フライパンで簡単! 「秋鮭のソテーサラダ」と「戻りガツオのたたき丼」

家でもおいしい魚を食べたい! そう思いつつも、「調理するのが難しそう」「下処理が大変かも」「グリルの後片付けが面倒」と、どうしても手間のかかるイメージが先行してしまう魚料理。そこで頼れるのは、なんとフライパンでした……! フードスタイリストのダンノマリコさんに、フライパンで誰でも簡単に作れる「秋鮭のソテーサラダ」と「戻りガツオのたたき丼」レシピを教えていただきます。

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ダンノマリコ

ダンノマリコ

ダンノ・マリコ

フードスタイリスト、栄養士。フードコーディネーターのアシスタントを経て独立。現在は、雑誌、書籍の料理制作とスタイリングを手がける。自宅のスタジオを拠点に、日本各地の旬の魚を楽しむ料理会「ミナトゴハン」など食のイベントの主催も。著書に『フライパンひとつで魚のごちそう』(青春出版社)、『野菜・果物・魚介・肉 365日おいしいびん詰め 保存食&食べ方テク』(朝日新聞出版)など。
Instagram:@dannomariko_sakana

著書の『フライパンひとつで魚のごちそう』では、手軽なのにおいしい魚料理の数々を提案しているダンノさん。料理の前に、ダンノさんが魚料理に魅せられたきっかけを聞いてみました。

ダンノさん
「元々、そこまで魚好きというわけでもなかったんです(笑)。だけど、5年ほど前に築地(現在は豊洲)の仲卸さんが開催するお魚の教室に行ってみたら、そこで食べた魚があまりにもおいしくて。改めて、魚の奥深さに気付かされました。あと春はサワラ、夏はアジ、秋はサンマ、冬はブリなどなど、魚にも四季折々の旬があるのもおもしろくて。今では常に旬の魚に思いを馳せるくらい、魚料理の虜になってしまっていますね」

野菜や果物と同じ感覚で、ダンノさんみたいに魚でも旬を取り入れられたら食卓がより豊かになりそう! だけど、魚を手にするときに気になってしまうのが、魚特有の生臭さ……。

ダンノさん
「いわゆる魚の臭みって、魚本来によるものではなくて、流通の段階で魚を洗う際に加わった水分などが原因と言われているそうです。だから魚料理を作るときは、この水分をしっかり抜いてあげることが大事。塩をまんべんなく魚にふって、常温でしばらく置くと、余分な水分が出てきます。このひと手間で、いつもの魚料理が各段においしくなりますよ」

すべての魚に使えるというこのテクニックは覚えておいて損はなし! なお、ダンノさんによると、魚に均一にふりかけられる “焼塩”がおすすめだとか。

ダンノさん
「焼塩はサラサラしているので、魚にまんべんなくふりかけられ、均一に水分を出したり、下味をつけたりすることができます。もし焼塩が自宅にない場合は、フライパンで塩を軽く炒ることで簡単に作れますよ」

魚料理がおいしくなる裏技を教えていただいたところで、早速フライパンでできる魚料理作りへ。今回伝授してくれるのは2品。旬の魚を使うメニューをリクエストしたところ、1品目は「秋鮭のソテーサラダ」を教えていただくことに。9〜11月に最も流通する“秋鮭”は脂が控えめで、さっぱりとした味わいが魅力です。

ダンノさん
「フライパンで鮭を調理するときは、身に直接火を入れ過ぎないことがおいしく仕上げるポイントです。その代わり、皮目から火をじっくりと入れていくので、大きな皮がついているものを選ぶのがおすすめ。今回は、さっぱりとした秋鮭に、ゆでたまごをざっくりと割った手づくりタルタルソースを添えて、食べ応えをプラスしたいと思います。材料を混ぜるだけなので、時間に余裕のある人はぜひ作ってみてください。冷蔵庫で2〜3日保存できますよ」

  • 生鮭(切り身)…2切れ
  • 焼き塩…適量
  • オリーブオイル…大さじ1/2
  • ゆでたまご…2個
  • レタスや豆苗、ミニトマトなどのサラダ野菜…お好み
  • ディルやタイムなどお好みのハーブ…1~2枝

【A】

  • マヨネーズ…大さじ2〜3
  • ヨーグルト…大さじ1
  • 酢…大さじ1
  • おろしにんにく…少々
  • 塩こしょう…少々

続くもう1品は、「戻りガツオのたたき丼」です。1年のうちに2度旬が訪れるカツオのうち、9月中旬に水揚げされる“戻りガツオ”。北海道や三陸の海で豊富なエサを食べてから南下してくる戻りガツオは、たっぷりと乗った脂が特徴で、秋ならではの味覚です。

ダンノさん
「カツオの表面をさっと焼いたら、そのままアルミホイルで包むだけのシンプルなレシピですが、これだけで脂の甘みや旨味がいっそう引き出せますよ。薬味とごまがアクセントの生姜醤油をたっぷりかけて召し上がってください」

  • カツオ(刺身用)…200〜300gまたは1/2柵
  • ごま油…少々
  • 焼き塩…適量
  • スプラウト…適量
  • みょうが…適量
  • 大葉…適量
  • ごはん…お好み

【A】

  • 醤油…大さじ1と1/2
  • みりん…大さじ1と1/2
  • すりごま…大さじ1と1/2
  • おろし生姜…大さじ1/2

6) ごはんを盛った器にカツオ、細り切りにしたみょうがと大葉、根を切り落としたスプラウトをのせて、【A】を混ぜたタレを添えたら完成!

料理初心者でもすぐにマネできる2品は、あっという間に完成! ダンノさん、今日のお味はいかが?

ダンノさん
「まずは『戻りガツオのたたき丼」からいただきますね。う〜ん、よかった。今日もおいしくできました(笑)! とろっとした舌触りのカツオの脂に、生姜のきいたタレと薬味がよく合います。ホカホカの白米はもちろん、酢飯でさっぱり食べるのもおいしいですよ」

それでは、「秋鮭のソテーサラダ」の感想もお願いします!

ダンノさん
「香ばしい鮭の皮のパリッとした食感と、ふわっと焼きあがった身の旨みがたまりません。満足感が足りないと思われがちな魚料理も、これならヘルシーかつ食べごたえもありますよ!」

ちょっとしたテクニックさえ掴めば、簡単においしく料理にできる魚たち。食欲の秋に、お腹いっぱい食べなきゃ損かも! 一度作ったらすぐに覚えられるダンノさんのレシピをぜひお試しください。

撮影:藤原葉子
編集:ノオト

船橋麻貴

船橋 麻貴

ふなばし・まき

雑誌やWEB、広告などで執筆中。生涯の目標に締切厳守を掲げるものの、いろいろ遅れがちな人生。特技は暴飲暴食と思いつき旅。焼き菓子&パン1年生。

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