無理しないのがコツ! こいしゆうかさんに聞く、夏キャンプの楽しみ方

今年の夏休みこそ、キャンプがしたい! だけど夏は、気温の高さや虫対策など、不安要素も多い季節。暑い時期でも快適にキャンプを楽しむには、どうすればよいのでしょう。キャンプコーディネーターのこいしゆうかさんに聞きました。

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こいしゆうか

こいしゆうか

イラストレーター・エッセイ漫画家・キャンプコーディネイター。難しいことをわかりやすく親しみのある漫画で表現するのが得意。主な書籍に『ゆるっと始める キャンプ読本』(KADOKAWA)、『そうだ、キャンプいこう!』(standards)、『私でもスパイスカレー作れました!』(サンクチュアリ出版)などがある。キャンプ歴は10年以上。オリジナルキャンプグッズの考案も行っている。
HP:http://koishiyuka.com/

まず、暑い時期のキャンプで大切なのは「無理をしないこと」だと話してくれたこいしさん。

こいしさん
「私の場合、まず行き先に涼しい場所を選ぶようにしています。北海道のキャンプ場や渓流が近くにあるキャンプ場などを選んでいますね。

場所選びの際、どこから手をつけていいのかわからない場合はまず、各地のキャンプ場を網羅したガイドブックを一冊読んでみると判断がしやすいです。あと、慣れないうちは、レンタルギアが揃っているなど、ある程度設備の整ったところを選んだほうが過ごしやすいと思います。

キャンプ場に入る時間帯は、日差しが強いお昼時を避けるのがオススメ。15時ごろ到着して設営を始めるくらいにすると、暑さのピークを回避できます。もしくはチェックインを済ませたあと、日中は近隣の観光施設などで遊んで、夕暮れ時にキャンプ場に戻ってくるのも暑さ回避術のひとつ。帰る時間を気にせず、静かな時間を楽しめるのは、野外での宿泊を伴うキャンプだからこその魅力だと思います」

初心者の場合は特に、「家からキャンプ場までの移動距離も、無理のない範囲で設定するのがオススメ」だと言います。

こいしさん
「車で移動する場合は、片道1〜2時間圏内が目安。インターチェンジからキャンプ場までの距離も15〜30分程度が良いでしょう。インターから離れれば離れるほど、狭い山道を走らなくてはいけないなど、ハードな工程が増えるもの。運転だけでヘトヘトになってしまったら、せっかくのキャンプがもったいないです。

夏の時期、オススメなのは高原。徒歩や公共交通機関を使って行く場合は、夏場だけ運行している高原行きのバスを利用するのもひとつの手段です。林間と呼ばれるような、木が茂っている場所も涼しいのですが、虫の多さがネックになる可能性が。湖のように、面積の広い水場があるような場所も、虫が発生しやすいので夏場は避けたほうが良いです。水辺でキャンプをするなら、岩や木に囲まれた川幅の狭い川の近くがオススメです」

夏のキャンプはどうしても、虫との戦いです(苦笑)。蚊はもちろん、アブやブヨなどにも注意したいところ。とはいえ、暑い時期は虫除けスプレーをつけても、汗で流れてしまうことが多いのだそう。

こいしさん
「虫除け対策としてオススメなのはまず『森林香』という野外用の強力な線香! 地方のホームセンターや通信販売で手に入ります。よりしっかり防ぎたい人は、蚊帳のようなメッシュの壁がついた、スクリーンタープを使ってみるのも良いと思います。

肌の露出が少ない服装を心がけるのも大切です。だけどなかには、薄いタイツの上から刺してくるような、タフな虫もいるんですよね。防虫効果のある布『スコーロン®』で作られた衣服は、少なくとも蚊に関しては効力があるので、着用して虫を避けるのもひとつの方法です」

ちなみにアブやブヨに刺された場合、少し時間が経ってから気がつくことも多いそう。肌が異常なほど赤く腫れてきたり、強い痛みやかゆみが発生したら、我慢せずに、病院に行ってみてください。

次に、夏のキャンプに欠かせない装備について聞きました。

こいしさん
「夏はどうしても汗をかくので、汗冷えを防ぐために速乾性のあるインナーを着ておくのがオススメです。上に着るのは、普段着ているような綿素材のシャツなどで構いません。熱中症対策で大切といわれる帽子も、必ず装着しておいてほしいアイテムですね。あるとないとでは、頭にかかる負担が全然違います。

それから、夏であっても夜になるとびっくりするくらい冷え込む場所は多いので、寝袋とマットは必須! 標高の高い場所や高原などの涼しい地域であれば、防寒具も必要です。

寝袋やマットは、多少高くても、防災用として自宅に備え置けるような、長く使えるものを買っておくのがオススメです。寝袋は、春・夏・秋の3シーズン使えるものを。ダウン素材で作られたマミー型は、コンパクトに収納できるのでイチオシです。

ちなみに初めてキャンプギアを購入する場合、通販ではなく、ぜひショップに直接出向いてみてほしいです。キャンプに関しては、大が小を兼ねることはないので、実物を見て、ジャストサイズを購入するのが良いんです。お店であれば、手に取って使用感を確かめられるうえ、店員さん達はアウトドアの大先輩。いろんなアドバイスをもらえるはずです」

夏場のキャンプでは、クーラーボックスを飲み物用と食べ物用、2つに分けるのがオススメなのだそう。

こいしさん
「飲み物を取り出す際、ボックス内の温度が下がってしまうので、別々にしておくと安心なんです。食材や飲料を冷凍して持っていくと、保冷剤の役割も果たしてくれるので一石二鳥ですね。

クーラーボックスは直射日光の当たらないところに配置しましょう。それから、地面に直置きすると、土の温度で温まってしまうため、テーブルなどの上に置いてくださいね。

とはいえ必ずしも、食べ物をキャンプ場で調理する必要はありません。近くのスーパーでお惣菜を買ってきたり、近隣のお店で外食したりするのも良いと思います。私の仲間内で流行っているのは、お寿司を買って持っていくこと。山で海の幸を食べるんです(笑)。地元のお野菜やその土地ならではの食べ物を買ってきて食べるのも、すごくオススメです。決まりは特にありません。好きなように、好きなものを食べれば良いんです」

「キャンプでの過ごし方は自由である」とこいしさんは話します。

こいしさん
「自然のなかでは、焚き火、星空鑑賞、散歩、読書、昼寝、釣り、温泉、山登りなど、さまざまなアクテビティが楽しめます。だけど、あれもやろう、これもやろうと詰め込みすぎると疲れてしまうので、まずは『何かひとつやってみよう』くらいで良いと思います。

初心者の人は、気心の知れた2〜3人でいくとのんびり過ごせるのではないでしょうか。ソロキャンプに初めて挑戦する場合は、ソロキャンプをしたい人同士で連れ立って、いざというときに助け合えるようにしておくと、心強いと思います。

気をつけないといけないことがあるとすれば、天気ですね。雨はもちろんですが、風にも注意が必要です。テントを建てるのも、焚き火をするのも、風が強いと一気に難しくなります。1日中風が強いとの予報が出ているときは、延期を検討してみてほしいです」

こいしさんに教わったポイントを参考に、快適に過ごせる方法を試して、ぜひ、あなたらしい楽しみ方を模索してみてください!

執筆:高橋 亜矢子(ノオト)
編集:ノオト
イラスト:こいしゆうか

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