木村東吉のサーモスを巡る旅~冬場の旅に活躍するサーモス

木村東吉

世界中を旅し、時には厳しいトレイルにもチャレンジする木村東吉さん。シャトルシェフを長年愛用している東吉さんですが、最近夢中になっている自転車の旅にはスープジャーが欠かせないようです。

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シャトルシェフを愛用している木村東吉さんが、スープジャーに出会ったのは10年前。そのコンパクトさから旅には欠かかせない存在になりました。アメリカの国立公園を行くトレイルでも、自転車で国内を旅するときも常に温かい食事を求める木村さんにとって、保温力の高いスープジャーは必需品だそうです。

今から10年ほど前、当時、40代前半のランニング仲間の友人の胃にガンが見つかった。早期発見ではあったが、友人は胃の全摘手術を受けることになった。しかし不屈の精神を持った彼は、全摘手術の翌年にはフルマラソンに出場して、これまでの最高タイムで完走を果たした。

マラソンを走り終えた彼に祝意を述べ、大きな手術を乗り越えて見事に完走したことを称えると、彼は笑顔で応えた。

「いや……逆に手術の後に体重が落ちたので、身体が軽くなったかも」

確かに長距離を走るのには体重が少しでも軽いほうが有利ではあるが、フルマラソンを走る為には前日や当日の栄養補給も大切な要素である。
そのあたりのことを質問すると、彼は真剣な表情に戻って言った。

「それが一番の問題ですね。術後、一気に食べると血糖値が急激に上がって、気分が悪くなってしまうんです。だから少しずつ食べるように心がけているんです」

胃の摘出手術を受けると、ダンピング症候群という症状に悩まされるらしい。食物が小腸に急速に流れ込むために、動悸、めまい、冷汗など、食事中に気分が悪くなるという。

「最近は血糖値の上がりやすい白米を控えて、オートミールを食べることにしているんです。これに入れて……」と、彼はマグを差し出した。

「これって……?」とボクは受け取りながら尋ねる。

「小型のシャトルシェフみたいなものですよ。東吉さんもシャトルシェフ、アウトドアでよく使ってますよね?」

確かに愛用している。前回のこのコラムでも報告したが、3・11の東北大震災後の計画停電を機にサーマルクッカー(シャトルシェフ)を使い始め、アウトドア、インドアに限らず、大いに活用している。

「へえ……こんなミニサイズのシャトルシェフがあるんだ!」とボクは感心しながら、そのマグを彼に返す。

「実際にはスープジャーと言って、スープやシチューを入れるみたいなんですが、ボクはこれにオートミールと好みのスープを入れて会社に行き、お腹が空いたら、少しずつ食べるようにしているんです。洋風だけじゃなく、お茶漬けの素なんかもオートミールに合いますよ!」と彼はまた笑顔に戻った。

こういうエピソードを聞くともうダメ。己の中の物欲が猛烈に刺激され、たまらなく欲しくなってしまう。

彼は350CCほどの容量のジャーを持っていたが、大は小を兼ねるとアドバイスしてくれたので、ボクは一回り大きな500CCのジャーを購入した。しかも色違いで2つ。そして単に真似するのも悔しいので(こういう性格が自分でも子どもっぽいと思うが)、フタをそれぞれ交換した。これでよりオリジナル性が高まる。

言い訳がましく聞こえるかもしれないが、ただ単に物欲を刺激されただけではなく、フタを交互に替えたのにはきちんとした用途があるのだ。

仕事がら夏場はほとんど休みなく働く。だいたい5月の大型連休から始まって紅葉シーズンが終わる11月末くらいまで、ずっと働き続けている。で、クリスマスや年末年始の騒ぎが終わって、毎年2月くらいになると、渡米して国立公園を歩き回るパターンが、ここ数年、定着しているのだ。

実は先ほどの胃の全摘手術を受けた彼とも、2017年にアリゾナやユタを一緒に旅した。

そういう旅の際に、このスープジャーがあると、とても重宝するのである。

ご存知のように欧米は物価が高い。スイスなんてランチに5000円くらい支払わなければ、まともなモノは食べられない。

アメリカだって冷たいサンドイッチでさえ、600円とか700円くらいする。
500円以下で温かい牛丼やラーメンを食べられる日本は天国みたいなところだ。

こういう物価が高いことに加え、我々が歩く国立公園内では安易に食事にありつくことが出来ないので、スープジャーが大いに活躍するのである。

朝、モーテルの部屋に備えつけられた電子レンジで、レトルトのピラフやリゾットを温める。さらにはソーセージパテなども一緒にチンして、それぞれのスープジャーに入れる。このとき、予め熱湯でスープジャーの中を予熱しておくことが重要だ。こうすると、ランチタイムに温かい食事にありつけるのだ。

ユタのアーチーズ国立公園の奇岩を眺めながら、アリゾナのセドナのトレイルの美しさに魅了されつつ、ボクは雄大な景色の中、温かいランチを味わった。

もちろん最近夢中になっている自転車の旅でも、このスープジャーは活躍してくれる。

ブラックバーンのボトルケージにすっぽりと収まり、ツーリングには最適なクッキングギアとなるのである。

特に気温がぐっと下がってくるこの季節。寒風の中を自転車で走っていると、温かいランチが、よりいっそう有難い。

病を克服した友人の身体にも、寒風の中、元気に走り回るボクの身体にも、この小さなジャーは温かい優しさを与えてくれるのである。

<プロフィール>
木村東吉(きむら・とうきち)
1958年大阪生まれ。1979年よりモデル活動開始。『ポパイ』『メンズクラブ』等の表紙を飾り活躍。30代より、趣味からアウトドア活動を始め、世界各地のアドベンチャーレースに参加。その経験を活かし、日本でも様々なアドベンチャーレースを主催して、おしゃれで洗練されたオートキャンピングブームの火付け役となる。現在は河口湖に拠点を置き、アウトドア関連のイベントプロデュースのほか、キャンプ教室の指導・講演、執筆など幅広く活動している。

編集:オフィス福永

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