光の演出で大人シックなクリスマスを♪

クリスマスがやってくると思うと、わけもなくワクワクしてしまうのはなぜでしょう? 12月に入ったらその準備にいそしむ時間も幸せに感じますよね。 キリストの降誕を祝う<その日>を、キャンドルの灯りに包まれておごそかに過ごす……。いつもよりちょっとシックなクリスマスイブの演出のしかたをお伝えします。
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福田典子
ふくだ・のりこ
食空間ディレクター。<食は常薬>をテーマに国内外のホテルや企業イベント、メディアなど様々な場面で食空間を創出している。料理×器×美術×文化を取り合わせ、その向こうにある心豊かな暮らしをプロデュースすることがライフワーク。
今から2000年ほど前、古代ローマ帝国では「ミトラ神」という土着の太陽神を崇めていました。太陽の光は作物を実らせ、人々に暖を与え、暮らしになくてはならないものです。そんなありがたい太陽神への感謝は、一年を通して夜の時間がいちばん長い冬至の12月24、25日頃に行われていました。その日を境に日照時間が一日一日と長くなる、つまり「光が復活する日」をお祝いしようと考えたのです。
同じ頃、暗い世の中に光をもたらす救世主イエス・キリストが誕生し、キリスト教が生まれ、やがてローマ帝国の国教となり発展していきます。
こうして太陽の光の復活と救世主誕生の喜びが相まって、12月25日は大切なお祝いの日「クリスマス」となりました。
クリスマスの語源は、<Christキリスト>+<mas礼拝>で、キリストに祈りを捧げ、感謝する日でもあり、おごそかに過ごしたいものです。
光の復活には灯りが欠かせません。そこでキャンドルを上手に使って、お部屋を光で満たしましょう。

小さなお子さんのいるご家庭ではロウソクを倒してしまう心配もあるでしょうから、水に浮かぶキャンドルを飾るのはいかがでしょう。
耐熱ガラスコップに入れたキャンドルを、水を張ったボウルなどに浮かべます。小さなキャンドルをいくつも浮かべると、水に反射してキラキラ輝き、光が拡散します。
写真では、ふだん使いのガラスを下に置いて、さらに幻想的な光の群れをつくりました。お部屋の照明を落とせば、暗い夜の、ありがたい光を実感することができるのではないでしょうか。

大きなツリーを買わなくても、小さい丸椅子ひとつあれば<聖夜へようこそ>というメッセージを込めた常緑樹のコーナーをつくることができます。
簡単ですので、お子さんと一緒につくってお部屋の隅に飾ってみてください。
まず、緑の濃い枝葉のついた花材を用意します。
つくり方は、大きめのお皿の中央にキャンドルを置き、その周りに常緑樹を並べて盛るだけ。ところどころ雪スプレー(スノーパウダースプレー)をかけてもいいですね。
寒い冬でも深い緑をたたえる常緑樹は、生命力の象徴です。今回は桧葉(ひば)を使いましたが、樅(もみ)や柊(ひいらぎ)など、身近にあるものを上手に利用してください。
写真では、クランベリーの実を添えました。ドライクランベリーをお湯で戻したものです。赤がちょっぴり入るだけでかわいいですね。
椅子の上に飾るもよし、棚やコンソールの上もよし、食事時にはテーブルの上に置いて飾ってもいいでしょう。
次は、小さなもみの木に見立てたお菓子の作り方をお教えします。お皿に常緑樹を敷いて、そこにお菓子をのせると、雪景色のようなデザートのできあがり☆

- バゲット(小) 3分の1本
- クリームチーズ 200g
- ココナッツ(細切り) 適宜
- 粉糖 適宜
- アラザン、金箔 適宜
1. バゲットを1cmほどの厚さに切ります。
2. バゲットの上に、クリームチーズを三角錐になるよう塗り重ねていきます。これがもみの木のボディになります。デザートナイフなどを使うといいでしょう。
3. 細切りココナッツを、クリームチーズの上から振りかけます。
4. 粉糖を茶漉しで振るいながら、かけます。
5. 銀のアラザンを散らし、金箔を飾ります。
6. 常緑樹を敷いたお皿に並べて、できあがり。
7. 食する直前に180度のオーブンに3分間入れて温めます。
焼いたクリームチーズはとろりとして夢見るように甘く、ココナッツの香ばしさがアクセントになって、見た目もかわいらしいお菓子です。
最後に、聖夜にふさわしいデザートワインをご紹介します。
赤ワインは、キリストの流した血を代弁すると言われ、崇高なもの。たっぷりスパイスをきかせたホットワイン(グリューワイン)で、光に満ちたクリスマスの喜びに浸りましょう!


- 赤ワイン 750ml
- りんご 1個
- オレンジ 1個
- 干しブドウ 大さじ1
- 干しクランベリー 6粒
- 干しマンゴー 適宜
- シナモン(スティック状)3本
- クローブ 適宜
1. りんごは洗って、皮のついたまま8等分にし、芯をとり、薄切りにします。
2. オレンジは、よく洗い、皮のついたまま賽の目に切ります。今回はマーコットという皮の薄いオレンジを使いました。
3. 鍋に、1のりんご、2のオレンジ、干しブドウ、ドライクランベリー、クローブ、シナモン(スティック状のもの)を入れ、赤ワインを注ぎます。ワインは廉価なものでかまいません。
4. 3の鍋を、強火にかけて15分間煮込みます。強火で煮て、アルコール分を飛ばします。
5. おたまで4の具をすくってタンブラーに入れ、煮出したワインを注ぎます。

キャンドルの光と常緑樹でしつらえたお部屋で聖夜を祝う、大人シックなクリスマス。いかがでしたか?
今年のクリスマスが美しい人生の情景としてあなたの記憶に残りますように!
Merry X-mas ☆☆☆

執筆・コーディネート:福田典子
撮影:中島福美
編集:オフィス福永
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