サーモスWEBマガジン
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野上優佳子さんに聞く「無理なく続けられるお弁当作りのアイデア」
新しいことが始まる春。新たにお弁当作りに挑戦される方も多い時期です。無理なく続けていくためのお弁当作りのアイデアを、お弁当コンサルタントの野上さんにお伺いしました。
野上優佳子
(のがみ・ゆかこ)
料理家・弁当コンサルタントとして新聞、雑誌、TV、ラジオ、ウェブ、全国各地での講演など多メディアで活動中。『暮らしの図鑑 お弁当』(3/18発売・翔泳社)、『学童弁当 月~金の5日間×6週間、30日分のマラソンレシピ』(小学館クリエイティブ)など著書多数。
Instagram:@yukakonogamis
お弁当作りは、無理なく楽しく!
春は、職場に持っていくお弁当、お子さんのお弁当など、お弁当デビューをする人が増える季節。しかし「作るのが億劫」「マンネリにならないか心配」と、お弁当への悩みはつきません。
そんな悩みをお弁当コンサルタントの野上さんに伝えたところ……
無理なく続けるには、簡単かつ、応用しやすい方法をできるだけたくさん知っておくといいと思います。市販の便利グッズを活用するのもおすすめです。
お弁当のいいところは、お昼休みに自由に使える時間が増えること。私はパパッと20分くらいでお弁当を作るようにしているんですが、その20分が60分のお昼休みを充実させてくれるんです。外食するお店を探す時間や待ち時間もなくなるので、お弁当を食べ終わっても「あと30分も自由時間があるー!」とうれしくなりますよ。
応用しやすいお弁当作りのアイデア、ぜひ教えてください!
応用自在! 短時間で作れるおかずの工夫
まずは、手軽な食材で楽しめる、おかずの作り方を教えてもらいます。

パウチ入りの蒸し大豆は、好きな調味料と炒るだけで立派な副菜になります。夜のおつまみにもおすすめ!
1.蒸し大豆に薄力粉少々を混ぜる
※大豆の水煮を使う場合は、水分を軽く拭き取ってから薄力粉と混ぜる
2.フライパンで油を熱し、1を入れる
3.全体を軽く炒ったら、好きな調味料で味付けをする
照り焼き味:めんつゆで味を付ける
カレー味:めんつゆで味を付けたあと、カレーパウダーをまぶす
和風味:粉末の和風出汁や、かつお節、炒りごまを混ぜる
ガーリック味:塩胡椒とガーリックパウダーを混ぜる
味付けは、ポップコーンの味のバリエーションを思い出して考えると、アレンジの幅が広がります。
加工済みの練り物は、焼くだけで立派なおかずになる、お弁当の大定番! はんぺんは、そのまま焼くだけでも十分ですが、中にハムやチーズを挟んで焼いてもおいしいです。ちくわは、下記のレシピで揚げずに磯辺揚げの雰囲気が楽しめます。
1.小麦粉と水を1:1で混ぜ、衣を作る(とろみがあるくらいの柔らかさ)
2.1に青のりを入れ、一口に切ったちくわを和える
3.フライパンに薄く油をひき、焼き色がつくまで焼きつける
練り物は火を通すと膨らむので、しっかり冷めてからお弁当に詰めましょう。
お弁当の定番・玉子焼きも、自在に応用できるおかずの代表選手。アレンジ方法は大きく分けると2つで、あらかじめ具材を混ぜて作る「混ぜる玉子焼き」と、具材を包み込んで焼き上げる「巻く玉子焼き」があります。
1.卵を溶いて、細かく刻んだ紅しょうがと青のりを混ぜる
2.温めたフライパンに油を引き、1を流し入れ玉子焼きを作る
1.卵を溶く
2.温めたフライパンに油を引き、1を流し入れる
3.ハムを巻きながら玉子焼きを作る
混ぜる:明太子、かつお節、しらす、青ねぎ、刻んだ大葉など
巻く:チーズ、魚肉ソーセージ、のり、カニカマなど
※ いずれも水分・油分が多い食材は避ける
形がいまいちだったときは、熱いうちにラップで包めば形を整えることができます。巻きすじゃなくても大丈夫! 熱々のままでは切りにくいので、冷めてから好きなサイズに切って詰めるようにしましょう。

市販の「冷凍おかず」を活用するのもおすすめです。冷凍技術の向上によって冷凍庫から出してそのままお弁当に詰められる、自然解凍OKの冷凍食品も増えてきています。
なお、工場の冷凍技術と自宅の冷凍庫の環境は大きく異なるため、手作りおかずの冷凍品を自然解凍させるのはNG。菌の繁殖を防ぐため、一度電子レンジで調理してから詰めてください。

ブロッコリー、スナップえんどう、アスパラ、オクラなど年々種類が豊かになっている冷凍野菜は、オリーブオイルでソテーし、塩胡椒で味を整えるだけでも立派なおかずになります。
調理後の水分が気になる野菜は、しっかりと水滴を拭き取ってから詰めれば、菌の繁殖も防げます。
汁物を作るなら、和洋中の味のベースをマスターしよう
続いてはスープの作り方を教えていただきます。ササッと作れて満足感もたっぷりなスープのお弁当。ベースの配合さえ覚えておけば、そのとき家にある食材で自在に楽しめるのだそう。
スープは、和・洋・中どの味付けにするか決めてから作るのがおすすめです。それぞれの分量の目安をご紹介しますね! これをベースに、お好みで塩加減を調整してください。
- 水…150ml
- お好みの具材…50g(片手に乗る程度)
上記に加えて…
中華の場合:鶏ガラスープの素小さじ1
和風(みそ汁)の場合:けずり粉(粉末出汁)適量 & みそ小さじ1.5
洋風の場合:コンソメキューブ½個 または コンソメパウダー 小さじ1
- 400mlのスープジャーを使う場合は、倍の量で調整する
1.お好みのスープベース(鶏ガラスープ・けずり粉・コンソメ)と具材を鍋に入れる
2.グツグツ沸とうさせ、具材の中にまでしっかり熱を通す(みそ汁を作る場合、みそはここで入れる)
3.予熱しておいたスープジャーに2を入れて完成
- 材料をすべて耐熱容器に入れて電子レンジで調理するのでもOK!
具材を煮込むのが面倒なときは、スープベースだけ作ってスープジャーに入れて持ち運ぶのもいいですよ。食べる前に乾燥野菜やお麩、わかめなどを混ぜれば温かいスープの出来上がりです。
スープジャーがあれば、ほっかほかのどんぶり弁当もラクラク!
スープジャーを活用した「どんぶり弁当」もおすすめなのだそう。
親子丼の具をスープジャーに入れて、たっぷりのご飯を詰めたランチボックスと一緒に持っていけば、ほかほかのどんぶり弁当が楽しめます。スープジャーのサイズは200mlで十分。これで結構お腹いっぱいになるんですよ。

- 鶏ひき肉…80g
- ねぎ…少々
- しょうが(チューブ)…お好みで
- 卵…1個
- 水&めんつゆ(希釈量に合わせて適量)…100ml
- 水溶き片栗粉…小さじ1
- ごはん…お好みの量
1.希釈しためんつゆに、鶏ひき肉とネギを入れてひと煮立ちさせる
2.水溶き片栗粉を加え、混ぜながら沸とうしたら、そこから1分加熱させる
3.溶き卵を加えて、全体をぐるっと混ぜたらひと煮立ちさせて卵に完全に火を通す
4.お好みでしょうがを加え、味を整える
5.予熱しておいたスープジャーに4を入れて完成
200mlスープジャーとシンプルな設計のランチボックスは、そのほかにもいろんな応用が効く組み合わせです。牛丼や麻婆丼はもちろん、白米をパリパリの揚げ麺に変えて、野菜あんかけを持っていけば皿うどんまでできちゃいます。
400mlのスープジャーで、大満足なスープランチに
ごはんを詰めるのが億劫なときは、スープだけを持って出かけて出先でパンやおにぎりを買う、ハイブリッド方式のお弁当もおすすめといいます。
具沢山のスープと、コンビニのおにぎりやパンがあれば大満足なスープランチが出来上がります。前日の夜に少し多めに作ったスープを持っていくのもいいですよね。続けるコツは、無理しないこと!
お弁当作りで注意したいことは?
お弁当作りで注意したいことについても教えてもらいました。
スープジャーの使い方で注意したいのはまず、予熱・予冷を確実にすることですね。予熱は熱湯を、予冷は氷を入れてそれぞれ2〜3分ほど内側の温度を整えてからスープを入れてください。冬場は、スープジャー本体がかなり冷えていることがあるので、予熱時間を少し長めに。それから、スープを入れたらすぐにフタをすることも大切です。この2つを工夫すれば、お弁当の時間まで食べごろの温度がキープできます。
暑い時期には保冷グッズを活用して、菌の繁殖を防ぐのも重要なポイント。
暑い日が増えた現代において、保冷バッグは必須アイテムになりつつあります。私が選ぶポイントは、断熱材とサイズ感。断熱材は、実はアルミやポリウレタン、ポリエチレンなどの種類があります。保冷力だけでなく、軽さや厚み、耐久性、価格の安さなど、それぞれ特徴があるので、ちょっと注目してみるといいと思います。サイズは持っていくお弁当箱やスープジャー、お箸などのカトラリーを密閉できるかどうか、水筒も入るかどうかなど、自分の目で見て確かめるのがおすすめです。

好きなものを好きなだけ。お弁当は自在
ところで長年、お子さんのお弁当を作り続けている野上さん。お弁当作りを楽しくするコツはあるのでしょうか?
もしお子さんが、なかなか食べてくれないと悩んでいる方は、ごはんだけでもお子さんに詰めてもらうのがおすすめです。お手伝いの最初の一歩としていいと思います。自分で「これくらいなら食べられる」と決めるので、自信を持って食べて帰ってきてくれるようになります。
お弁当だと好き嫌いなく食べてくれるというお子さんも結構いるので、無理せず、少しずつ一緒にトライしながらお弁当作りを楽しんでみましょう。

最後にお弁当作りの魅力を伺いました。
私はテトリスが好きなので(笑)『このスキマにブロッコリーが入るぞ!』とか『ウィンナーならもう半分いける!』と、いつもゲーム感覚でおかずを詰めています。箸先が細い菜箸を使うと、隅々まで詰め込むことができますよ。好きなものを好きなだけ詰め込んで、楽しいお弁当生活を送りましょう!
自分のペースで楽しむことがお弁当作りを続けるコツなのかもしれませんね。無理なく、楽しくあなたらしいお弁当ライフを続けていきましょう。
取材・執筆:つるたちかこ
撮影:藤原葉子
編集:ノオト