グラブルヴァーサスの公式大会を、格ゲー初心者が楽しんでみた

2022年12月4日、Cygamesが主催、サーモスが協賛する『グランブルーファンタジー ヴァーサス(GBVS)』の大会「GBVS Cygames Cup 2022 Autumn」の決勝戦が行われました。会場には観客を入れず、選手と実況者のみが集まる形で開催され、Steam版とPlayStation版の2部門ともに試合の模様はオンラインにて配信されました。今回は、eスポーツ初心者が大会観戦を楽しんだ様子をお届けします。

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GBVS観戦初心者である筆者は以前、今大会でキャスターをされていた、なかおさんと、選手として出場されていたdebagameさんに「eスポーツ観戦の楽しみ方」を伺いました。

▼【対談】グラブルヴァーサスのキーマンが語る、eスポーツ観戦の楽しみ方
前回の模様はこちらをクリック

その際に伺った「観戦のコツ」をもとに、今回は観戦初心者が大会観戦を楽しんでみました!

▼公式大会動画リンクは、こちら↓
https://youtu.be/VdXsaabDZ9c

結果は、Steam版部門はひのきの棒選手、PlayStation版部門ではPGW|レン選手がそれぞれ激闘を制しました。おめでとうございます!

▲PGW|レン選手は、Steam版部門にも出場し、準優勝するなど安定した強さを見せつけました。選手の皆さん、長丁場の試合お疲れさまでした

実際に対戦を見ると、体力の減りに注目するだけで、どちらが優勢なのかが初心者でもわかりやすかったです。格闘ゲーム、意外と初心者向きかもしれません。自分があまり詳しくないスポーツでも、オリンピックで試合を見ると面白い感覚に似ています。

▲画面上部に体力ゲージが表示されます

体力に注目してわかりやすかったのは、steam版部門でのしお’選手 対 PGW|レン選手のアバタール・ベリアルによる同キャラ戦でした。

▲アバタール・ベリアルは2021年12月に追加されたDLCキャラ

アバタール・ベリアルは高火力の代わりに耐久力が弱いという特徴を持つキャラ。つまり、攻撃を当てることさえできれば相手の体力をかなり削れるのですが、その代わりに相手からの何気ない攻撃が致命傷となりうる。博打的な面を持つキャラクターです。

実際の試合では、お互いにみるみる削られていく体力ゲージに、早いテンポ感で試合が決着して面白かったです。

試合前にはプレイヤーインタビューを行い、選手に対して試合への意気込みや意識している対戦相手などについて聞きます。このインタビューを通して、選手の人柄がうかがえるのですが、これは絶対に見るべきだと思いました!

▲Steam版部門選手インタビュー

というのも、選手たちは普段から一緒に対戦している人ばかりで、お互いをよく知っているんですね。試合前からコメントでバッチバチにやりあっていたので、「プロレスだ!」と思いました。こうした選手同士の掛け合いが見られるのも、オフライン大会の良さなのでは!?

個人的に面白かったのが、サメ映画界で有力な人物でもある、おーえん選手との対戦が決まったえだまこと選手が、前日にあった選手同士の飲み会に参加せず、おーえん選手を倒すための願掛けとして、「中華街で3850円のフカヒレを食べていた」と明かしたこと。

▲勝利の願掛けでフカヒレを食べた、えだまこと選手

選手の個性を理解した上で、フカヒレを願掛けに食べるの。そんなん、相手のことを思いすぎて逆に仲良しじゃないですか……。

なお、そんな両者の試合では、おーえん選手がえだまこと選手に勝利し、「さす鮫(“さすが鮫の人”的なニュアンス)」「4000円の対策が」「フカヒレの仇」といったコメントが書き込まれていました。コメント込みで見ると、さらに楽しい(笑)。

▲おーえんさんの持ちキャラ、ファスティバ

また、前回注目選手として名前が挙がっていたgamera選手も、試合前のインタビューで「眠いっす」と通常運行の受け答え(会場で笑い声があがる)。これがgamera選手節! ひたすらみんなキャラが立ちすぎています。

そんな眠そうだったgamera選手。対戦では打って変わって苛烈なキャラクター・コントロール(キャラクターを動かす動作のこと)を見せてくれ、震えました。

今大会には、以前の大会や、別タイトルの大会で良い成績を残している選手がたくさん参加していて、決勝でないにも関わらず夢の対戦カードが組まれることも。どの試合も激戦で、一瞬たりとも目が離せませんでした。

選手たちを知らない状態で見ても、インタビューやコメントを眺めているうちに、気が付いたらファンになっているから不思議です。

▲明日の予定を「仕事」と答えたPGW|レン選手が、「有給休暇」と答えたしお’選手を見事撃破!

選手の情報が対戦中に画面上で小出しにされるのですが、Steam版部門で行われた、しお'選手 対PGW|レン選手の対戦では、「明日の予定は?」への回答で、しお'選手が「有給休暇」、PGW|レン選手が「お仕事」という情報にコメント欄が盛り上がりました。有給がんばれ! お仕事負けるな~!

そして解説席には特定の解説者がいるわけではなく、試合前後の選手たちが座り、試合を解説してくれます。選手たちは器用だし、私たち視聴者に対しても面倒見がいい……。

▲選手たちは試合の解説もしてくれます

なかには、配信のコメント欄に、メッセージを残してくれる選手もいました(そして、まさかの本人降臨に、コメント欄がさらに盛り上がります)。

視聴者の中にも普段から一緒に対戦をしているような、選手をよく知る方がたくさんいらっしゃるんですよね。そのため選手と視聴者の距離も近くて面白かったです。

この気さくで面倒見がいい感じ、“いつも遊んでくれる、ゲームがうまい近所のお兄ちゃん”のようで、選手たちそれぞれを自然に応援したくなるんですよね。どのお兄ちゃんを応援しようかな、の目線でぜひ見てみてください(笑)。

前回のなかおさん、debagame選手のインタビューで伺っていた「応援絵」の文化についても今回は注目して見ていました。大会が開催される前からSNS上には選手を応援するイラストがたくさん投稿され、配信では試合のインターバルなどで紹介されました。

▲選手のイメージを使用キャラクターに反映した応援イラスト!

Twitterでは「#GBVS_CC応援イラスト」のハッシュタグで見ることができます。選手がいつも着ているTシャツやカラーなど、キャラクターに選手の特徴を反映させたイラストが投稿され、いずれも選手愛にあふれていました……! 素敵なイラストがたくさん見られて眼福でした。

キャスターや選手による実況解説を聞き、コメントを表示させながら配信を見ていると、まるで詳しい人と試合を一緒に見ているような面白さがありました。

試合の盛り上がりどころを教えてくれるし、「今の技のどこがすごかったのか」を教えてくれます。やっぱりオフライン参加では実況・解説してくれるキャスターと対戦している選手たちの表情が見られるのがすごくいいですね。これがオフライン参加大会の醍醐味!

そんな激闘を盛り上げたキャスターのひとり、なかおさんにもコメントをいただきました。

<コメント>

--「GBVS Cygames Cup 2022 Autumn」の激闘を間近でご覧になっての感想をお願いします。

Steam版とPS版の2部門での開催ということもあり、多くの上位選手の試合が見られました。他のタイトルでは見たことないのでとても良かったですね。バージョンアップから時間が経っていたこともあり、新システムを含めた攻略がかなり進んでいました。

--Steam版で準優勝、PlayStation版で優勝されたレン選手はどのような印象でしょうか。

Steam版で優勝を逃してしまったところからのPS版での優勝や、大会中に複数のキャラクターを扱うなど、気持ちの面でも、キャラの使い分けという意味でも、「切り替え」がとても重視される場面を乗り越えての、この結果ですよね。

日頃からさまざまなイベント・大会に参加されているので、その日の流れをつかむ力や体力・集中力などが結果につながっているなと思いました。

--オンラインではなく、選手が会場に集まる形での大会で、皆さん盛り上がっているようでしたが、舞台裏はどんな感じでしたか?

ピリついて誰ともしゃべらず……という選手はおらず、それぞれ攻略の話をしていたり、モニターを見て戦っている選手を応援していたりと、みんな仲良くしゃべっていましたよ。対戦が終わった組も控室に戻ったあとに2人で振り返りをしていて、コミュニティー内の温かさが伝わってきましたね。

--今回感じた、オフライン参加の良さについてあれば教えてください。

選手たちは「緊張するけれど、応援やステージの特別感によって“勝ちたい!”という気持ちが強まるから楽しい」と言っていました。オンラインでも大会特有の熱を我々キャスターが伝えることはできますが、目の前で見る熱量にはかなわないですね。

感覚としては音楽のライブに近くて、演出・歓声・ゲーム音・選手の鼓舞をリアルに感じるのは、すごく楽しいです。僕も実況解説していて本当に楽しい(笑)。次の大会も楽しみです!

時勢的に難しかったオフラインの大会も、少しずつ増えています。今回大会を追っていて、選手の人柄や緊張感、選手同士の関係性などが伝わってきて、オフライン開催ならではの良さを知ることができました。選手一人ひとりも身近に感じられ、気が付いたら特定の選手を応援して熱くなっていました。

今大会は配信を観戦するのみでしたが、これからは現地に足を運ぶことで大会の熱気を肌で感じられる日が来るのがますます楽しみです!

編集:ノオト

井口エリ

井口エリ

オタク気味のサブカルフリーライター。実は宝石鑑定士の資格を持っている。

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