post_2016.10.26ホームサーモスブランドアスリートのレシピ >Vol.02

Vol.02 ボクシング[後編]

松本圭佑くん
(17)/大橋ボクシングジム所属
久代さん

松本圭佑選手は、およそボクサーのイメージからほど遠い、細面の端正な顔立ち。細く引き締まった肉体はしなやかで、驚くほど固いパンチを繰り出します。食べ盛りのアスリートにしては小さすぎるお弁当を糧に、日曜日以外は毎日練習。朝のランニングも欠かしません。常にストイックでいられるのは、か弱かった過去の自分と決別して真の心の強さを手に入れたから。そして、家族への感謝の気持ちが彼をいつも謙虚にさせています。

食欲よりも勝ちたい気持ちが強いだけ。  実はよく食べるタイプなので、ご飯の量が少ないのは辛いんですが、しょうがないですよね。試合が終わったら腹一杯食べられるし、食欲よりも勝ちたい気持ちの方が強いんです。お腹が空いた状態で練習するのにも慣れて、満腹だと逆に動きづらいくらい。体重も体調も自分が一番分かっているので、せっかく作ってくれた母には悪いのですが、お弁当を残すときもあります。

 母さんのご飯は全部好きですよ。一番好きなのはカレー、お弁当のメニューでは手作り餃子とか好きですね。皮から作っていて、僕が好きなチーズを入れてくれます。

 目標は、一年間に全国大会が3つあるのでその全てで優勝すること。今のところ優勝は選抜大会だけなので、インターハイと国体でも結果を残したいです。高校卒業したら、東京オリンピックに照準を合わせて頑張るのみです。技術を高めながら、人を惹きつけるボクサーになりたいですね。打ち合いをしたり、強くて試合も面白くて、人としてもちゃんとしている人になりたいです。

背が伸びてライトフライ級が厳しくなったため、今年から階級を1つ上げた。すぐに筋肉が付きその分重くなる。減量は楽にならない

自分を変えられることを、ボクシングが教えてくれた。  ボクシングを始めて変わったってよく言われるんですが、負けず嫌いなところは変わってないんですよ。昔は泣いて終わっていたところが、心も成長して、悔しい気持ちを味方にして練習に打ち込めるようになったんだと思います。

 髪の病気に悩んでいた頃は心を閉ざしていたんですよ。辛くて、からかってくる上級生に言い返したりできなかったし、逃げていた。自分が変われたのは、ボクシングで自信を持って、逃げずに自分と向き合えるようになったからだと思うけれど、自信を持つのが難しいんですよね。

 でも、今いじめとかで悩んでいる子がいたら、試しに自分のどこか1つを変えてみるといいんじゃないかなと思います。失敗したって命を取られるわけじゃないし、また違うことをやってみればいい。どこかが変わると自信がつくんじゃないかな。もちろんいじめる方が悪いんですけどね。

リングではコーチとして、家では父として。あらゆる面で名セコンドぶりを発揮する好二さん。フェザー級で活躍した元プロボクサー

家族の愛を毎日感じている。だから強くなりたい。  友達からはよく「優しい」って言われます。人にムカつかないし、できるだけ楽しくいたいんですよ。誰かが暗かったら明るくしたいし、怒ったりケンカしたりしたら嫌な雰囲気になるじゃないですか。例えば、お母さんが「痩せたい」って言いながらビールを飲んでたりすると、心の中では「そりゃ痩せないよ」って思ったりするんですけど(笑)、すごく幸せそうな顔をしているので、わざわざそこに水を差さなくてもいいかなって思うんですよね。

 そういう気持ちになれるのは、両親のおかげですね。二人とも「今日は疲れた」とか言わないんですよ。お母さんは仕事もして、すごく疲れているはずなのに、食事に気を遣ってくれるし、嫌な顔せずにマッサージしてくれる。お父さんはすごく心配性で、自分以上に自分のことを見てくれている。家族みんなが自分のために一生懸命に尽くしてくれているのが痛いほど伝わってくるから、感謝の気持ちしかありません。それがもっと強くなりたい気持ちの原動力になっていると思います。

戦う父と子を、後ろからそっと見守る母。笑顔で隠している見守ることの辛ささえ、子どもには見透かされているのかもしれない