夏場の健康維持に「こんぶ水」

気をつけないといけない夏の脱水症状。手軽に、そしておいしく、脱水症状を防ぐのに効果的なのが「こんぶ水」です。こんぶを切って水に入れるだけで、水分とこんぶの健康成分が一緒に摂れてまさに一石二鳥。そんな「こんぶ水」について、こんぶ問屋「天満大阪昆布」社長・喜多條清光さんに伺いました。

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喜多條清光(きたじょう・きよみつ)

喜多條清光

きたじょう・きよみつ

1951年、大阪生まれ。こんぶ問屋「天満大阪昆布」の社長。「平成こんぶ塾」などコンブ文化の啓蒙活動も。『大阪天神橋 昆布問屋の昆布水レシピ 増補・改訂版』(KADOKAWA)など著書多数。

気温の高い日が続く夏の季節は、知らず知らずのうちに体から水分が抜けて、脱水症状になったり、体の不調を感じたりしてしまうことがあります。そんなときにおすすめなのが「こんぶ水」です。夏の不調を防ぎながら、体によい栄養素をたっぷり摂ることができる「こんぶ水」について、老舗こんぶ問屋「大阪昆布海産」の喜多條さんにお話を伺いました。

喜多條さん
「こんぶは腸内環境を改善し、体内を活性化してくれます。またビタミン類やカリウム、マグネシウム、カルシウムなど、体に必要なミネラルも豊富なので、こんぶ水にしてそのまま飲むだけで、汗で失われた水分に加えてミネラルも補うことができ、脱水症状や熱中症の予防にもなります。こんぶ水を日常的に飲むことが、夏の健康維持に最適なんですよ」

脱水症状の予防に必要なことは、十分な水分補給。しかし普通の水では、塩分やミネラルが不足しがち。またスポーツドリンクや清涼飲料水は糖分の摂り過ぎが気になります。

喜多條さん
「こんぶ水は、こんぶを細く切って、水を入れるだけなので、余計なものは一切入っていません。自宅で簡単に、誰でも作ることができます。そもそも水分をスムーズにとるためには、唾液の分泌が大切。唾液の分泌には従来、梅干しなどの酸味がよいとされてきましたが、最近の研究では、こんぶなどの『うまみ』が効果的といわれています(下図のグラフ参照)。こんぶのうまみがたっぷり入ったこんぶ水は、夏の水分補給にぴったりです」

味覚刺激に対する下唇の小唾液腺分泌量の調査

▲5つの基本味の中で最も分泌量を増加させ、かつ持続時間も長かったのが、うまみ成分。その効果は酸味刺激よりも20分以上長続きした。
  • こんぶ……10g
  • 水……1ℓ
  • お茶パック……1枚

1.こんぶを1~2㎜幅に切る。

2.切ったこんぶをお茶パックに入れる。

3.容器に2のお茶パックを入れ、水を注ぐ。

4.冷蔵庫に入れて3時間置いて出来上がり。
*一晩置くとより濃いこんぶ水に。
*保存は冷蔵庫で3~4日程度

お茶パック入れ付きのボトル(ステンレスポットTTD-1000)なら、そのままパックを入れてもOK!

食欲がない時にもサッと作って、さっぱり食べられる!
こんぶと鮭のうまみがたっぷり入って、夏のパワー補給にもぴったり!

  • こんぶ水……400㎖
  • 鮭の切身……1切れ
  • きゅうり……1/2本
  • なす……1/2本
  • みそ……大さじ1と1/2
  • 白すりごま…大さじ1
  • 砂糖……小さじ1と1/2
  • 塩……少々
  • 冷やごはん…300g

1.こんぶ水は一度煮立てて冷ましておく。
2.鮭の切身は焼いて骨、皮を取り、ほぐしておく。きゅうりは塩もみして、薄い小口切りにする。なすはヘタを取り縦半分に切り、薄い半月切りにして塩をふり、しんなりしたらさっと洗い、水気を絞る。
3.木べらにみそを塗り、火であぶって香りを出す。ボウルにごまと鮭、みそを入れ、こんぶ水を少しずつ入れながら溶きのばす。砂糖を加えて味をととのえる。
4.器にごはんを盛り、3をかけてきゅうり、なすを散らす。

夏の暑い時期には、脱水症状や熱中症予防に、こんぶ水をマイボトルに入れて持ち歩いても!こんぶのパワーを上手に活用して、暑い夏を気持ちよく過ごしたいですね。

撮影:佐藤正之
編集:主婦の友社
(グラフ出典:Sasano T,Satoh-Kuriwada S,hoji N,Iikubo M,Kawai M,Uneyama H,Sakamoto M, Curr Pharm Des.2013 Jul 26)

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