夏! クラフトビールを楽しもう♪

暑い日はなんといってもビール! という方も多いことでしょう。今回は独自の製法でオリジナルな味と香りを追求しているクラフトビールの世界をご紹介します。

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夏、キンキンに冷えた缶ビールをぐいっと飲むのもおいしいですが、ゆっくり香りや味わいを楽しみながら飲むクラフトビールもまたオツなもの。個性豊かで奥深いクラフトビールの世界を、この夏、味わってみませんか?

7月に入り気温が上がってくると、一段とおいしくなるのがビール。
最近では、世界じゅうから輸入したさまざまな種類のクラフトビールを味わえる、クラフトビール専門店ができたり、日本全国のご当地ビールが飲めるお店ができたりしています。

では、クラフトビールとはいったい何なのでしょう。
その起源はアメリカにあります。1970年代のアメリカは2つの大きなビールメーカーが市場を独占し、ライトな味わいのビールしか手に入りませんでした。その味に飽きたアメリカ人が、それぞれ自分たちの好きな味のビールを作ろうと独自にビールを醸造し始めました。

ビール酵母や色、アロマ(香り)、製法などにこだわり、丹念に作られたクラフト(工芸品)のようなビール……当然、まずいわけがありません。この確かな味わいが好まれ、徐々にアメリカ各地で花開いていきました。

アメリカではクラフトビールを下記のように定義しています。
年間製造量が600万バレル(約70万キロリットル)以下で、独立性を保っており、伝統的、あるいは革新的な醸造によって作られるビールのこと。

日本では、年間で最低2000キロリットルを製造しないと許可されなかった「ビール醸造免許」が、1994年の規制緩和により、最低製造量60キロリットルに引き下げらました。これによって日本各地に小規模なビール醸造所が次々に誕生していったのです。

酵母の種類や製法などにより、クラフトビールは100種類以上あると言われています。でも、私たちがよく飲んでいるビールはほんの数種類だけ。実にもったいない話です。

ビールには大きく分けてラガーとエールの2種類があります。ラガービールは日本で一般的なビールで、スッキリした喉ごしの、ごくごく飲むビール。エールビールは、鼻腔を抜けるアロマ(香り)やフルーティな味わいを楽しみながら、ゆっくり飲むビールと言えます。

このエールとラガーの違いを頭に入れておくと、クラフトビールを選ぶとき、役に立つかもしれません。

エールは、エール酵母で発酵させ、複雑な味わいやコクが楽しめます。アルコール度数が高いずっしりとした味わいのIPA(インディアンペールエール)、フルーティで白ビールと呼ばれるベルジャンホワイト、黒ビールのスタウトなどがそれに該当します。

ラガーは、ラガー酵母で発酵させ、いわゆるキレのある味わいが特徴。日本の大手メーカーのほとんどはピルスナー系のラガービールに分類されます。
ピルスナーは19世紀半ばにチェコで誕生した、アルコール度数低め、黄金色で、ホップの苦味がウリのビールです。それがドイツで普及し、もう少しドライなジャーマンピルスナーに進化。日本人の好みにも合い、広まっていったのです。

さて、クラフトビールの基礎知識はこれくらいにして、ここからは山梨県山梨市にあるクラフトビール専門店「クラフト・ホップ・スタンド1234」にお邪魔して、マスターである松川広太さんにお話をうかがいます!

Q.クラフトビールの魅力は?

A.種類がとにかく豊富ですね。大きく分類するとエールとラガーの2つなんですが、作り手が作りたいビールを設計して作るので、もはやその境界線も曖昧になってきています。さまざまなスタイルのビールが誕生していますし、材料も自由で、山梨にあるクラフトビールなら名産のぶどうを入れたり……。今日入ってきている「May The Pho Be With You / メイザフォービーウィズユー」というクラフトビールは、原材料にフォー(ベトナムの米粉)を使っているんですよ。さらにライムやコリアンダーなんかも入れて、独特のスパイシーなフレーバーを楽しめます。

日本だけでも毎週2~3種類の新作ビールが誕生しています。この仕事をしていても飲みきれないくらい種類が多い。自分の好きな味を見つける、新しい味に出会えるという楽しみがクラフトビールの魅力ですね。

Q.初心者は何から飲み始めればいいですか?

A.まずはホワイトビールのような、すっきり系のクラフトビールから飲んでみたらどうでしょう。入りやすいと思いますよ。あと、フルーツエールというジャンルがあって、フルーティで飲みやすく、女性にもおすすめです。最近はコンビニやスーパーでもクラフトビールを置いてある所がありますから、気になるものから試してみてください。

でも、うちみたいなクラフトビールスタンドで、お店の人に聞いてみるのが一番ですよ。その人の好みに合わせて、ぴったりのビールを紹介できますから。


Q. おうちでクラフトビールを飲む時のコツがあれば教えてください。

A. キンキンに冷やさないほうがいいです。クラフトビールはアロマや味を楽しむもの。冷やしすぎるとそれが楽しめなくなってしまいます。

それと、泡をあまり立てないようにゆっくりと注いだほうがいいですね。泡をたくさん立てるのは日本独特のビールの楽しみ方なんですよ。クラフトビールは丁寧に注いで、泡は少なめに入れてください。

ということで、このあとは心ゆくまでいろんなクラフトビールを楽しませていただきました。
松川さん、ありがとうございました。
クラフトビールに乾杯!

山梨市駅近くのクラフトビール専門店。もっと多くの人にクラフトビールの魅力を知ってもらいたい……そんな想いから、山梨のビールはもちろん、全国のクラフトビール醸造者の意気込みが伝わる品揃えで、お客様をお待ちしています。

お話を聞いた人
「クラフト・ホップ・スタンド1234」マスターの、松川広太さん。学生時代からクラフトビールの魅力に目覚め、地元山梨市に念願の専門店をオープン。日々、新しい味わいのクラフトビールをハンティングし、お店で提供しています。


取材・撮影:藤平ヒロシ
編集:オフィス福永
<ライタープロフィール>

藤平ヒロシ

藤平ヒロシ

とうへい・ひろし

Web構築プランナー&ディレクター。都内のオフィスと河口湖を拠点としたコワーキングスペースで多媒体のコンテンツ制作に携わる。趣味は稲作と弁当づくり。大のビール好き。

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