40歳手前でバイクを解禁 コントローラーをハンドルに持ち替えた「高橋名人」の新たな冒険

1980年代のファミコンブームに颯爽と現れたスター「高橋名人」。驚異の16連射で、子どもたちの心を鷲掴みにしました。そんな名人の、ゲームと並ぶもう一つの趣味が「バイク」。20歳で中型免許、39歳で大型免許を取得し、全国をツーリングしてきたといいます。60歳を過ぎた今も、愛用のサーモスを片手に駆け回る、高橋名人のバイクライフについて伺いました。

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高橋名人

高橋名人

たかはしめいじん

1982年にハドソン入社。ゲームの営業から開発まで様々な業務に携わるなか、1985年に「第1回全国ファミコンキャラバン大会」のイベントにて「名人」の称号を確立。ゲーム機のコントローラボタンを1秒間に16回押す「16連射」が話題となり、TV・ラジオ・映画等に出演するほか、自身が主人公のゲーム「高橋名人の冒険島」シリーズも大人気を博した。現在は、ゲームプレゼンターとして活動中。趣味はバイクツーリング、映画鑑賞。
高橋名人オフィシャルブログ「16連射のつぶやき」:https://ameblo.jp/meijin16shot/

――高橋名人は根っからのバイク好きで、一回のツーリングで1000kmは走る筋金入りのライダーと伺いました。最近は、バイクでどんなところへ出かけましたか?

最近は日光や群馬県の上野村、それから富士山を一周するルートが多いです。日光はいろは坂、上野村は道中にある志賀坂峠がお気に入り。特に志賀坂峠は、走っていて楽しいですね。右に左にほどよいカーブが連続する、僕にとってちょうどいい峠道なんです。

上野村に着いたら、近くの恐竜センター立ち寄ったり、蕎麦を食べたりしてからゆっくり帰ってくる。時間がある時は、そのまま軽井沢まで足を伸ばすこともありますよ。途中、「おぎのや」で峠の釜飯を食べたりしてね。

▲旅先での思い出を振り返りながら、楽しそうに説明してくれる。その姿は、子どもたちにゲームの楽しさを伝えていた、かつての高橋名人そのもの

――コロナ以前は、出身地である北海道にもよく走りに行っていたそうですね。

北海道を走る時はだいたい妻も一緒で、いつも1週間くらいの旅になります。土曜の夕方に大洗からフェリーに乗り、道内をタンデム(二人乗り)ツーリングして翌週の日曜に東京へ帰ってくる行程が多いですね。

北海道に行ったら必ず走るのが、日本海側の天塩(てしお)から稚内まで続く道。一般道なんですけど、20km以上にわたってひたすら直線が伸びています。道の両側に平原が広がっていて、エゾ鹿やキタ狐に出会えることもありますよ。

そのまま稚内の最北端まで行くと、目の前に180度以上にわたって海が広がっている場所があって、ここが最高なんです。天気が良い時は、海の真ん中で水の色が変わるんですよ。日本海側はグレーで、オホーツク海側はブルー。これを見るためだけに北海道へ行く価値があるくらい、素晴らしい景色です。

▲これがその絶景!(写真提供:高橋名人)

――すごくきれいな景色ですね。ちなみに、ブログを拝見するとバイク仲間ともよく出かけられているようで、とても楽しそうです。

そうですね。グループツーリングも、ソロとはまた違う楽しさがあります。7〜8人がタテに並んで走るんですけど、どういうわけか僕がいつも先頭。先頭って、いろんなことに気を配らないといけなくて大変だから、本当はイヤなんですけどね(笑)。事故を起こさないのは当然だし、バイクによって燃料タンクの大きさもバラバラだから、突然「あと2kmしか走れませ〜ん」ってやつも出てくる。「もっと早く言ってよ!」と思いつつ、スタンドを探したりしています。まあ、なんだかんだ言いつつ、そういうのも楽しいんだけど。

――名人は、いつからバイクに乗っているのでしょうか? 僕らが子どもの頃に見ていた「高橋名人」に、ライダーのイメージは全くなかったのですが。

実は、あの頃は会社からバイクを止められていたんですよ。そもそも、中型免許を取ったのは20歳の時。当時は上京前で、主に北海道の支笏湖周辺を走っていました。ハドソンに入社し東京勤務になってからもしばらくは乗っていましたが、「高橋名人」になった途端に会社から“バイク禁止令”が出てしまって……。

▲大活躍の裏側でそんなことがあったとは……

――当時はテレビにイベントにと引っ張りだこでしたし、事故にでも遭ったら大変ですもんね……。

それで10年以上バイクから離れることになり、再び乗り始めたのは40歳手前の頃。ある日、峠を楽しくツーリングしている夢を見て、「これはもう、バイクに乗っていいということかな」と勝手に解釈してしまったんです(笑)。そのまま会社に黙ってバイクショップへ行き、ホンダの「フォーサイト」を買いました。

――すごい勢いだ! 大型免許を取ったのも、その頃ですか?

フォーサイトを買った3か月後ですね。自動車安全運転センターで免許を交付してもらったその足でバイクショップへ行き、ホンダの「X4」を買いました。それが初めてのリッターバイク(排気量1000cc以上の大型バイク)です。以降は、欧州向けのホンダが作っている「パンヨーロピアン」を経て、同じくホンダの「ゴールドウイング」に落ち着きました。落ち着いたといっても、ゴールドウイングの新しいモデルが出たら、その度に乗り換えています。今ので4台目ですね。

▲現在はホワイトのゴールドウイングを乗りこなす(写真提供:高橋名人)

――20年で8台とは、かなりのハイペースですね。

ほしいのが出ると、つい買ってしまいます。2014年にゴールドウイングの発売40周年を記念して特別仕様モデルが出た時も、「俺も免許を取ってちょうど40年くらいだし、このモデルは乗らないと!」と思って買いました(笑)。確か、青山のホンダでバイクの情報番組を収録した時に展示されていたんですよ。赤と黒のツートンカラーの車両を見た瞬間にほしくなって、ロケが終わって即バイクショップに行き、注文しました。

――ちなみに、ずっとホンダ一筋なんですね。

そうですね。フォーサイトを買ったディーラーさんがとても感じの良い対応をしてくれたので、それから20年くらいお世話になっています。途中で埼玉に移転しちゃったんですけど、ずっと通い続けていますよ。

――ブログで拝見したのですが、バイクに乗る時はサーモスの水筒をお使いになられているとか。

10年以上ブログをやっているけど、サーモスさんのことを書いたの1回だけなんですよ。よく見つけましたね(笑)。

サーモスの水筒は3本くらい持っていて、ツーリングの時は保冷専用のストローがついたボトルを使っています。走りながら水分補給したいので、顔を上げなくても飲めるストロータイプは便利ですね。ストローが外せて洗いやすいし、交換パーツも充実しているから長く使えそうです。

▲ツーリング用の水筒。お気に入りのステッカーを貼ってカスタマイズしている

――これはいつからお使いなんですか?

このストロータイプは、わりと最近ですね。以前は、ペットボトルに吸口をつけて水筒代わりにしていましたが、夏場はすぐにぬるくなっちゃうじゃないですか。最初はぬるくなっても美味しく飲めるものを探したりもしたけど、やっぱり冷たいのを冷たいまま飲みたいなと思い、これに行き着きました。500mlのペットボトルの中身がそのまま入るので、サイズ感もちょうどいいですね。

――長時間バイクに乗っていると消耗しますし、こまめな水分補給は欠かせませんよね。

バイクはエンジンが下に付いているから、いわばお尻の下にストーブがあるようなもの。しかも僕のゴールドウイングはハンドルの前にシールドがあって、風が当たらないんですよ。暑さでかなり体力を消耗するので、いつでも冷たいドリンクが飲めるのは最高です。

▲水筒の中身はスポーツドリンクの日が多いそう (写真提供:高橋名人)
▲ハンドル内側のドリンクホルダーが水筒の定位置 (写真提供:高橋名人)

今年の夏に1時間ほど休憩せずにバイクに乗っていたら、帰宅後に軽い熱中症のような感じになってしまって。改めて、水分補給の大切さに気付きました。もし運転中に意識を失ったら、転倒して400kgの車両の下敷きになったり、歩行者を危険に晒してしまう可能性もありますから。

――名人はバイク以外にも、ゲーム、読書、映画などなど多趣味です。ゲームといえば「ロードランナー」や「高橋名人の冒険島」など、ファミコンの初期作品を今でもプレイされているそうですね。とある日のブログでは「冒険島むずい!」と書かれていて、“鬼ゲー”とも称される当時のソフトは名人でも簡単じゃないんだなと思いました。

「冒険島」は、たまたま30分だけ時間が空いた時にプレイしてみたけど、さすがにそんな短時間ではエンディングまでたどり着けませんでした。ファミコン初期のソフトって、ゲームセンターのアーケードゲームからの移植作品が多いんですよ。難易度の高いゲームセンターの仕様をそのまま移植しているので、難しいはずですよね。

――多趣味がゆえに、時間が足りなくなりませんか?

この時間はこれ、と決めているわけではなくて、飽きたら別のことをやるという感じですね。ゲームをやるのに疲れたら本を読み、集中力が切れたらプラモデルを作ったり、ゲーム機本体を分解して整備してみたり。そうやって、全部が楽しい時間になるようにしています。

▲将来のことを考えるより、今を思い切り楽しむのが高橋名人のスタイル

――それだけ趣味がたくさんあると、人生がものすごく豊かになりそうです。

そのぶんお金もかかるので、本当は2つか3つくらいまでにしておいたほうがいいんでしょうけどね。ただ、この先あと何年生きるかわからないのに貯金しすぎても仕方ない。僕より長生きしそうな妻が困らないだけのお金さえ残せたら、あとは今を楽しもうと思っています。

――ご夫婦で共有できる趣味はあるんですか?

妻もゲームは好きですね。リビングのテレビの両サイドに、夫婦それぞれのゲーム専用モニターがあります。真ん中のテレビは、妻が「リングフィット アドベンチャー」をやる時に使って、僕はその間、寝室で3DSをやってます。

――先ほど、サーモスの水筒について伺いましたが、他に気になっているボトルはありますか?

熱いエスプレッソを飲むための専用ボトルがほしいですね。最近、細くて小さい水筒が流行っているじゃないですか。あれくらいのサイズ感で、ホットに対応しているものがあるといいなって。120mlの容量があればエスプレッソのトリプルが入るし、6時間くらい保温できたら仕事の合間にいつでも熱々を飲める。サーモスさんで作ってくれませんかね?

▲愛用しているストロー付きの水筒にも、「運転中に落ちないよう、紐をつける穴(ストラップホール)をつけてほしい」とライダーならではのリアルな意見をいただきました

――実は、2021年春夏モデルで、120mlのポケットマグが出ました。保温も保冷もできます。

そうそう、こういうの。なんだ、もうあったんですね(笑)。

――思わず宣伝してしまいましたが、最後に改めて伺います。今後、サーモスのボトルを持って出かけてみたい場所はありますか?

ツーリングで遠くに行くのもいいけど、近所を散歩する時に持っていくのもいいですね。コロナ禍ということもあって、妻とよく散歩するようになったんですよ。そういうちょっとしたお出かけの時も、こういうボトルのほうがペットボトルよりスマートだし、サマになります。

ちなみに、うちは妻もサーモスの水筒とスープジャーを持っていて、夫婦ともども愛用しています。これからも、サーモスを持って、二人でいろんなところへ出かけたいですね。

取材・執筆:榎並紀行(やじろべえ)
撮影:小野奈那子
編集:ノオト

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