料理ってこんなに自由! 有賀薫さんに教わる「チキンとオクラの麦茶スープ」

夏にごくごく飲みたくなる麦茶。実は「だし」に置きかえて使えるのをご存じでしょうか。スープ作家の有賀薫さんに、麦茶を使ったスープの作り方を教えていただきました。

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有賀 薫(ありが・かおる)

有賀 薫(ありが・かおる)

スープ作家。おいしさに最短距離で届くシンプルレシピ、現代的な料理のあり方を発信し、作る人と食べる人がともに幸せになる食卓をめざす。著書に『スープ・レッスン1・2』(プレジデント社)『豚汁レボリューション』(家の光協会)などがある。『朝10分でできる スープ弁当』(マガジンハウス)で第7回料理レシピ本大賞入賞。最新刊『ライフ・スープ』(プレジデント社)が9月29日発売予定。
note:https://note.com/kaorun
twitter:@kaorun6

気温の高い日々が続きます。今だからこそおいしく食べられる食材もありますが、こうも暑いと食欲が落ちてしまうこともあるのではないでしょうか。さらに朝は、作るのも面倒になってしまいがち。そんなときでも簡単に作れて、さらっと食べられるものはあるのでしょうか。

有賀 薫さん
有賀 薫さん

麦茶を使ったスープなら、夏バテ気味の日にも食べやすいすっきりとした味わいです。3つの食材を切って入れるだけなので、忙しい朝でも手軽に作れますよ!

麦茶を使うとどんな味になるのか、想像がまったくつかないのですが、すごく気になります。ぜひ作り方を教えてください!

  • 鶏もも肉 150g
    (皮付き・唐揚げ用にカットされているものでもOK)
  • オクラ 5〜6本
  • みょうが 2個
  • 塩 小さじ1/2
  • 醤油 小さじ1
  • 麦茶 250ml
  • 水  250ml

【1】鶏肉を2cm角くらいのサイズに切る。

有賀 薫さん
有賀 薫さん

すでにカットされている唐揚げ用の鶏肉を使う場合は、4等分にすると食べやすいサイズになりますよ。しっかり食べたいときは2cm角より大きめに切ると、満足感が得られます。

【2】鍋に鶏肉を入れ、麦茶と水を各250mlずつ加えて中火にかける。

▲めんつゆに見えるかもしれませんが麦茶です
有賀 薫さん
有賀 薫さん

使うのはペットボトルの麦茶でOKです! ペットボトルや水出しの麦茶は、そのまま使うと少し苦味が強いことがあるので、倍量の水で割っています。昔ながらの粒状の麦を煮出すタイプの麦茶を使う場合は500ml、水で割らずにそのまま使って大丈夫です。

【3】アクが出たらすくい、塩と醤油を加えて味をととのえる。

▲このくらいアクが出るまで見守ります
有賀 薫さん
有賀 薫さん

アクはちょこちょこ取らなくて大丈夫! 鍋いっぱいにぽこぽこと出たら一気に取ります。

有賀 薫さん
有賀 薫さん

風味付けに醤油をちょっと足しますが、塩だけでもおいしいですよ。

【4】オクラを5mmぐらいに切って、スープに加える。煮立ったら火を止めて、薄切りにしたみょうがを加える。みょうがの量はお好みで追加を。

有賀 薫さん
有賀 薫さん

オクラは新鮮なものであれば、まるごと食べることもできる野菜。なのでカットする部分は極力少なめに、ヘタは汚れたなり口だけ切り落として、ガクはくるりとむき取ります。薄切りにしてしまえば、うぶ毛の食感はそこまで気にならないので、板ずりはせずにそのまま使っちゃっても大丈夫。

細かく刻んでたたきにして入れれば、スープがとろっとした質感になって、また違ったおいしさが楽しめますよ。

有賀 薫さん
有賀 薫さん

みょうがは、煮立っているところに入れると風味が落ちてしまうので、火を消した後に入れるのがポイントです。

有賀 薫さん
有賀 薫さん

最後にうつわへよそったら完成! 今回はオクラを使いましたが、代わりに三つ葉や小松菜、ナスを使うのもおすすめです。ナスを入れる場合は、皮を剥いておくと麦茶の色味がきれいに出ますよ。

麦茶スープとは、一体どんな味なんでしょう。有賀さんと一緒に、編集部メンバーも実食しました。

▲麦茶の色なんです
▲レシピ考案者の有賀さんにとって麦茶スープはどんな味わいなのでしょうか
有賀 薫さん
有賀 薫さん

不思議なことに、水でつくるよりもさわやかなんです。鶏肉の臭みも消してくれて、すっきりした味わいになるんですよね。さらっと食べられるので、夏バテしやすい今の時期にもぴったりです。

実食した編集部メンバーも「麦茶の味がしない」「麦茶が消えてる……!」「鶏肉の臭みもなくなってる!」とそのおいしさに大感動。「食欲がないけど何かはお腹に入れておきたい」というときや、メインの料理にボリュームがあって、軽めのスープとしてつけあわせたいときにちょうどよい食べ応えで、今夏何度も作ってしまいそうです。

有賀 薫さん
有賀 薫さん

暑くて冷たいものが食べたい気分のときは、冷製スープにしてもおいしいんですよ。その場合は浮いている油を取ってあげて、オクラは冷ましてから入れてください。ごはんを入れて冷やし茶漬けにするのも最高です!

冷蔵庫の中にあるものやスーパーにある食材は、何でも一回スープにしてみるという有賀さん。お茶についても色々試しているうちに、麦茶を使ったスープのレシピを思いついたのだと言います。ほかのお茶でもスープに合うものはあるのでしょうか。

有賀 薫さん
有賀 薫さん

烏龍茶はキムチと合うんですよ。烏龍茶そのものの味が強いので、その分具材を多めに入れたり、パンチのある食材と合わせたりするといいんです。緑茶はかなり旨みがあるんですが、渋味や苦味も強いので、まだ研究中(笑)。一方で、麦茶はクセがない分、スープとしていろんな食材に馴染みやすいですね。

今回教えていただいた麦茶スープを自宅でも作ってみたところ、ほんとうに簡単に再現できました。まるで特別な隠し味を使っているような、上品な味わいです。急に料理の腕が上がったように錯覚し、作るたびに自己肯定感が上がりそうです……!

料亭の朝食をひとつのスープで表現したような、滋味深くやさしい「チキンとオクラの麦茶スープ」。普段あまり料理で挑戦しない方も、このレシピを作ってみたら「こんなに料理って自由でいいんだ!」と、驚きと発見が得られるはず。ぜひ作ってみてくださいね。

撮影:近藤沙菜
編集:ノオト

ひらいめぐみ

ひらいめぐみ

今回の取材・執筆を担当。23年前からたまごシールを集めています。すきな食べものはめかぶとかんぴょう巻き。

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