フードコーディネーター・石橋絵理さんに教わる、おもてなしのセッティング術
ホームパーティーなど、みんなで集まる機会には、いつもとはちょっと違ったテーブルコーディネートでおもてなしをしてみませんか?フードコーディネーターとしても活躍する料理家・石橋絵理さんに、テーブルのスタイリングやおしゃれに見える盛り付けのコツなど、おうちでできるポイントを教えていただきました!
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石橋 絵理
いしばし・えり
「食で人生を豊かに」をテーマに、料理教室主宰やフードコーディネーター、レシピ開発など多岐にわたって活動。自身の料理教室「えりの食卓」では、手前味噌、本格キムチ、甘酒、発酵調味料などを作り、スタイリングや撮影も含めたトータルレッスンを展開している。
Instagram:@japanese.fermentedfoods
料理やテーブルを素敵に演出するフードコーディネートやスタイリング。おうちでおもてなしする際には、ちょっとした工夫で普段とは違った見せ方、楽しみ方ができるといいですよね。石橋さんは普段、おうちでおもてなしをする際はどんなことを意識していますか?
普段の食卓とは少し違う、ちょっとした特別感を意識しています。とはいえ、あまり気負い過ぎるとホストもゲストもお互いに疲れてしまいますよね。おうちならではのカジュアルさや気軽さを出しつつ、おもてなしの気持ちが伝わるコーディネートができたらいいなと考えています。
おもてなしの際、まず私は最初にメイン料理を決めます。オーブン料理や煮込み料理だとあらかじめ作っておけるのでいいですね。取っ手のとれるフライパンを使っての一品なら、ひとりずつ盛り付けする必要がなく、取り分けもゲストにおまかせでOK。ホストもそのまま座れます。
次にサイドメニューも決めましょう。季節の食材はおもてなしでも喜ばれますが、メインと具材や色合いがかぶらないように注意が必要です。私がおすすめするのはフルーツを使った一品。前菜やおつまみ、デザートとしても楽しめます。マリネは時間を置くと味なじみが良くなるので作り置きに向いていますし、すぐにお出しできるスピードメニューにもなりますよ。
ある程度料理を決めてから、うつわやクロスなどテーブルコーディネートを考えることが多いですね。今回はどんなシーンにも合う落ち着いたグレー系を選びました。2色程度の同系色で揃えると統一感が出ますし、料理の色が引き立ちます。クリスマスなら、ポイントでさりげなく赤や緑を入れてもいいですね。カトラリーはナイフやフォークもいいですが、おうちでのおもてなしならお箸がおすすめ。シンプルですし、テーブルの上も広く使えます。
普段からよく作るような料理でも、盛り付け方でおもてなしの特別感が出せます。こちらは「サーモンとアボカドのマリネ」ですが、盛り付けているうつわは100円ショップで購入した日本酒グラス。こんな風に食材の色合いを見せたい時や、涼しげに見せたい夏にはガラスのうつわを使うことが多いですね。
逆に秋冬は土の温かみが伝わるような陶器のうつわを使うことも多いです。平皿を使って上品に見せたい時はうつわに余白を残すよう意識し、高さを出すように盛り付けます。
市販のチーズや生ハムでも切り方や置き方、色の組み合わせや高さなど、盛り付け次第で洗練された雰囲気にできます。例えばチーズならカッティングボードなどの上にあえて塊を盛り付けて、食べる分だけ切ると豪快かつ動きが出ますよ。生ハムは1枚ずつはがし、うつわいっぱいに盛り付けると、バルのような気軽さやカジュアルさを演出できます。
料理を引き立てたいので、私はお花ではなくグリーンを置くことが多いですね。おすすめはインテリアグリーンの定番・アイビー。ひと枝をガラスのうつわに挿す程度でOK! ツルがあるのでテーブルに動きが出ますし、全体の色のバランスが取りやすくなりますよ。
石橋さん、ありがとうございました!
記念日やお祝い、大切な来客など、知っておくと役立つ機会も多いフードコーディネート。ぜひおうちでのおもてなしに活用してみてくださいね。
撮影:山下コウ太
編集:Nadia
執筆:田窪 綾
調理師免許を持つフリーライター。惣菜店やレストランで8年ほど勤務経験あり。食分野を中心に、Webや雑誌で取材やインタビュー記事作成などを行っている。
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