サーモスWEBマガジン
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初めてでも失敗しない! スパイス香る本格チキンビリヤニ
いまや専門店も登場するほど人気を集めている「ビリヤニ」。実は、スパイスとお米を揃えれば自宅でも簡単に作れるんです。スパイスハンターのシャンカール・ノグチさんに、初心者でも挑戦しやすいビリヤニのレシピと作り方のコツを教えてもらいます。
シャンカール・ノグチ
スパイスハンター。インド出身の祖父が創業した「インドアメリカン貿易商会」の3代目として、インド食品の輸入やオリジナル商品の開発・販売、オリジナルブランド「INDIA SPICE & MASALA COMPANY」のプロデュースも行う。近著『クラフトビールのためのスパイスカレー』(ステレオサウンド)ではビールとスパイスカレーのペアリング、水野仁輔著『カレーのレシピ大図鑑370』(マイナビ出版)では、北インドカレーレシピの新作を紹介。ラムバサダーや東京スパイス番長、THE HERBSMEN、スパイスと酒の研究室に属し、それぞれのユニットで数多くのイベントを開催している。
WEBサイト:www.spice.tokyo
Instagram:@shankar.noguchi
ビリヤニの魅力はスパイスとお米にあり! それぞれの特徴を紹介

ビリヤニは、インドやパキスタンなどムスリム文化圏を中心に食べられている、香り豊かな炊き込みごはんです。その歴史は長く、ペルシャからインドに伝わり発展したと言われています。現代のインドでは、お祝い事や結婚式、来客時、家族が集まる休日などでちょっとしたごちそうとして親しまれており、ビリヤニ専門レストランも増えているそうです。
インド中南部の都市・ハイデラバードは「ビリヤニの街」と言われるほどビリヤニのお店が数多く存在しています。5階建てすべてのフロアにテーブル席があり、常に満席の「パラダイス」というビリヤニ専門店のビルもあるんですよ!
そんなビリヤニの味の決め手になるのがスパイス。現在では、日本のスーパーやアジア系の食材店でも手に入れられるようになりました。炒め物やスープなどにも幅広く使えるので、揃えておくと便利です。
今回は、どんな料理にも使いやすい次の6種類を使用します。
クミンシード(ホール)・クミンパウダー
香ばしく食欲をそそる香りで、ビリヤニ全体の骨格となるスパイス。
グリーンカルダモン(ホール)
爽やかで華やかな香りで、炊き上がりを上品に仕上げる。
コリアンダーパウダー
柑橘のような優しい香りで、全体の味をまとめる。
ターメリックパウダー
鮮やかな黄色を付け、かすかな苦味がコクをプラス。
レッドチリパウダー
辛さだけでなく、味を引き締めるアクセントに。
ガラムマサラ
複数のスパイスをブレンドしたパウダースパイス。仕上げに加えることで豊かな香りを演出する。
スーパーなどで見つからない場合は、オンラインショップの利用もおすすめ。シャンカール・ノグチさんが手がけるオンラインショップ「SPINFOODS」でも購入可能です。
ホールスパイスは、調理の最初に油で炒める(テンパリング)ことで香りを引き出し、カレーの土台を作る役割があります。一方、パウダースパイスは、調理の中盤で加えることで具材によくなじみ、短時間で豊かな風味や色を加える働きがあります。
スパイスを段階的に使うことで、香りに立体感が生まれ、本格的なインド料理の味になっていきます。
また、ビリヤニに欠かせないのが、粘り気の少ないバスマティライスです。インドやパキスタンで食べられている細長い形の米で、炊き上がるとナッツのような香りがするという特徴があります。
ふっくらと粘りが強い日本米は、カレーの具材と一緒に炊くと重めの食感になります。一方バスマティライスは、お米の粒同士がくっつきにくいので、スパイスや具材から出るうまみと香りを全体にまといながらパラッとした軽やかな食感に仕上がります。
失敗しないコツ付き!初心者でもおいしく作れる「本格チキンビリヤニ」
ビリヤニ作りは、カレーを作る、バスマティライスを下ゆでする、カレーとバスマティライスを合わせて炊き込む、という3つの工程で成り立っています。意外と簡単なので、気負わず挑戦してみてくださいね。
■基本の材料
- 鶏もも肉…200g(一口大に切る)
- 玉ねぎ…200g(小さめ1個、粗みじん切りにする)
- トマト…120g(小さめ1個、1cm角に切る)
- 舞茸…80g(小房ごとに手で切り分ける)
- オクラ…4本(へたとがくをとり、2等分にする)
- しょうが(すりおろし)…12g
- にんにく(すりおろし)…6g
- プレーンヨーグルト…60g
- パクチー…6g(葉のみ)
- 水…100ml
- バスマティライス…180g
■テンパリングの材料
- 無塩バター…30g
- 米油…大さじ1
- クミンシード…小さじ1
- グリーンカルダモン…2個
■パウダースパイス
- ※クミンパウダー…小さじ1と2/3(約5g)
- ※コリアンダーパウダー…小さじ2(約6g)
- ※ターメリックパウダー…小さじ1(約3g)
- レッドチリパウダー…小さじ1/2(約1.5g)
- 塩…小さじ1と1/2(約6g)
- クミンパウダー、コリアンダーパウダー、ターメリックパウダーはカレー粉で代用してもOK
■仕上げのスパイス
- ターメリックパウダー…適量
- ガラムマサラ…小さじ1/2(約1.5g)
<バスマティライスの下準備>
【1】バスマティライス180gを、2〜3回水を替えてやさしく洗い、たっぷりの水に30分浸水させる。30分経ったら、ザルにあげて水気を切っておく。

日本米と同じように、やさしくかき混ぜるように研ぎましょう。
<1.カレーを作る>
【2】バスマティライスを浸水している間に、チキンカレーを作る。深型のフライパンに無塩バター30gと米油大さじ1を中火で熱し、クミンシード、グリーンカルダモンを加えて香りを立たせる。

クミンシードからシュワシュワと泡が出て香りが立ち、グリーンカルダモンがふくらんでくるまで、フライパンを軽くゆすりながら加熱するのがポイント。
このフライパンでカレーペーストを作った上にバスマティライスを重ねて蒸すので、しっかり密閉できるフタ付きのものを使いましょう。
【3】玉ねぎを加え、焦がさないように混ぜながら炒める。玉ねぎが透き通ってきたら少し火を強め、焼き目がついたきつね色になるまで炒める。

「きつね色」はこれくらいの色になればOKです。ここから先の工程では常に水を入れたカップを準備しておき、焦げそうになったら水を少量(小さじ1程度)ずつ加えてください。
【4】しょうが、にんにくを加えて香りが立つまで炒め合わせる。
【5】トマトを加え、木べらで軽くつぶしながら、水分が飛んでとろりとしたペースト状になるまで炒める。

【6】弱火にして、コリアンダーパウダー、クミンパウダー、ターメリックパウダー、レッドチリパウダー、塩を加え、焦がさないようによく炒め合わせる。

パウダースパイスは焦げやすいので、適宜水を加えましょう。今回使用しているサーモスの「デュラブルプレミアムシリーズ フライパン」は焦げ付きにくく、ストレスなくペースト作りができました。
【7】鶏もも肉を加え、スパイスをよく絡めながら表面の色が変わるまで炒める。
【8】ヨーグルトを加えて、ダマをつぶすようによく混ぜる。水100mlを加えてひと煮立ちさせる。

【9】舞茸とオクラを加え、混ぜながら1分ほど加熱したら、フタをして弱火で10分煮込む。

煮込む工程も焦げやすいので、途中で何度かフタを開けて、鍋底からかき混ぜましょう。
<2.バスマティライスを下ゆでする>
【10】深型鍋にたっぷりの水を入れてフタをする。沸とうしたらバスマティライスを加え、芯が少し残る程度まで5分〜6分ほどゆでる。ゆで上がったら、すぐにザルにあげて湯を切る。

ゆで加減は、2〜3粒を噛んで確かめましょう。噛んだとき、ほんの少し芯を感じるくらいがベスト。ゆでたまま鍋に置くとふやけて水っぽくなるので、すぐに湯を切ります。
<3. チキンカレーにライスを合わせて炊き込む>
【11】チキンカレーの水分が少し残っている状態になるまで火を強め、しっかり飛ばす。

木べらで鍋底から混ぜたとき、少し鍋肌が見えるくらいがちょうどよい水分量です。水分を飛ばしすぎると、バスマティライスと合わせて炊いたときに焦げやすくなるので気をつけましょう。
【12】ガラムマサラを加えて軽く混ぜ、味見をしたら火を止める。
ガラムマサラを加えることで、豊かな風味がプラスされておいしさが引き立ちます。バスマティライスと合わせて炊き込むので、このときの味見は、少し濃いと感じるくらいがちょうどよいです。
【13】ゆでたバスマティライスを【12】のチキンカレーの上に均一に広げる。ターメリックパウダーとパクチーを全体に散らす。

ターメリックパウダーを散らして部分的に色付けすると、盛り付けたときに白と黄色のグラデーションがとっても美しくなりますよ。
【14】フライパンにフタをし、中火で1分加熱して鍋の中を温め、弱火にしてそのまま10分加熱する。火を止めて10分蒸らしたらできあがり。

蒸らし終わった後の鍋底の水分はこれくらいの状態がベスト。まだ水分が残っている場合は、もう一度フタをして弱火で1分ずつ様子をみながら加熱しましょう。デュラブルプレミアムシリーズ フライパンを使ったことで鍋底の焦げ付きもなく、ベストな炊き加減で仕上がりました!

複雑な香りとうまみが押し寄せる、芸術的なおいしさ

実際に食べてみると、衝撃…! 口に入れた瞬間に豊かな香りが広がるだけでなく、噛みしめるたびに風味が変化していきます!
パラッとした軽い食感のバスマティライスがとても食べやすく、鶏肉と野菜、舞茸のうまみも加わって、スプーンが止まりません。
今回は夏野菜のオクラや舞茸を使いましたが、それぞれのうまみが効いていてとてもおいしいです。ビリヤニは、地域によって羊肉・鶏肉・魚介・野菜などさまざまな食材が使われ、それぞれのスパイスの配合もまったく異なります。このレシピをきっかけに、自分好みの具材やスパイスを見つけてもらえるとうれしいです。
最後に、シャンカールさんたってのおすすめで、ビリヤニをもっとおいしく食べられる付け合わせ「ライタ」も教えてもらいました。

「ライタ」はシンプルでかんたんなヨーグルトソースです。基本はヨーグルト150g、ガラムマサラ小さじ1、塩適量を混ぜるだけ。今回は、最近ハマっている大根の角切りを加えました。さっぱりとした味わいで、ビリヤニにかけると辛さがやわらぐので、辛みを抑えたい方やお子さんにもおすすめです。
意外と簡単なのに驚くほど本格的に仕上がるビリヤニレシピ。取材後には、自宅で作ってビリヤニの魅力にハマるスタッフが続出しました! 基本の作り方を覚えたら、具材やスパイスをアレンジして、自分だけの一皿に挑戦してみてくださいね。
監修:シャンカール・ノグチ
執筆:早川奈緒子
撮影:片桐圭
編集:アーク・コミュニケーションズ