子どもに伝えたい伝統行事「十五夜」。お月見団子の作り方とアレンジレシピ

秋の夜長に満月を愛でる、日本古来の年中行事「中秋の名月(十五夜)」。2023年は9月29日(金)が十五夜にあたります。今年はぜひ親子でお月見を楽しんでみませんか?お月見団子の基本的な作り方からお子さんが喜ぶアレンジまで、カワイイ食卓研究家のきゃらきゃらさんにお聞きしました。

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きゃらきゃら

きゃらきゃら

カワイイ食卓研究家
牛乳パックやクリアファイルなど、身近な材料で型を作って仕上げる可愛いキャラフードや、トースターやフライパンで作れる手軽なお菓子・料理を日々研究。ダイエット中や糖質制限中にもおすすめの低糖質スイーツレシピにも定評があり、カフェのメニューや企業のレシピ開発を手掛けるほか、テレビ番組にも出演するなど幅広い活動を行なっている。
Instagram:@kobayashi.mutsumi

秋は湿度が下がって空気が乾燥することから、月がきれいに見える季節。秋といえば最近はハロウィンが人気ですが、「中秋の名月(十五夜)」のお月見もぜひ大切にしたい伝統行事のひとつです。

中秋の名月(十五夜)とは

旧暦8月15日(中秋)の夜に見える月のこと。月の満ち欠けを基準にした旧暦ではこの日は満月で、さらに旧暦7月・9月の真ん中にあたることから、1年でもっとも明るく美しい「中秋の名月」と呼ばれるように。月を愛でる文化は中国から日本に伝わったとされており、奈良・平安時代には月見として和歌を詠んだり宴を楽しんだりする慣習が生まれました。庶民の間では、五穀豊穣を祝って実りに感謝する十五夜祭りとして発達。米で作った団子のほか、秋の収穫物である里芋を月にお供えする習慣から「芋名月」ともいわれています。

出典元:絵でつづるやさしい暮らし歳時記(出版:日本文芸社)

月へのお供えもののひとつとして、お米の粉で作るのがお月見団子です。なんとなく知ってはいるものの、「何個作るのが正解?」「お団子以外に何を用意すればいい?」など、意外と悩むことも多いですよね。

きゃらきゃらさん、お月見をしようと思った時、どんな準備をすればいいでしょうか。教えてください!

きゃらきゃら
きゃらきゃらさん

満月にお供えするお月見団子は十五夜にちなんで15個が一般的ではありますが、1年の月の数に合わせて12個にしたり、団子に餡を巻いたりと、地域によって数も形も違いがあるようです。器は、神様にお供え物をのせる台「三方(三宝/さんぼう)」を用意しました。その他、ススキや萩など秋の七草を用意したり、ウサギの置物などを並べると雰囲気が出ますよね。でも、すべてをイチから揃えるのは大変なので、形式にとらわれすぎず「平皿で、お団子は人数分」など、できる範囲でいいと思います!

お月見団子はお供え後にデザートとしていただくとして、お月見当日の献立はどんなものがいいでしょうか?

きゃらきゃら
きゃらきゃらさん

卵黄を落とした月見うどんや、温泉卵をのせた月見ハンバーグなど、月をイメージしたメニューだと気分が上がりますよね。お味噌汁やけんちん汁といった汁物にお団子を入れるだけでも、雰囲気が変わって良いと思います!

なるほど……!いつもの夜ごはんとは目先が変わって楽しめそうですね。今回教えていただくのは、基本のプレーンなお月見団子と、そのお団子を使った2種類のアレンジレシピ。簡単なので、お子さまと一緒に作ることもできそうです!

▲右下が白玉粉、左下が上新粉です。
  • 白玉粉 65g
  • 上新粉 65g
  • 絹ごし豆腐 150g 
  • 砂糖 20g
きゃらきゃら
きゃらきゃらさん

材料の粉は、もち米を原料とする白玉粉100%で作るともちもち食感になりますが、冷めると型崩れしてしまいます。今回はお供え用に盛り付けるので、粉の半量はうるち米を原料とする上新粉にしています。さらに豆腐を使うことで、時間が経っても硬くなりにくいお団子が作れます!

・白玉粉は、かたまりを指で細かくすりつぶしておく。

【1】ボウルに、材料を全部入れてよくこねる。

▲豆腐はパックの中の水を軽く切るだけでOK。重しでの水切りなどは不要です。

【2】生地がなめらかになり、耳たぶくらいの固さになったら、15個に丸める。

▲手に水やサラダ油をつけながら丸めると生地がくっつきにくくなります。
きゃらきゃら
きゃらきゃらさん

1個約20gにするとお団子が15個分作れます。手のひらで丸めた後、少しくぼみをつけるようにすると、バランスよく盛り付けられます!

【3】お湯をたっぷり沸かし、【1】を入れる。浮いてきてからさらに2~3分ほどゆでて冷水に取る。粗熱が取れたらザルに移して水気を取る。

▲氷水にすると冷えすぎて団子が硬くなってしまうため、水道水など冷水でOKです。

【4】お供え用の紙を敷いた三方にお団子をのせる。

きゃらきゃら
きゃらきゃらさん

器はお皿やお盆でも大丈夫です!1段目は9個、2段目は4個、3段目は2個と、ピラミッドのように積み上げてくださいね。お供え用の紙も、お手軽にクッキングシートで代用できますよ。

盛り付けたら窓辺やテーブルなど月が見える場所にお供えし、お月見を楽しみましょう!

お月見団子をそのまま食べるのもおいしいですが、今回はきゃらきゃらさんに、2パターンのアレンジレシピを教えていただきました。

団子にとろりとかけられた甘辛いタレが絶妙なおいしさ。子どもにも大人にも喜ばれるアレンジです。

▲分量は水120ml、醤油40g、みりん・片栗粉各15g、砂糖60g。約4~5人分です。
きゃらきゃら
きゃらきゃらさん

小鍋に材料をすべて入れて、よく混ぜてから火にかけます。沸とうしたら弱火にし、ツヤが出るまで3分程度練ります。鍋底にくっつきやすいので、加熱時は絶えず混ぜましょう!その後は火からおろし、冷ましておきます。

お団子はお好みで竹串に刺し、みたらし餡をたっぷりかけたら完成です!

フルーツミックス缶に自家製シロップとサイダーを加えて。さっぱり爽やかに食べられる月見団子アレンジです。餡やきな粉が苦手なお子さんにもおすすめですよ。

▲フルーツミックス缶はみかんやチェリーなど、複数種類が入っているものを選ぶと彩りが良くなります。
きゃらきゃら
きゃらきゃらさん

砂糖50g、熱湯50gをよく混ぜて冷蔵庫で冷やし、サイダーと合わせてさらに冷やします。器にお団子と汁気を切ったフルーツミックス缶を入れ、合わせておいたシロップとサイダーを注ぎます。この分量で約3人分です。

▲お好みでセルフィーユなどを飾っても。

お団子には上新粉が入っているので、少し引き締まった食感になります。取材チームも試食させていただきましたが、甘辛いみたらし餡とも、フルーツポンチともよく合っていました!定番のあんこやきな粉だけでなく、みたらし団子やフルーツポンチの作り方を知っておくとバリエーションが増えて、お月見がより楽しめそうです!

ちなみにきゃらきゃらさん、もしお団子が硬くなってしまった時や、余ってしまった時はどうしたらいいでしょうか?

きゃらきゃら
きゃらきゃらさん

お団子が硬くなってしまったら、フライパンで焼くか、電子レンジで10秒~20秒程度加熱してみてください。食べきれなければ冷凍もOK!1~2週間をめどに保存し、食べる時はサッと軽くゆでてくださいね。

お子さまがいると毎日慌ただしくなってしまいがちですが、この日はぜひ親子で一緒にゆったりと月を眺めてみては。お月見団子を食べながら、心穏やかなひとときが過ごせそうです。
※お子さまに与えるときは、お子さまに適した大きさや固さに調整し、よく噛んで食べるように見守ってください。

撮影:山下コウ太
編集:Nadia
執筆:田窪 綾
調理師免許を持つフリーライター。惣菜店やレストランで8年ほど勤務経験あり。食分野を中心に、Webや雑誌で取材やインタビュー記事作成などを行っている。

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