post_2017.9.29

vol.06バスケット[前編]

奥山理々嘉さん(17)八雲学園高校バスケット部所属恵理さん

奥山理々嘉(りりか)さんは、近年ぐんぐんと結果を出し始めている女子バスケットボール界期待の星です。180センチの長身と豊富な運動量を備え、2016年6月には唯一の高校1年生としてU-17世界選手権を戦いました。現在は2年生ながらキャプテンとして、チームをまとめる立場でもあります。ポジションはセンター。ゴール下での身体接触が多く、時には190センチ近い留学生と対峙することも。エネルギーの消耗と体の疲労が激しい毎日を支えてくれるのが、お母さんが朝早くから作るお弁当です。

お弁当を見る嬉しそうな顔が好き。

主人も私も、理々嘉の兄もバスケットボールの経験者です。主人が183センチ、理々嘉の兄は私と同じくらいで176センチ、理々嘉が180センチ。背が高くても難なく走ったり跳んだりできる運動神経や、試合になるとピッとスイッチが入るところは主人に似ていますね。ただ、日ごろはマイペースでのんびり屋の普通の女の子。そこは私に似ちゃったのかなと思います(笑)。

毎日朝練があるので、平日は娘が家を出る5時過ぎに合わせてお弁当を作ります。私は朝に強いほうではないので、お母さん友達にもらった「おかずはある程度前日の夜に作っておいて、冷蔵庫にしまっておくと便利だよ」というアドバイスに助けられています。

お弁当と朝食の準備をしていると、理々嘉がリビングにやってきます。テーブルに並んだお弁当とおかずを見て、「これ、理々嘉の?」って聞くんです。「そうだよ」と言うと、いつもニンマリした顔をする。その顔を見ると、私も嬉しい気持ちになりますね。

献立のヒントは母娘の会話から。「テレビなどで知った情報を娘と『こういうことをやっていたよ』と話します。逆に娘から、勉強してきたことを教えてもらうこともありますね」

体だけでなく心も癒せるように。

理々嘉は加工食品ばかりが入ったものより、カンタンでも私が作ったものを喜びます。手の込んだものは作れませんが、お肉を焼いて、野菜を焼いて、冷蔵庫にある食材をとにかくたくさん入れるようにしています。「ママ、おかずをいっぱい入れて」とリクエストされることが多いですが、よく考えてみたら、私も学生時代は同じことを母に言っていました。

体力の消耗が激しいポジションなので、体作りの基礎となるたんぱく質やカルシウムを多めに入れることを意識していますね。今日は鶏肉、牛肉、魚と、たんぱく質が豊富な肉・魚類を三種類入れました。ビタミン不足にならないようにと、野菜やフルーツもなるべく入れるようにしています。ゼリーや大福など、ちょっとした甘いものを持たせることもあります。甘いものが好きな子なので、休憩時間には好きな食べ物で心を和ませて、午後の練習もまた頑張ってほしいなという気持ちです。

お弁当の他に、バナナやエネルギーゼリー、おにぎりも補食として持たせています。お弁当が足りなかったときに好きなように食べてもらえればと。特に大会時期は試合が一日2試合あることもありますし、限られた時間でも手軽に食べられるおにぎりが重宝します。具は理々嘉が好きな梅干しが多いです。

補食のおにぎり、バナナ、エネルギーゼリー。この他にブドウとチーズも。好きなタイミングで少しずつ食べられるように工夫している

バスケットができてうれしい気持ちを忘れないで。

平日は5時に家を出て、帰りは9時過ぎ。ゆっくり話せる時間はあまりとれませんが、早めに帰れるときは家族でバスケットの話をします。試合のビデオを見ながら、主人が「こういうプレーもできたんじゃない?」と言い、理々嘉が「そうだね、そういうふうにするのもいいね」と言う。思春期の女の子特有の反抗期や、お父さんを煙たがるということがまったくないんです。思ったことを素直に言い合える、いい家族関係だと思います。

理々嘉はとにかくバスケットが大好き。元気で前向きな子ですが、もしかしたら好きなことに熱中しすぎて、自分自身に厳しくなってしまう部分もあるのかなと感じています。そんなときも、バスケットができるうれしい気持ちを忘れないで進んでいってほしいなと思いますし、これまで助けられてきた指導者や仲間たちへの感謝の気持ちを忘れない大人になってほしいと思います。

今はまだ目標の途中。たくさんしっかり食べて、しっかり寝て、体作りを頑張ってほしい。だから、「今日もいっぱい食べてきてね」という気持ちを込めてお弁当を渡します。

けんかや隠しごとのない、とても仲のいい母と娘。早く帰宅できる日はバスケットや学校生活のことをゆったりと語らう