post_2017.9.29

vol.06バスケット[後編]

奥山理々嘉さん(17)八雲学園高校バスケット部所属恵理さん

上位進出を期待されていた夏のインターハイは、まさかの2回戦負け。「よくない感じで負けました。足りないところをもっと必死に練習しなきゃいけないですね」。奥山理々嘉さんは悔しそうにそう振り返りました。2年生キャプテンとしてチームをまとめるかたわら、8月にはU-18日本代表として国際親善試合、10月には東京選抜として国民体育大会に出場する忙しい日々を送る奥山さん。お母さんお手製のお弁当を食べる時間は何よりの楽しみのようです。

ダブルヘッダーは食欲も落ちがち。だけど食べると元気が出る。

八雲学園に進学したのは、自分のような大きな選手でもゴール下だけでなくアウトサイドでもプレーができるから。中学のころから体重はほとんど増えていないんですが、色々な人から「ガタイがよくなったね」と言われます。勝手な憶測なんですけど、運動量が増えて、タンパク質を多めにとることを意識しながらバランスよく食べているので、脂肪が落ちて筋肉が増えたんだと思います。

身長は180センチですが、全国大会だともっと大きな相手とゴール下で押し合いをすることになります。ゴール下だけでプレーする選手だったらその戦いに集中できるんですけど、自分はそうではない。そのあとリバウンドを取りに行ったり、走って点を取りに行ったりするので、とてもきついです。でもそこを頑張れるように普段練習しています。まだまだ足りないけれど……。

ダブルヘッダーで試合があるときは、試合が終わったらすぐにお弁当を食べなければなりません。たくさん動いたあとに食事をとるのはしんどいし、みんなも「きつい」と言いながら食べてますよ。でも、お弁当がおいしいんで、逆に食べると元気が出るんです。

スレンダーな体つきで外国人選手とも同等に渡り合う。しかし、体力の消耗は人一倍激しい。しっかり食べなければ戦えないことを自覚している

お母さんとお父さん、2人のお弁当が楽しみ。

少しレバーが苦手ですが、好き嫌いはありません。お弁当のおかずで特に好きなのは卵焼きかな。甘くないだしの卵焼きで、アオサとかエビとかちょっとしたものが入って手作り感があるというか……。あとは野菜を多めにしてもらいます。「色んな色の野菜を多めに入れてもらっていい?」ってリクエストしているんです。今日は大好きなズッキーニが入っていて嬉しかったです(笑)。

朝は、満員電車を避けて、4時半に起きて5時過ぎに家を出ます。自分も早起きだけど、お母さんはそれよりも早起きしてお弁当を作ってくれる。嬉しくて、それだけでもう何でもおいしく感じます。だから「おはよう」って言ったら、すぐに「今日のおかずは何かな?」ってお弁当を見ちゃう(笑)。前の日の夜も「明日のお弁当は何?」って聞いて、それを楽しみに起きます。

お弁当は基本的にお母さんが作ってくれますが、お父さんも仕事が休みの日にときどき作ってくれるんですよ。特に中華が得意で、こないだはマーボーナスと手作りの杏仁豆腐を入れてくれました。お父さんのお弁当は一目見ただけでわかるので、帰宅してお父さんに「今日お父さんが作ってくれたでしょ?」と聞くと「そうだよ、おいしかった?」と答えてくれます。お母さんとお父さん、2人のお弁当をいつも楽しみにしています。

撮影前にそっとクシを手渡したり、インタビュー中に咳が出れば飲み物を出したり。常に娘を気遣う心づかいが印象的だった

自分を思う気持ちが、お弁当から伝わってきた。

一番嬉しかったお弁当ですか? うーん、いつも嬉しいから難しいですね。ただ、試合のことを考えて食材を選んでくれたことが、食べるときに伝わってきたお弁当がありました。いつもと中身がそんなに変わっているわけではないんですが、前の日にお母さんとした「これを食べたら体にいいね」とか「2試合目にバテないようにこれを入れておくね」っていう会話を思い出して、頑張れたことがありました。

お母さんは自分がバスケットをするうえで欠かせない存在。一番近くにいつもいてほしいし、いてくれたら頑張れます。お弁当もそうだし、試合前の準備もそう。自分のために色んなことを考えてくれていることが伝わってきて、おのずと頑張れるんです。お母さんがいなかったら自分はバスケットができてなかったし、ここまで来られなかったと思います。

バスケットでの今後の目標は、たくさんの人たちに「応援したいな」「いつまでもプレーしてほしいな」と思っていただけるような選手になること。それを踏まえた上で、将来は日本代表になって五輪に出たいです。一番近いのは2020年ですね。そのためには今頑張らなきゃいけません。ごはんをいっぱい食べて体を強くして、頑張っていきたいです!

母への想いを話すときには、思わず涙で言葉が詰まった。ゆっくりと時間をかけて内容を考えて、ていねいにつづったメッセージには言葉以上の想いが詰まっている