野菜のヘタや皮をおいしく活用! ベジブロスを使った「クリームソース添えしょうがご飯」

野菜を調理する時に捨ててしまいがちな、皮やヘタなどの野菜くず。実はこれらをじっくり煮込むと、やさしい味わいが楽しめる野菜の出汁「ベジブロス」になります。今回はやさい料理家・國行志保さんに、ベジブロスをふんだんに使ったレシピを教えてもらいました。

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國行志保

國行志保

くにゆき・しほ

やさい料理研究家。日本のみならず、アメリカやイギリスなどでも料理教室「Shiho's Veggie Circle」を主宰。素材の良さをいかした簡単レシピや、驚くほど野菜が食べられるレシピを紹介する。野菜レシピの考案やイベント講師のほか、野菜農家と消費者を繋げる活動にも力を注ぐ。
Instagram:@shihokuniyuki
ブログ:https://ameblo.jp/riokikki2020/

野菜を調理する時に必ず出てしまう、切れ端や皮、ヘタなどの野菜くず。しかし、すぐに生ごみとして捨ててしまうのはもったいない! 実は、野菜くずを集めて煮込むだけで、野菜のうま味が存分に味わえて健康にも良い出汁「ベジブロス」を作ることができるんです。

國行さん
國行さん

野菜の皮やヘタには抗酸化成分の「ファイトケミカル」がたっぷり含まれています。この部分をコトコト煮込んでベジブロスにすることで、溶け出した栄養素を無駄にすることなく摂ることができます。おいしいベジブロスを作るには、5種類以上の野菜くずを使うことがコツです! うまみがぐんと増しますよ。

まずは、國行さんにベジブロスの取り方を教えてもらいます。

  • お好みの野菜くず…250〜300g程度
  • 水…1300ml
  • 酒…大さじ1
▲今回は玉ねぎの皮・にんじんの皮とヘタ・大根の皮・セロリの端・きのこの軸や石づき・しょうがの皮を使いました

【1】 鍋にすべての材料を入れて火にかける。沸騰したら弱火にして30分煮込み、ザルで濾す。

國行さん
國行さん

ポイントは、お酒をほんの少し入れること。これだけで野菜の旨みがぐっと引き出されますよ。栄養がたっぷり含まれているので、アクは取らないようにしましょう。ただ、キャベツやブロッコリーなどのアブラナ科の野菜はアクが強いので、ベジブロスにはあまり向きません。入れる場合は少量にしておきましょう。

中途半端に煮込むと雑味が強くおいしく作れないので、必ず30分以上は煮込みましょう! ただ、火の前に30分も立つのは忙しい人にとっては大変ですよね。そういった場合は、ゆっくりと保温調理できるシャトルシェフを使っても良いですね。少し加熱すればあとはほったらかしにできるので、私もよく使います。

▲玉ねぎの皮を入れると、このような濃い褐色になるのだそう
國行さん
國行さん

ベジブロスを作る際にローリエを入れれば洋風に、干ししいたけを加えれば和風になります。慣れてきたらこういったアレンジを加えても面白いですよ。作ったベジブロスは冷蔵で3日ほど、冷凍保存だと1か月ほどは日持ちします。 冷凍ストックしておけば、気軽に使えますよ。

今回は、ベジブロスを使った炊き込みごはんとクリームソースのレシピをご紹介します。野菜のやさしい風味が存分に味わえて、とってもおいしいですよ。

【しょうがご飯】

  • 米…2合
  • 油揚げ…1枚(細切り)
  • しょうが…1片(細切り)
  • ベジブロス…炊飯器の2合目ラインまで
  • オリーブオイル…小さじ2

【A】

  • だししょう油…大さじ2
  • 酒…大さじ1
  • 昆布茶…小さじ2
  • 塩…小さじ1/2

【クリームソース】

  • チンゲン菜…1株
  • 玉ねぎ…1/2個
  • えのきだけ…小1袋
  • 鶏もも肉…1/2枚(125〜150g程度)
  • スナップえんどう…適量
  • 水溶き片栗粉…水と片栗粉各大さじ1.5
  • ベジブロス…1カップ

【B】

  • 牛乳…1カップ
  • 生クリーム…1/2カップ
  • 塩…小さじ1/2(お好みで)

【下準備】
・鶏もも肉をやわらか液(砂糖5g、塩5g、水100ml)に2時間ほど漬けておく
・トッピングのスナップえんどうをさっと塩ゆでしておく

▲クリームソースの材料
國行さん
國行さん

しょうがご飯にも、クリームソースにもベジブロスを使います。ベジブロスを使うと、コンソメスープよりやさしく深い味わいが楽しめますよ。

【1】 洗った米を炊飯器に入れ、【A】を入れる。

國行さん
國行さん

ぜひここで味見をしてみましょう。炊き込みごはんの場合は、この時点で「少し味が濃いかな?」と思うくらいでちょうどよいです。味が足りなければ塩を少し足してみてください。

【2】 ベジブロスを炊飯器の2合目ラインまで入れる。

【3】 油揚げとしょうがを上に乗せたら、オリーブオイルを回し入れ、早炊きモードで炊飯する。

▲炊きムラができてしまうので、具材は混ぜ込まず上に乗せましょう
國行さん
國行さん

今回は炊き込みごはんの上にクリームソースをかけるので、お米の食感を残すため、固めに仕上がる早炊きモードを使います。

これでしょうがご飯の準備は完了! 炊飯している間にクリームソースを作っていきます。

【1】 やわらか液に漬けておいた鶏もも肉を、一口大に切る。

▲トングで掴んだ瞬間から、お肉のやわらかさがわかります
▲気持ち大きめに切ったほうが、お肉のやわらかさを楽しめます
國行さん
國行さん

塩にはたんぱく質を分解する効果があり、砂糖には保水効果があります。 やわらか液にお肉を漬けておくことで、しっとりとやわらかな仕上がりになるんです。漬ける時間は2時間〜1晩くらいが目安です。あらかじめ小さく切って漬ける場合は、1時間程度でもOK!

【2】 玉ねぎは薄切りに、えのきだけは適当な大きさに切る。チンゲン菜はざく切りにし、葉と根本の部分に分けておく。

【3】 鍋にベジブロスと塩を入れ、鶏肉・玉ねぎ・えのきだけ・チンゲン菜の根本を茹でる。

▲ベジブロスが沸いたら、中火にして具材を茹でます

【4】 鶏肉にある程度火が通ったら【B】を入れて煮込む。

國行さん
國行さん

乳製品は沸騰させると分離してしまう可能性があるので、あまりぐつぐつさせないようにしましょう。特に生クリームは分離しやすいので、最後の方に加えるのがベストです。

【5】 水溶き片栗粉を回し入れて、よくかき混ぜながらとろみをつける。

▲今回はサーモスの炒め鍋「KFH-020D」を使いました。直径20cmと小ぶりではありますが、深さがあるので、4人分のクリームソースでも余裕を持って作ることができます
國行さん
國行さん

シチューやスープよりも強めにとろみをつけたほうが、ご飯にかけた時にちょうどよくなりますよ。

【6】 最後にチンゲン菜の葉の部分を入れ、さっと混ぜる。

【7】 炊きあがったしょうがご飯にクリームソースをかけ、スナップえんどうを添える。

▲炊きあがったしょうがご飯。しょうがのいい香りがしてきました

野菜の旨みを余すところなく使った一品が完成!
ベジブロスをふんだんに使った「クリームソース添えしょうがご飯」の完成です!

國行さん、本日のお味はいかがでしょうか?

國行さん
國行さん

今日もおいしくできました! 野菜のやさしいうま味が広がりますね。しょうがご飯とクリームソース、どちらにもベジブロスを使っているので、味に一体感があります。鶏肉も、やわらか液効果でしっとりと仕上がってよかったです。身体が喜ぶものをおいしく無駄なくいただけるのは、とっても嬉しいですね!

毎日の料理で出た野菜くずを集めて、時間のある時にまとめて作って冷凍しておけば、日々の料理にも取り入れやすいですね。和洋問わず様々な使い道があり、健康や美容にも良いベジブロス。ぜひ一度作ってみてください。

撮影:小野奈那子
編集:ノオト
撮影協力:渋谷のおうちギャラリー&キッチンスペース

中込有紀

中込有紀

なかごめ・ゆき

編集プロダクション・ノオトのライター/編集者。好きな食べ物は目玉焼きとラーメン二郎。

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