マイボトルの一歩先へ。サステナブルなキッチングッズを始めよう!

SDGs(持続可能な開発目標)の認知とともに、毎日の生活に取り入れられるサステナブルなキッチンアイテムを探している人も多いはず。エシカルプランナー・鈴木有希さんにお気に入り3アイテムを教えていただきました。

この記事をシェアする

Facebook X LINE
鈴木有希

鈴木有希

すずき・ゆうき

エシカルプランナー。オーガニックスキンケアブランドのマネジャーとして様々なジャンルのエシカルを学び、独立。大丸東京店で開催した「エシカルマーケット」など数多くのイベントを手がける。

環境に配慮した真摯なものづくりをしながらも、まだ世に広く知られていない小さなブランドの普及活動に取り組む、エシカルプランナー・鈴木有希さん。普段はどのような視点で、キッチンアイテムを選んでいるのでしょうか。

鈴木さん
「これはキッチンアイテムに限ったことではないですが、モノを選ぶときに『私はこれがいい』と自分軸を持つことは大切ですよね。毎日使うものこそ、使い心地も使いやすさも妥協しちゃうと続かないから。これからの時代はそこにプラスして、自分の選択が環境や人にどう影響するのか想像することも必要かな、と思います」

トライアンドエラーを楽しみながら、愛着を持てるキッチンアイテムを探していると言う鈴木さんに、さっそく3つの愛用アイテムを教えていただきましょう。

これまで食器洗いは、綿ふきんを使っていた鈴木さん。煮沸して繰り返し使えるところは気に入っていたものの、もう少し泡立つとうれしいなと感じていたそう。そこで使い始めたのが、へちまスポンジです。

鈴木さん
「へちまスポンジは乾燥している状態だとすごく固くて、最初に手にしたときは『あ、使いにくいかも…』って正直思いました(笑)。でも、水につけたらすぐ柔らかくなりますし、食器にフィットするように大きく切り込みを入れたら、すごく使いやすくなって。不便だな……で終わらせるのではなく、自分で工夫してみるのが好きなんです」

鈴木さん
「綿ふきんより泡が立ちますね。化学繊維のスポンジに比べるとどうしても劣りますが、私はこれくらいの泡でも気にならないです。さほど汚れていないグラスは、へちまスポンジだけで洗うこともあります。使い終わったら、ぎゅっと絞ってそのまま吊るすだけなのも楽チンです。毎朝キッチンに立つ夫も気に入ってくれました」

続いて紹介してくれたのは、国産落葉樹の木炭と水だけでできた灰汁(あく)の洗剤です。昔は、食器洗いや藍染の原料として活用されていたという炭汁。天然由来だから、人にも環境にも優しいのが特徴です。水のようにさらっとしています。

鈴木さん
「天然由来の洗剤って、油汚れに弱いイメージがありませんか? この洗剤はアルカリ性で、動物性タンパク質をしっかり落としてくれるんです。お肉を焼いたギトギトなフライパンには、直接吹きかけちゃいます。端切れで拭き上げてから洗えば、ストレスなくすっきり! つけおき洗いもオススメです」

鈴木さん
「泡立ちが少ないので使用感の好みはあると思いますが、キュッとした洗い上がりに満足しています。この洗剤を使い始めて、自分が普段どれだけの油を摂取しているのか実感するようになりましたね。私はヴィーガンではないけれど、いかに動物性の食べ物を口にしているのかもわかったので、食生活にもより関心が高まりました」

洗濯洗剤としても使えるうえ、消臭効果もあるから薄めて部屋の掃除にも活用できるこの洗剤。鈴木さんは、へちまスポンジと一緒にお風呂掃除にも使っているそう。用途が限定されず、幅広いシーンで使いまわせるというのも、うれしいポイントです。

最後に紹介してくれたのは、トートバッグ型のコンポスト。以前から、キッチンのシンクの下に設置する生ゴミ粉砕機「ディスポーザー」の快適さを友人たちから聞いていたけれど、なかなか一歩を踏み出せなかったときに、このアイテムに出合ったそう。

鈴木さん
「キッチンに置いておけるのが本当に便利! 野菜クズや卵の殻などが出たら、ゴミ袋代わりに入れればいいだけなので無理なく続いています。虫や臭いが心配な人もいると思いますが、目の細かいしっかりとしたジップがついているので安心です。子どもも興味を持ってくれて、今日も『みかんを食べたら、皮を小さくして入れてね』とお願いしました。空気を送り込むと微生物分解が促されるそうなので、毎朝一緒にスコップで混ぜています」

鈴木さん
「生ゴミを入れると、どんどん重くなるかと思っていたんですけど、分解されるからむしろ軽くなっていくんですよ。腐葉土ができたら、鉢植えの土にしたり、庭で木を育てているご近所さんにお裾分けしたりしています。最初に紹介したへちまスポンジも、ボロボロになったらここに入れちゃえばゴミにならない。こういう循環って気持ちいいですよね」

今回教えてもらった3アイテムは、すべて日本製。そこには、鈴木さんのある想いがありました。

鈴木さん
「これまでは環境に配慮したアイテムならば、海外・国内問わず取り入れていたけれど、コロナの影響でストップした流通を目の当たりにしたら、日本を支えるために何を選択するのか、今まで以上に強く意識したいなと考えるようになりました。コツコツ頑張っている日本のブランドを応援したいなと思います」

たとえ消耗品であっても、その商品ができるまでの背景や作り手に想いを巡らせている鈴木さんに、これからサステナブルをより実践したいと考えている人にアドバイスをもらいました。

鈴木さん
「いきなり生活のすべてをエココンシャスにする必要はないと思います。例えば、節約のためにマグボトルを使っていたとして、あとから『これもエシカルな行動なんだ』と気付いて、そこからできることがもうひとつあるかな? と思えたら、どんどん広がっていきますよね。お気に入りのアイテムを見つけたら、友だち同士で話をしてみるのも楽しいですよ。私は、1人の100歩より100人の1歩に価値があると考えています。まずは気軽にできることから始めてほしいですね」

撮影:小野奈那子
編集:ノオト

関あやか

ライター:関あやか

せき・あやか

有限会社ノオト所属の編集者、ライター。ヨガウエアやオーガニックコスメの販売経験から、好きな分野は料理、美容、健康、ライフスタイルなど、毎日の暮らしにまつわるなにげないこと。

この記事をシェアする

Facebook X LINE

プラスサーモス おすすめの商品