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オムライスを簡単・きれいに包むコツ!樋口直哉さんに聞く基本の作り方
「きれいに仕上げたい!」という憧れはありつつも、いざ作るとなかなか難しい、卵に包まれたオムライス。ロジカルなアプローチで料理のコツを明快に解く、料理家の樋口直哉さんに作り方のコツを教えてもらいました。
樋口直哉
ひぐち・なおや
服部栄養専門学校卒業後、料理教室勤務や出張料理人などを経て、2005年『さよならアメリカ』で群像新人文学賞を受賞し、デビュー。同作は芥川賞候補になる。作家として作品を発表する一方、全国の食品メーカー、生産現場の取材記事を執筆。料理家としても活動し、地域食材を活用したメニュー開発なども手がける。著書に『新しい料理の教科書』(マガジンハウス)『おいしいものには理由がある』(KADOKAWA)などがある。
X:https://x.com/naoya_foodlab
YouTube:https://www.youtube.com/channel/UCQUuY5wUy1ek3SLt0qaViyg
シンプルだけど奥が深くて難しい卵料理
いざ自分で作ってみると意外と難易度の高い料理、オムライス。ぴかぴかの卵焼きで、ケチャップライスをきれいに包みたいのに、出来上がるのはいつも残念な姿ばかり……。
そんな悩みを料理家の樋口さんに打ち明けたところ、
ちょっとした工夫を要所要所に加えれば、おいしくてきれいなオムライスが作れるようになります。
ぜひ詳しく教えてください!
卵との一体感がたまらない!オムライスの作り方

- 玉ねぎ…1/2個
- ピーマン…1個
- ハム…50g
- バター…20g(ケチャップライス用)
- ご飯…350g(1合分)
- ケチャップ…40g
- しょうゆ…小さじ1(またはソース小さじ1)
- 黒こしょう…お好みで
- 卵…2〜3個×2
- バター…10g×2(卵用)またはサラダ油小さじ2×2
卵は1人当たり3個使うと成形しやすくなり、ご飯は冷えたものを使うと、パラパラになっておいしく仕上がります。炊飯器で保温した、水分が飛んだ状態のご飯を使うのもおすすめです。
またバターを使うのには、作りやすさとおいしさの両面で意図があります。その点は工程を説明する際にまた詳しく説明しますね。

【1】玉ねぎ、ピーマン、ハムはみじん切りにする。
玉ねぎは、切る前に冷蔵庫で冷やすと、涙の原因になる物質(硫化アリル)の気化が減り、目が痛くなりにくいです。
包丁を垂直に入れると、玉ねぎの細胞が潰れて、硫化アリルが放出されるので、包丁を前後にスライドするように切るのがおすすめです。

ピーマンは細かく切ると苦味成分が強く出るので、玉ねぎよりも少し大きめくらいでOKです。

ハムは扱いやすいうえに旨味もしっかりある便利な食材。代わりにベーコンや鶏肉を入れてもOKですが、その場合も小さくカットするのがおすすめです。目安は、スプーンひとさじにほかの具材と一緒にのるくらい。口に入れたときに一体感が出て、おいしく食べられます。
【2】フライパンにバターを置き、中火にかける。バターが溶けたら玉ねぎとピーマンを入れ、玉ねぎが透き通ってくるまで炒める。
点火をする前にバターを置くと、バターが焦げて茶色くなることがありません。
バターを使う理由は、調理のしやすさと味の両面にあります。
まず調理面では、バターの溶け方でフライパンの温度を見極められるのが大きな利点です。泡が大きく立ち始めたら、表面温度は約140℃。このタイミングで玉ねぎとピーマンを加え、じっくり炒めます。
味の面でのメリットは、ケチャップの酸味をまろやかにしてくれること。もしサラダ油で代用する場合は、牛乳を小さじ1ほど加えるとバランスよく仕上がります。
【3】ハムを加え、香りが立ったら、ケチャップを入れて、さらに1分ほど炒める。
ポイントはご飯を入れる前にケチャップを炒めること。火力の弱い家庭用コンロでは、この工程が大切です。甘味と旨味が凝縮された濃厚な味わいになります。
【4】ご飯を加えたら少し火を弱め、切るように混ぜながら炒める。全体がケチャップの色に染まったらしょうゆ(もしくはソース)、好みで黒こしょうを加える。
しょうゆは香りづけとして入れています。しょうゆの代わりにウスターや中濃など、家にあるソースを入れるのでもOKです。

ご飯を炒めるときのポイントは、ヘラの使い方。酢飯を混ぜるときのように、ご飯を切るように混ぜます。ぎゅーっと押したり潰したりするのは、べちゃっとした仕上がりになってしまうので控えましょう。
【5】卵(1人分2〜3個が目安)をほぐす。フライパンをさっと拭き、バターを入れ、中火にかける。バターが溶けて、泡立ってきたら卵を一気に入れ、半熟状になるまで炒める。
卵の黄身と白身は凝固温度が異なるので、しっかり混ざっていないと、破れる原因になることも。白身の塊が見えなくなるまで、しっかり混ぜ合わせるのがポイントです。
卵は、極力泡立てないようにしたいのですが、少しなら大丈夫。泡立ちを防ぐには、泡立て器の先をボウルの底面に付けたまま、左右に真っ直ぐ動かすように溶きましょう。
卵全体の温度を均一にし、半熟のトロトロ状態にするのがふんわり仕上げるコツです。底面だけに火が通りすぎるのを防ぐため、固まり始めた外側から内側へ大きく手早く引き込むように撹拌(かくはん)します。
底面が固まったら一度、火を消して、フライパンを濡れふきんの上に置くと焦げつきを防げます。
【6】ご飯を中心からやや奥に置き、フライパンを傾け、巻き込む。皿に盛り、ケチャップを添える。
ある程度まで包んだら、フライパンの柄を逆手に持って、フライパンとお皿でV字を作ります。
仕上げにキッチンペーパーでくるんで形を整えたあと、お好みでケチャップをのせれば完成です!

自分でも作れた!つやつやのオムライス
やわらかなバターの香りが立ち込めるなか、ここからは実食タイムに突入です。
おいしいです! 今日もばっちり仕上がりました。卵は3個使うと、卵の存在感がしっかり引き立ちますね。ちなみに2個で作ると、若干成形の難易度が上がるのですが、ケチャップライスの存在感が引き立つ味に仕上がります。具材をもっと足したい場合は、マッシュルームを入れてもおいしいです。
最後に作り方のポイントを振り返ります。
オムライス作りのポイント・まとめ
- 具材はすべてスプーンにのる小ささに切る
- 卵はできれば3個使用。白身と黄身が均一になるまでしっかり混ぜる
- 点火する前にバターを置く
- ケチャップはご飯を入れる前にしっかり炒めて水分と酸味を飛ばす
- ご飯は「切るように」炒める
- 卵液をフライパンに入れたら素早く撹拌(かくはん)し、全体を半熟にする
- 濡れふきんを活用してフライパンの温度を下げる
- ケチャップライスを包む前に火を止める
- キッチンペーパーで形を整えるなど、使える道具は有効利用
家に帰ってから早速試してみたところ、無事きれいなオムライスが出来上がりました!
卵とケチャップライスがしっかり一体化していて、ふんわりとした食べ心地。ハムの旨味とピーマンのやわらかな苦味がいいアクセントになっています。昔、家族でよく出かけた食堂で食べたオムライスを思い出すような、懐かしさもある味わい! 自分で作ると一層格別に感じます。
ちょっと気分を上げたいときから、保温をしすぎたご飯をおいしく食べたいときまで、あなたもぜひ、オムライス作りに挑戦してみませんか。
撮影:小野奈那子
編集:ノオト
高橋 亜矢子
たかはし・あやこ
コンテンツメーカー・ノオトに勤めるライター/編集者。知らない土地やスーパーをうろうろすることと交通インフラが好き。よく使う調味料はお酢。