腸活にもおすすめ!「乾物+ヨーグルト」でヘルシーな毎日を!

厳しい寒さが続き、室内にこもりがちな時期は体調管理に気をつけたいもの。そのためのキーワードは「免疫力」です。毎日の食事で手軽においしく免疫力アップ、腸活にもなる「乾物+ヨーグルト」の料理法を、料理家の関口絢子さんに教えてもらいました。
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関口絢子
せきぐち・あやこ
料理研究家・管理栄養士。「食とアンチエイジング」をテーマに、インナービューティースペシャリストとしてテレビや雑誌等のメディアに情報を提供、発信している。YouTube「関口絢子のウェルネスキッチン」は登録者16万人を超える人気チャンネル。『乾物ヨーグルトレシピ』(オレンジページ刊)ほか、近著に『春夏秋冬疲れ取りごはん 心も体も軽くなる「食べ養生」大全』(KADOKAWA刊)がある。
YouTube:関口絢子のウェルネスキッチン
素材のもつ栄養素がギュッと凝縮され、食物繊維が豊富な乾物。タンパク質や乳酸菌が豊富なヨーグルト。この二つの食材を組み合わせて食べる「乾物+ヨーグルト」は、腸活に最適です。やり方は、ヨーグルトの水分で乾物を戻して調理するだけ。料理の手順がシンプルなのも魅力です。
ヨーグルトの効能はなんといっても乳酸菌です。腸内の善玉菌を増やし、悪玉菌の増殖を抑え、腸内環境を整えてくれる働きが期待できます。また、牛乳のタンパク質の一部が乳酸発酵によって分解されるため、腸で消化・吸収されやすい状態になります。さらに、カルシウムも乳酸と結びついて吸収されやすくなるので、効率よく摂取できます。
一方、乾物には食物繊維がたっぷり。おなじみのワカメ、切り干し大根、干ししいたけ、レーズンなど、カルシウム・鉄分等のミネラルや、ポリフェノールが含まれているものが多くあります。
食物繊維には、便秘の解消や腸内の悪玉菌を体外に排出する作用があります。
ポリフェノールには強い抗酸化作用があり、体内で増えた活性酸素を除去し、細胞の老化や動脈硬化などの生活習慣病を防いでくれる効果が期待できます。
現代人の食生活に不足しがちといわれる食物繊維やミネラルがまとめて、しかも効率よく摂れるのが「乾物+ヨーグルト」の組み合わせなのです。
ヨーグルトの水分で乾物を戻す料理法は、手間が省けて、栄養の損失を防ぐという利点があります。
ヨーグルトの水分は乳清(ホエー)といい、水溶性のタンパク質やミネラル、ビタミンなどが含まれています。それが、戻した乾物と一緒に、そのまま料理の具材になるのです。
つまり乾物を水で戻すと流出してしまいがちなビタミンB群やミネラルなども、しっかり摂ることができるというわけ。
また、腸内では、乾物の食物繊維が、ヨーグルトの乳酸菌が増やした善玉菌のエサになります。
無糖のプレーンヨーグルトと乾物を、フタ付き容器やジッパー付きポリ袋に入れてよく混ぜるだけ。ヨーグルトを乾物にまんべんなく絡ませ、密閉して冷蔵庫に入れて、戻します。
切り干し大根などの細い食材や、ワカメなどの薄い食材は1〜4時間程度で戻ります。硬くて厚い乾物には、6〜7時間かかるものもあります。もちろん、そのまま一晩中漬けておいても大丈夫。長く漬けておくとダメということはありません。
ヨーグルトで戻した乾物は、乳清の旨みを吸収しています。水で戻したときよりもシャキシャキ、プリプリの食感が味わえるはず。
ここでは3つの食べ方をご紹介します。
1) ドライマンゴーはハサミで一口大に切る。
2) レーズンと合わせてヨーグルトで3時間程度戻す。
どのご家庭でもドライフルーツとヨーグルトの組み合わせはおなじみのものだと思います。
ドライイチジクやプルーンなども美容にいい食材で、おすすめです。
写真ではシリアルを添えて、朝食の1品にしました。
乾物の中でも人気のある切り干し大根。ヨーロッパではダイエット食としてパスタの代用で使われることもあります。
ここでは、めんつゆで和えたお惣菜を紹介します。
- 切り干し大根…30g
- プレーンヨーグルト…150g
- すりゴマ…大さじ1
- めんつゆ…小さじ2/3
切り干し大根をさっと洗いヨーグルトに漬けて冷蔵庫で1時間程度戻す。
1) ヨーグルトで戻した切り干し大根をボウルに入れる。
2) 市販のめんつゆを加えて和える。
たっぷりとゴマを使うことで若返りビタミンと言われるビタミンEをたくさん摂ることができます。美容にもデトックスにも効果が期待できるお手軽な一品です。
牛肉の代わりに高野豆腐を使ってヘルシーに仕上げたロシアの煮込み料理です。料理名については諸説ありますが、ストロガノフは人名で「ストロガノフ伯爵流」というのが定説のようです。食べごたえがあり、牛肉を使うよりずっとカロリーを抑えることができます。
- 高野豆腐…4枚
- プレーンヨーグルト…400g
- タマネギ…1個
- しめじ…1袋
- バター…10g
- A(輪切りにしたピクルス10g、生クリーム100㎖、コンソメ小さじ2)
- パセリ、塩こしょう…適宜
1) 戻した高野豆腐を軽く絞り、一口大にちぎる。
2)タマネギは薄切り、しめじは石づきを取ってばらす。
3)フライパンにバターを溶かし、中火で2)の野菜を炒める。
4)しんなりしたら、ヨーグルトに漬け込んだ高野豆腐を加える。
5)Aの材料を加え、フタをして弱火で7〜8分煮る。
6)仕上げに塩こしょうで味をととのえ、刻んだパセリを振る。
ヨーグルトに火が通っているせいで酸味はなく、生クリームに絡まった高野豆腐は歯ごたえがあり、鶏肉に近い味わい。意外とも言える組み合わせですが、バターの風味もきいて、食べやすいストロガノフ風の煮込み料理になっています。
「乾物+ヨーグルト」は、忙しい人も手軽に取り入れられる腸活の食事法です。手に入りやすい乾物をいろいろストックして、ヨーグルトにさっと漬け込み、マイメニューとして活用してくださいね。
ライター:稲佐知子
調理撮影:土肥裕司
編集:オフィス福永
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