ベストシーズンは冬!今こそ始めたい「切り花」のすすめ

冬から春にかけて、生花店ではさまざまな種類の生花が出回ります。この時期は気温が低くお花が長持ちしやすいため、初心者さんが始めるのにぴったりな時期。青山フラワーマーケットのフローリスト 米野瑠璃さんに、切り花の飾り方や選び方を教えていただきました。

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米野瑠璃

米野瑠璃

こめの・るり

青山フラワーマーケット・フローリスト。早稲田大学卒業後、青山フラワーマーケットを運営するパークコーポレーションに入社。 店舗マネージャー、マーチャンダイジング室を経て、現在は(青山フラワーマーケット)クリエイティブ室に所属。フラワベースギャラリーのバイイング、クリエイティブのディレクションなどを担当する。

「いつかお部屋にお花を飾りたい!」と憧れはあるものの、なかなかその一歩が踏み出せない。贈り物でいただいたお花をどう飾ったらいいかわからない。そういった悩みをお持ちの人もいるでしょう。ハードルが高く感じられがちな切り花ですが、一度始めてみると、日々の生活に彩りと活力を与えてくれるとっても素敵なインテリアになります。

お花を飾りたいと思ったら、何から準備すればよいのでしょうか? 切り花の始め方について、青山フラワーマーケットの米野瑠璃さんにお話を伺います。

「お花を飾るために必要な道具は、そう多くありません。お花を生けるフラワーベース(花瓶)とお水、そして花専用のはさみさえあればすぐに始められます 。専用ではないはさみで茎を切ってしまうと、道管が潰れてしまって水を吸いづらくなってしまいます。できれば専用のものを使ってほしいのですが、ない場合は、切れ味の鋭いキッチンばさみでもOKです。

フラワーベースは、ワインボトルなどのお家にある大きめな空き瓶や、調味料が入っていたガラス瓶、お皿でもOK。普段使っているグラスでも可愛く飾れますよ。

お水の交換目安は、1〜2日。少し濁ったように感じたら交換のサインです」

冬は、部屋の温度が低いため夏場よりも長くお花を楽しめるのだとか。洗面所や玄関など、常にひんやりした場所であれば、お水を交換しながら1週間ほどきれいな状態を保てるそうです。

お花といっても、色や大きさなど種類はさまざま。お花屋さんで購入する場合の「選び方」についても教えていただきました。

選び方のコツはありません。 『明るい気分になりたい』『リラックスしたい』など、自分の気分や直感に従って選んでみましょう。お花は自分の心情を表現してくれるもの。パッと目が合ったお花を選んでみてくださいね。

また切り花の中には、お家で飾っている間に花が開いてくるものもあります。花が開くまでの過程を楽しみたい方は、つぼみの状態で購入するとよいでしょう」

たくさんの種類があって選べないという方には、生花店に売られている「ブーケ」を買うのもおすすめ。プロの手で作られたブーケをお試しとして購入すれば、誰でも簡単にお花を飾れますよ。

季節ごとに変わる店舗の花々を眺めるだけでも、楽しい気分になれそうですね。

せっかくなら1日でも長く切り花を楽しみたい! そのためには、どんなことに気をつけたらよいのでしょうか? 飾り方のポイントを教えてもらいました。

「お花を飾るときは、植物に必要な糖分を補う花の栄養剤を水に混ぜてみてください 。適切な濃度に薄めて使うと、切り花をより長持ちさせることができますよ。

また、花が枯れてしまう原因のひとつに「バクテリア」の影響があります。バクテリアが茎の切り口にある道管を詰まらせてしまい、水分をうまく吸い上げられなくなってしまうのです。室温状態にもよりますが、購入して2〜3日楽しんだら、茎を短く切って小さなグラスやフラワーベースに差し替えてみるのもおすすめ 。飾り方を変えることで、1つのお花を何度でも楽しめます。

飾る時に意識して欲しいのは、フラワーベースと花の高さが1:1になるようにする こと。お気に入りのフラワーベースに合わせて茎の長さを調整すると、おさまりよく飾ることができます」

口が広いフラワーベースの中で真っ直ぐにお花を飾りたい時には、剣山を使うのもおすすめだそう。また、フラワーベースの下に「コースター」を敷くと、結露を防止できるだけでなく、全体の印象も変えることができますよ。

ここからは、初心者さんでも飾りやすい切り花をご紹介します。

大きなフラワーベースにたっぷりと飾ってもよし、ワインボトルに一輪だけいけてもよし。どんな飾り方でもさまになるのが「バラ」です。定番の赤以外にも、ピンクや黄色、オレンジなど鮮やかなカラーがそろっています。最近は、少しくすんだアンティークカラーも人気なのだそう。お好みのカラーで選んでみましょう。

「ガーベラ」は、通年楽しめる切り花のひとつです。初心者さんは、お気に入りのカラーを一輪挿しで楽しむのがおすすめとのこと。背の低いフラワーベースに、短く切ったガーベラを入れてもかわいく飾れます。デスクの近くに飾ると毎日を元気に過ごせるかもしれません。

飛び立つ蝶のような見た目から「門出」という花言葉がついたのが「スイートピー」。パステル調の淡い色から、濃淡のはっきりした色までさまざまなカラーを選べます。好きな色を組み合わせて飾ったり、葉物と合わせたり、一輪で飾ったりと、アレンジしやすいのもポイントです。

この時期に一足早く、春を感じられるのは「チューリップ」です。身近なお花ですが、実は世界各地に8000種以上もあるのだとか! 自分好みのチューリップを探してみたいですね。また、切り花になってからも花を閉じたり開いたりするので、部屋の中でも春を感じられます。

何層にも花びらが重なった「ラナンキュラス」は、「花金鳳花(はなきんぽうげ)」とも呼ばれています。品種が多く見た目の種類が豊富なラナンキュラス。ビビットカラーからニュアンスカラーまで、さまざまな色を楽しめます。

▲ラナンキュラス(左)とカーネーション

また1月中旬頃からは、「ヒヤシンス」や「クロッカス」といった球根のついたお花も出てきます。球根に栄養が詰まっているので、お皿の上に置いておくだけでもぐんぐん成長していくのだとか。お手入れが苦手な方でも扱いやすいので、初心者さんにもぴったりです。

実際に部屋にお花を飾ってみると、見ているだけで癒されたり元気をもらえたり、とてもポジティブな気持ちになれました。米野さんに、お花を飾る魅力を伺いました。

「香りや形、色など、日々お花の細やかな変化を楽しめるのが魅力ですね。切り花の持つ生命力は、生活空間を共にしているだけで気分が上がります 。自然の持つエネルギーを体感し、癒され元気をもらえるんです。

まずは自宅にある空き瓶やグラスに飾ってみて、お花の魅力をご自身で感じてみてください。生活の中に彩りがある心地よさを、きっと実感いただけるはずです」

ほっと一息したいリビングのテーブルに、自分の仕事用デスクに、温かい飲み物と一緒にベッドサイドに、いつも目に入る玄関に。いろんな場所に切り花を飾って、毎日にちょっぴりの豊かさを加えてみましょう。きっと、いつもより気持ちが晴れやかになれるはずですよ。

取材・執筆:つるたちかこ
写真:小野 奈那子
編集:ノオト

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