食べるのは辛い。辛いから無心で食べる。  ジャイアンツジュニア時代に栄養士さんのもとで食トレに励んだんですが、毎日チェックリストを埋めながら乳製品を多く摂っていたら一気に背が伸びたんですよ。12歳のときです。それから食への意識が強くなりました。お菓子やカップラーメン、炭酸はほとんど口にしないですね。

 ただ、食トレといってもお母さんが出してくれるものをそのまま食べるだけですけど(笑)。お母さんの料理は全部おいしいです。一番好きなメニューはカレー。お弁当の中に入っていて嬉しいのは唐揚げです。

 身体を強くするためにしっかり食べないといけないけれど、たくさん食べるのは正直辛いです。考えているとさらに辛くなるので、無心で食べます。練習終わってすぐに食べる補食も、最初はきつかったけど、1年やって慣れました。

全力で頑張る子は、自然と感謝の気持ちを知ることになる。言葉にはならないけれど、いつも胸にある家族への想い

「ありがとう」を直接言う日はもう決めている。  野球を始めたのは、今は桐蔭学園(高校)の寮にいるお兄ちゃん(隼太朗さん・16)の影響が大きかったと思います。お兄ちゃんは僕と一緒で野球を始めたのが遅かったので、最初は下級生と練習させられたりしていたんですが、努力してどんどん上達していったから。子どもの頃の自分にとってはヒーローみたいな存在でした。今は家にもいないし、全くといっていいほど話さないけれど、ときどきギャグをすると笑ってくれるときもあります。

 お父さんは、今やろうと思っているときに限って注意してくるので、イヤだなと思うこともあるけれど、コーチとして一番近くで応援してくれるし、頼り甲斐があります。

 お母さんは、面白くて、優しくて、怒るときはちゃんと怒ってくれるし、いつも気遣ってくれるのを感じます。お弁当をつくってくれて感謝しているけれど、感謝の言葉を伝えるのは今じゃないかな。来年も頑張って、シニアの練習が終わるときには、ちゃんとお礼をしたいです。

納得のいく言葉だけを選んでいるかのように、とつとつと言葉を重ねる竜一朗さん。時折はにかむ様子は普通の中学2年生

※2016年9月 公開