、その声に応えられるボトルを作ろうと、商品企画を進めていきました。

たっぷり600mlを、冷たいまま飲める。

ーどのようなスポーツバイクユーザーに適したボトルでしょうか?

FFQ-600は「保冷力」を求めるスポーツバイクユーザーに最適なボトルです。街乗りから長距離走行まで幅広くご利用いただけます。
ステンレス製のため、重量にシビアになるレースなどでは、樹脂製のスクイズボトルを選ばれる方が多いとは思いますが、練習時などにはぜひ使って欲しいですね。
長時間冷たさをキープ出来るので、途中でドリンクを購入できない場所での走行や、買いに行く時間を取りたくない方でも冷たい飲みもので水分補給ができます。夏場の自転車走行中は直射日光に加えて、アスファルトの照り返しもあり、高温の環境が想定されるので、冷たいドリンクでの素早いクールダウンに役立てて欲しいです。
容量については、ボトルケージに入る最大限のサイズで600mlにしました。自転車のフレームに当たらないコンパクトさで、なおかつ充分な水分補給をできる量が最適と考えました。500mlのペットボトル飲料一本分に、氷を加えることもできます。

3Dプリンターでサイズ感・形状を試作

グローブをつけたままでも開けやすい
キャップユニット。

ーワンタッチオープンにした開発経緯を教えてください。

スポーツバイク用のグローブをしたままでも、ボトルケージからすばやく取り出せ、なおかつ開けやすい構造を考えました。
キャップユニットの後ろにくぼみがあるのですが、そこに人差し指がしっかりとかかり、ボトルケージから取り出しやすい形状になっています。また、ボタンを押すだけでキャップが開き、素早い水分補給が出来ます。自然な操作が出来るように、ボタンを押す感覚や、開いた後のフタの角度など、ひとつひとつ丁寧に開発していきました。

グローブをつけた状態でもスムーズに開閉できる仕様を追求

飲みやすい独自のストローボトル構造。

ーストロータイプにしたメリットを教えてください。

FFQ-600はストロータイプの飲み口を採用しています。ストローだとボトルを傾ける角度が少なく、視線を変えずに飲めるのも嬉しい特徴です。FFQ-600のストローは子ども向けのストローボトルで培った技術を生かし、フタを開けたときに飲みものが飛び散りにくい構造にしています。従来のストローボトルでは、フタを開けた瞬間に、ストローのなかに残っているドリンクが飛び散ってしまうことがあります。FFQ-600は、ボタンを押すと内部の空気が外に抜け、まず内圧を開放してからフタが開くので、中身が飛び散りにくいのです。一瞬のことなので、使っていても気づかないとは思いますが、細部にまでこだわって開発しています。

どんな自転車にも組合せやすい
ボトルデザイン

ーボトルのデザインやカラーリングについて、
どのように決まったのでしょうか?

カラーリングや形状など、ボトルのデザインは何十パターンも検討しました。
カラーリングでは、自転車の車体の色に合わせる案もあり、様々な色の塗装も検討しましたが、どんな色の自転車にも組合せやすいステンレス素材を生かしたボディが特徴のブラックとホワイトの二色を採用しました。
形状についても、多くのデザイン案から3Dプリンターで沢山のモデルを試作し、自転車専用ボトルとしての操作性や落下の際に受ける衝撃などについて検証を繰り返しました。

ボトルケージにも、手にも、
しっかりフィットするボディリング

ーボディリングはどのような機能がありますか?

ボディリングにはボトルケージに取り付けた時のガタツキ防止と、握りやすさの2つの機能があります。ボトルケージの規格は決まっているとはいえ、メーカーによって太さや高さに違いがありました。そこで各社のボトルケージを測定して、ボディリングのベストな位置と高さを決めました。

お手入れのしやすさも、
使いやすさのポイント

ーお手入れの方法や長く使う秘訣を教えてください。

飲みものを入れるものですので、お手入れのしやすさにはこだわっています。パッキンやストローは簡単に取り外して洗浄できるので、清潔にお使いいただけます。また、長くご使用いただけるように、消耗しやすいストローセットやパッキンセットの他にストローキャップユニットやボディリングも別売しています。

“シンプル”にこめた自転車専用設計

ーFFQ-600のお気に入りのポイントを教えてください。

全体的に"シンプル"に仕上げたところです。機能が伝わりやすいシンプルな形状とタフな使用に耐えられるよう、塗装や印刷など余計な装飾を省いたシンプルな仕様としました。例えばボトルケージに入れて使用するため、磨耗してグラフィックやロゴが消えてしまうかも?など、さまざまな状況を考え、最終的にボトルの前後に入れるロゴにはエッチングという加工を採用しました。また底面のエッジにカーブをつけて、自転車のボトルケージから取り外しやすい角度にするなど、細部まで自転車専用というコンセプトを大切に仕上げました。

様々なデザインを検討

おわりに

スポーツバイクユーザーの声に、技術力でこたえたFFQ-600。企画課の松井は「ユーザーがより快適な水分補給ができるようにさらに進化させていきたい」と力を込める。サーモスのFFQシリーズの挑戦は始まったばかりだ。

松井 美華
マーケティング部 商品戦略室 企画課
2010年4月入社。
入社後7年間にわたり商品企画を担当。これまでスポーツシーンや子供向けの商品を手掛けてきた。
  • FFQ-600 製品情報
  • 企画担当者の声 商品戦略室 商品課:丸山高広