乾燥の季節到来!からだの内側と外側からうるおうためのメソッド7

寒さが増し、空気の乾燥が進むこれからの季節。毎年、お肌の乾燥に悩んでいる人も多いのでは?「乾燥対策にはからだの血流をよくすることが大切」という、美容と健康のスペシャリスト・勝田小百合さんに、乾燥対策メソッドを教えてもらいました。

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勝田小百合

勝田小百合

(かつた・さゆり)

カイロプラクター。国産オーガニックコスメ&フードブランドのアムリターラの代表。ブログ「アンチエイジングの鬼」が話題に。ナチュラルなアンチエイジングをライフワークとし、内面の美と健康を追求している。最新著書『FLOWで不老』(河出書房新社)が好評発売中。
HP:https://www.amritara.com/

そもそも乾燥肌とはどのような状態なのでしょうか?

勝田さん
「健康な肌は、肌のもっとも外側にある「角質層」の角質細胞に20~30%の水分が含まれています。その水分が20%以下になっているのが乾燥肌という状態。
また、角質層では、層になった角質細胞の間をうるおい成分であるセラミドやNMFなどがセメントのように埋めて肌を守っています。お城にたとえるといわば城壁で、肌のバリアとして外敵の侵入を防いだり、水分が蒸発しないように守る役割です。が、乾燥肌では、バリア機能が低下して、水分が蒸発しやすく、うるおいが保たれない状態になっているのです」

勝田さん
「一方、からだの内側でいうと、血流が滞っている状態といえます。肌の本体である「真皮」に十分な水分、油分、栄養分が運ばれないので、乾燥しやすくなります」

また、乾燥肌をケアせずに放っておくと、他のトラブルにつながることもあるそう。

勝田さん
「肌のバリア機能がさらに低下し、外からの刺激や、紫外線やブルーライトといった光の刺激にも弱くなってしまいます。すると肌の本体である真皮に害を及ぼしやすい状態になり、シワやたるみを引き起こす可能性も。さらに肌に常在する善玉菌が減り、悪玉菌が増加しやすい環境なので、大人のトビヒやニキビも出やすくなってしまいます」

では、乾燥を引き起こす原因はどんなところにあるのでしょう?勝田さんによると、外的な要因から生活習慣までさまざまだそう。ぜひ知っておきましょう!

【乾燥の原因】
・外気が乾燥し、水分が奪われやすくなる
・気温の低下で血流が悪化する
・女性は保湿成分のないファンデーションなどを塗ることで、肌の水分が粉に吸い取られる
・マスクを長時間つけることで汗をかいたまま放置する時間が長くなり、汗と共に水分が蒸発する
・顔、からだの洗いすぎ
・肉食が多く、魚をあまり食べない

意外な生活習慣が原因となることも!当てはまるものがないか、まずはチェックしてみることが大切かもしれません。

勝田さん
「顔やからだの洗いすぎが乾燥の原因になっていることが多いんです。肌の乾燥を感じたらスキンケアの方法を見直したり、うるおいをキープする化粧品を取り入れてみましょう」

「たとえば、皮脂が出やすい春夏にダブル洗顔をしていた人は、秋冬はダブルは止めて1つで完了する洗顔に変える。オイルクレンジングなど強めのクレンジング剤を使っている人はクリームタイプや乳液タイプのクレンジングに変える。朝の洗顔は、洗顔料や石鹸を使わずぬるま湯で流すだけにする、など。自分の肌の様子を見ながら調整してみましょう」

「温泉などで見ていると、みなさん、からだを洗いすぎているといつも感じます。皮脂が減る秋冬は、タオルに石けんをつけてゴシゴシこする必要はありません。
タオルと石けんでゴシゴシするのは週1回程度にして、あとは手でなでるくらいでいいんです。ゴシゴシするのも皮脂が出やすい胸の谷間や背中の真ん中、皮膚が厚い膝、足の裏くらいにとどめましょう」

「保湿もとても大事。乾燥が気になる肌には、水分を抱え込む成分を含んだ化粧水がおすすめです。例えば、ヒアルロン酸ナトリウムやアロエベラ、アミノ酸の一種・ベタイン、トレハロースなどが含まれている化粧水なら、角質層に水分をキープしてくれます。そのあとは、油分でフタをすることを忘れずに。良質の植物オイルや、セラミドが含まれているクリームや乳液を使用するのがいいですね」

▲勝田さんプロデュース『アムリターラ』の乾燥肌におすすめの化粧品。(左から)肌を保湿するクリームタイプのクレンジング「アロマティック クレンジング クリーム ラベンダー」150g(4,840円税込)。ヒアルロン酸Naやグリセリンを配合し豊かな潤いを与える化粧水「ホワイトバーチモイストウォーター」120mL(4,840円税込)。セラミドなどうるおい成分を豊富に配合した濃厚リッチなクリーム「エイジソリューションクリーム」30g(10,890円税込)

乾燥対策にはスキンケアや化粧品も大切ですが、もっと大事なことがあるそうです。
「もっとも重要なのは、自分の肌が出す汗と皮脂を大切にすること。そして自らのうるおう力を取り戻すこと。そのためには、からだを温め、血流をよくすることが欠かせません。血流がアップし、細胞に水分や油分、栄養分がきちんと運ばれるようになると、乾燥とはさよならできると思います」と勝田さん。

血流低下の引き金になる生活習慣を見直し、血流アップに効果的な食品や生活習慣を取り入れるメソッドをご紹介します。

「血液の流れをよくするには、丈夫な血管を作ることが大切。そのためまずは血管壁を弱らせる食生活はストップ。特に、糖質、塩分、動物脂肪、トランス脂肪酸、添加物などの摂りすぎはNGです。とくにこれからクリスマス会や忘年会のシーズンになりますが、暴飲暴食すると、これらを多く取りがちになるので注意しましょう」

「水分不足だと肌も乾燥するし、血流も悪くなってしまいます。秋冬は1日トータル1.5Lくらいを目安に水分を摂りましょう。寒い時期は、緑茶やルイボスティー、白湯など温かな飲み物を。ちなみに私は、サーモスのケータイマグを愛用していて、温かいドリンクを持ち歩いていますよ」

「血管を丈夫にし、血流アップによい栄養素や食材を積極的に摂るようにしましょう。乾燥によい栄養素も合わせて、いくつかご紹介します」

血流アップにいい栄養素/食材

・オメガ3脂肪酸(DHA、EPA)/イワシ、サバ、サンマなどの青魚
・ジンゲロール、ショウガオール/金時生姜、生姜
・ケルセチン/玉ねぎ、りんご
・ビタミンE/アーモンド、松の実、かぼちゃ
・ピペリン/ヒハツ(長胡椒)

乾燥肌にいい栄養素/食材

・オメガ3脂肪酸(DHA、EPA)/イワシ、サバ、サンマなどの青魚
・セラミド/生芋こんにゃく
・ビタミンA、カロテン/レバー、あんこうの肝、緑黄色野菜
・たんぱく質/肉、魚、卵、大豆
・亜鉛/牡蠣、煮干し、抹茶

「これらの食材に加え、味噌も腸内環境を整え乾燥にいい食材なので、手軽に取り入れる方法として野菜たっぷりの味噌汁がおすすめです。ショウガのすりおろしを加えて飲むのもOK!」

「お風呂は浸かるだけで、体温&血流アップに効果的です。さらに、水圧効果でマッサージ効果もあり、浮力効果で筋肉の緊張がほぐれて、いいこと尽くめ。私は、入浴の際には、自宅のお風呂が硫黄泉になる「ヒマラヤ岩塩バスソルト」を入れていますが、普通の塩を入れるだけでもいいですよ。塩は熱を逃さない作用があります。ぜひ活用してくださいね。
また、寒い時期は、ついついからだを縮こまらせがち。それによって首周りが凝ると、首にある大きな筋肉・胸鎖乳突筋の下にある大動脈の流れが滞り、顔の乾燥を感じやすくなります。なので、首の筋肉に沿うようにマッサージしてほぐし、血流をよくしましょう」

勝田さん
「私も以前は乾燥肌だったのですが、今回紹介したような体温と血流をアップする生活を実践し続けていたら、まったく乾燥しなくなりました。みなさんもぜひ、取り入れやすいものから始めてみてくださいね」

執筆・編集:中山恵(主婦の友社)
イラスト:別府麻衣

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