フライパンで作る! 秋きのこのデュクセルキーマカレー

季節を問わず食べたくなる、家庭料理の定番といえば「カレー」。市販のルーは手軽でおいしいけれど、たまにはちょっとだけ本格的なスパイスカレーを作りたい! フライパンで手軽に作れるきのこの旨味たっぷりのカレーをChance The Curry代表のタケナカリーこと、竹中直己さんに教えていただきます。

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家庭料理の定番だからこそ、ややマンネリしがちなカレー。いつもの味にちょっと飽きたら、食欲の秋に旬を迎える「きのこ」を使ってみるのはいかが? 手軽なカレー粉にクミンやショウガをちょい足しすることで、おいしさ倍増、からだもポカポカ温まるスパイスカレーが作れます。

本格的なのに手順は簡単で、仕上がりは絶品! そんなレシピを教えてくれるのは、Chance The Curry代表のタケナカリーこと、竹中直己さんです。

たけなかなおきさん

<プロフィール>
竹中 直己(たけなか・なおき)
Chance The Curry代表。カレーに類するものを作ります。スパイスから作るカレーはおいしいし、作ること自体がとても楽しくて、何より挑戦しているカレーは美しい!そういったことがたくさんの人に伝わるといいなと思い、活動中。

「栄養たっぷりのきのこを使ったデュクセルソースをスパイスカレーにしちゃいましょう! きのこは低温調理でもしっかりと旨味が出るため、火力が安定しない野外クッキングでも失敗せずにおいしく仕上がります。フライパン一つで作れるし、キャンプシーンにもぴったりですよ」(以下、竹中さん)

ところで竹中さん、「デュクセルソース」とは一体?

「フレンチで使われる、みじん切りのタマネギやハーブなどをバターで炒めて旨味を凝縮させたソースです。多めに作って冷凍しておけば、いろんな応用が効きますよ」

それでは、早速レシピを教えていただきましょう。

  • 材料(2人分)

  • ・きのこ類(シイタケ・マイタケ・しめじ・エリンギなど) 200g
  • ・タマネギ 1個
  • ・ピーマン 2個
  • ・トマト缶 200g
  • ・合挽き肉(牛・豚)300g
  • ・赤ワイン 100ml
  • ・バター 20g
  • ・オリーブオイル 大さじ2
  • ・はちみつ 小さじ2
  • ・ウスターソース 大さじ1
  • ・カレー粉 大さじ2
  • ・クミンシード 小さじ1
  • ・コショウ(できれば粗挽き) 小さじ2
  • ・唐辛子 2個
  • ・ニンニク(すりおろし) 小さじ1
  • ・ショウガ(すりおろし) 小さじ1
  • ・塩 小さじ1
  • ・タイム(お好みで)

【1】きのことタマネギをみじん切りにする。

▲香りのよい生のきのこを使いましょう

デュクセルソースの素となる、きのことタマネギをみじん切りにします。きのこは、香りのよいシイタケを中心に、マイタケやしめじ、エリンギなど、手に入りやすいものを数種類ブレンドするのがオススメ。

「きのこのみじん切りはできるだけ細かくしてください。フードプロセッサーを使うと楽チンです。ただし、タマネギは細かくしすぎると水分が出て焦げやすくなるので、包丁で切るのがオススメ。サイズをそろえて細かく切ることで火が通りやすくなります」

【2】オリーブオイルでクミンシード、唐辛子を熱する。

フライパンに、オリーブオイル、クミンシード、唐辛子を入れて火にかけ、オイルに香りを移します。

「スパイスを油に入れる際は、クミンシードが先で、焦げやすい唐辛子が後。香ばしい風味が好きな人は、あらかじめスパイス類を乾煎りしておくとよいですよ。辛いのが苦手な人は、唐辛子のタネを取り除いてくださいね」

【3】きのことタマネギ、塩を加えて炒める。

スパイスを熱したオイルがフツフツと泡立ったら、1で刻んだきのことタマネギ、塩を入れ、強火で3分ほど炒めます。

「塩を入れることでタマネギから水分が出て、フライパンの中がしんなりとしてきます。熱が具材に通るように、ゆっくりと混ぜ合わせましょう。」

【4】バター、ニンニク、ショウガを入れて、弱火でなじませる。

▲すでにいい香りがしてきます…!

バターとニンニク、ショウガを加え、フライパンの中を一通り混ぜたら、弱火にして20〜30分ほど時々混ぜながら加熱します。

「きのこは水分たっぷりなので、たまに混ぜる程度でも焦げません。全体がしんなりして水気が飛んだらデュクセルソースの完成です! ちなみに、本格的なデュクセルソースは白ワインを加えるのが一般的ですが、肉料理に使うなら赤ワインを加えるなどしてアレンジするのも楽しいですよ」

【5】トマト缶を加え、水分が飛んだらカレー粉とコショウを入れて混ぜる。

強火にして、デュクセルソースにトマト缶を加えて混ぜ、水分を飛ばします。

「国産の生トマトは水分が多すぎるので、ホール缶を使うのがベター。特にイタリア産のものは品質が安定していてオススメですよ。水分が抜けると、きれいな“カレーロード”があらわれます! いい感じです!」

▲フライパンの底がしっかり見える完璧なカレーロード!

水分がしっかり飛んだら、弱火にして、カレー粉とコショウを加えて混ぜます。

【6】ウスターソース、はちみつ、赤ワイン、合挽き肉を入れる。

中火にして、ウスターソース、はちみつ、赤ワイン、合挽き肉を順に加えます。

「フルーツや野菜のエキスが入ったウスターソースは、旨味の詰まった頼れる調味料。水分を飛ばしている最中に、お好みでタイムなどのハーブを加えてみても、香りがたっておいしいですよ」

【7】ピーマンを入れて一混ぜすれば完成!

水分が飛んだら、最後にピーマンを投入して彩りと食感を整えたらできあがりです。

「キーマカレーは地味な色にまとまりがちなので、ぜひここでピーマンの鮮やかな緑を足してください。あるいは、パルミジャーノチーズやヨーグルトなどを入れて、さらなる旨みとコクを加えるのもオススメです」

「コショウがガツンと効いた、スパイシーなカレーができました! 後味がピリッとしているので、もしお子さんと食べるときはコショウの量を少し加減してみてください。肉のように柔らかいきのこに、シャキシャキとしたピーマンの食感も楽しいし、噛めば噛むほどじゅわっと旨味を感じます。うん、おいしい!」

口に運ぶごとにじんわりと汗をかく、スパイスのホットな味わい。胃からポカポカと温まり、スプーンを持つ手が止まりません。秋風を感じながら、自然の中で味わうのもすてきです。

「スパイス=辛いと思われがちですが、数あるスパイス中でも辛いものは片手で数えられる程度。ほとんどのスパイスは香りの豊かさこそが魅力で、異なる種類を組み合わせて研究すればするほど、自分好みの味わいがきっと見つかります。キッチンにいくつか常備しておくと楽しいですよ!」

底面が広く全体に火が通りやすいフライパンは、実はスパイスカレー作りにおすすめのアイテム。深型フライパンなら「炒める」「煮込む」工程も楽々スムーズにこなせます。今年の“食欲の秋”はフライパンで、簡単なのに本格的なカレー作りに挑戦する。そんな過ごし方を楽しんでみてはいかがでしょうか?

撮影:小野奈那子
編集:ノオト

矢口 あやは

矢口 あやは

やぐち・あやは

ライター・編集・イラストレーター。大阪府生まれ。トラベル、アウトドア、サイエンスなどのジャンルで、雑誌やWEB、広告などを中心に活動。ヨットが好きで2020年に一級船舶免許を取得。

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