できたてフカフカ! 榎本美沙さんに教わる「フライパンでつくる、自家製肉まん」
ギュッと寒くなる季節に恋しくなる、ホワッと立ちのぼる湯気とフカフカの肉まん。「食べたい!」と思い立ったときにフライパンで手軽につくれる、肉まんのレシピを料理家の榎本美沙さんに教えてもらいました。
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榎本美沙
(えのもと・みさ)
料理家・発酵マイスター。
発酵食品、旬の野菜を使ったシンプルなレシピが好評で、テレビ、雑誌や書籍へのレシピ提供、イベント出演などを行う。YouTubeチャンネル登録者数は24万人、Instagram(@misa_enomoto)も人気。著書に『からだが整う〝ひと晩発酵みそ〟』(主婦と生活社)、『おかずいらず、手間いらず。ひと皿満足スープ』(KADOKAWA)など。
Instagram:@misa_enomoto
YouTube:https://www.youtube.com/channel/UCGiEIACoA-INiZuSFhoksYA?app=desktop
冬に食べる肉まんは格別。なかでも“できたて”は、蒸し上がりの湯気とそのおいしさに癒されて、思わずほ〜っと深く息を吐いてしまうほどです。
でも、自宅で本格的につくるとなると、生地をこねて、発酵させて、餡を包んで、蒸し器が登場して……と大がかりで尻込みしてしまいます。「いま、食べたい!」を叶えるレシピはあるのでしょうか?
「フライパンでつくる、自家製肉まん」は、思い立ったときに気軽につくれるように考案したレシピです。発酵なしでつくれて、材料も工程も少なく、短時間で完成するので、きっと「いま、食べたい!」に応えられます。お子さんと一緒につくっても楽しいですよ。
発酵なしの蒸し器いらず。肉まんをつくるハードルがとことん低いレシピに、心を読まれていたのではと驚きます。ぜひ、教えてください!
- 強力粉 150g
- ベーキングパウダー 小さじ2
- 砂糖 大さじ2
- 【A】
- 牛乳 90ml
- ごま油 大さじ1
- 【B】
- 豚ひき肉 150g
- 長ねぎ(みじん切り) 10cm分
- ザーサイ(みじん切り) 15g
- ごま油 小さじ1
- 酒 大さじ1
- 醤油 小さじ2
- こしょう 少々
【1】強力粉、ベーキングパウダーを合わせてふるったあと、砂糖を加えて混ぜる。
【2】【A】(牛乳、ごま油)を加えて手でざっと混ぜ合わせてから、まとめるようにこねる。
最初は指先だけで円を描くように生地を混ぜ、まとまってきたら手のひらをグッと押し込むように手全体を使ってこねます。パンのように、いっぱい生地をこねなくても大丈夫。生地全体が均一になって、粉っぽさがなくなればOKです。
【3】生地をひとまとめにしてラップをして10分置いておく。
生地を休ませて、なじませるために少し置いておきます。その間に、餡をつくりましょう。
【4】別のボウルに【B】(豚ひき肉、長ねぎ、ザーサイ、ごま油、酒、醤油、こしょう)を入れて練り混ぜる。
このレシピは特別な調味料を使わずに、食材にこだわらなくてもきちんとおいしくできます。でも1点だけ。冷蔵庫に常備していないかもしれませんが、もしある方はぜひザーサイを入れてみてください。加えることで、味にぐっと深みが出るんです。
餡は、肉が白っぽくペースト状になるまでしっかり練りましょう。こうすることで、肉汁を閉じ込めたジューシーな餡に仕上がります。
【5】まな板に強力粉(適量/分量外)で打ち粉をし、生地を20cm程度の棒状にし、包丁で8等分に切る。
その日の気温や湿度によって生地の水分量は違ってきます。冬は寒くて乾燥しているので、打ち粉がなくても大丈夫な場合もあるんですよ。生地がまな板や手にくっつきそうであれば、打ち粉をしてください。
【6】生地を一切れずつ丸め、まな板にのせ手で押さえて平らにして、麺棒で生地を直径10〜12cmほどにのばす。
生地を伸ばすときは「一方向に伸ばしたら90度回転させ、また伸ばす」を繰り返すと、均等にうまく伸ばせます。
【7】生地を手で持ち、肉だね(1/8量)を中心にのせる。生地を回しながらひだをつくるように包み、最後はしっかりとつまむ。残りも同様にして包む。フライパンにクッキングシートを敷き、肉まんを並べ入れる。
ミニサイズの肉まんなので、初心者や手の小さい方も包みやすいと思います。でも、もしうまく包めなかったとしても大丈夫。難しく考える必要はありません。ギュッと最後に閉じても、蒸して生地が膨らむとパカッと開いてしまうこともありますが、それもまた手づくりならではの味わいです。
【8】フライパンとクッキングシートの間に水150mlを流し入れ、フタをして強めの中火にかける。沸とうしたら弱火にして10分ほど蒸し焼きにする。
クッキングシートの下に直接水を注ぐので、クッキングシートは大きめにカットしておくのがポイントです。
ずっとこのときを待っていました。まるっと可愛らしい自家製肉まんを、さっそく榎本さんと編集部でいただきます。
まずは榎本さんから。
今回もおいしくできました! このできたての状態を食べてもらいたくて、考えたレシピでもあるんです。皆さんもどうぞ。
……ということで、ホクホクしながら編集部員も実食。「ザーサイの味わいと食感がきいている」「短時間でこの味ができるなんてうれしい」「このサイズならおやつにもぴったり」「いや、2個、3個といっぱい食べてしまいそう……」と、喜びの声が上がりました。
餡に、刻んだキムチやピザ用チーズを混ぜて、アレンジしてもおいしいですよ。長ねぎの代わりに同量の玉ねぎを使うと、ほんのり甘みのある肉まんができます。おやつにするなら、あんこを包んであんまんにするのもおすすめ。けっこう懐の深いレシピなので、いろいろ試してみてくださいね。
今回のレシピでは、フライパンで蒸し料理ができることにも感動の声が上がっていました。「フライパンだと浅くて肉まんの高さに合わないのでは?」という心配も、肉まんを小ぶりにすることで解消。もしかすると、工夫次第でフライパンの可能性は無限なのかもしれません。
「フライパンでつくる、自家製肉まん」は、「いま、食べたい!」を叶えるだけでなく、「これなら、私にもできそう」が詰まった、背中をおしてくれるレシピでした。できたての幸せにうまくつくれたうれしさが加われば、より一層おいしく感じられます。
撮影:藤原葉子
編集:ノオト
ふくい
食いしんぼうライター、編集者。相撲の番付表がある酒場とレモンスカッシュのある喫茶店、ナルトのはいった炒飯がある町中華が好き。
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