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はじめての料理、どうすればいい?最初に揃えたいキッチングッズと日々の心得

新生活で「はじめての自炊」にチャレンジする人もいるでしょう。今回は料理家の井上かなえさんに、どんな道具や調味料があればよいのか、また自炊を楽しくするための心得を伺いました。

井上かなえ
いのうえ・かなえ
料理家。兵庫県在住。2005年より3人の子どもたちとのリアルな日常と日々のごはんを綴ったブログを始め、2018年には殿堂入り、レジェンドブログに。簡単な手順で確実においしくできるレシピが人気で、東京・神戸での料理教室開催、雑誌、TV、食品メーカーのレシピ考案などでも活躍中。
Instagram:@kanae.inoue
最初にそろえる調理器具が知りたい!
はじめてのひとり暮らしや単身赴任、新たに道具を揃えるってワクワクしますよね。あれこれ買いたくなってしまいますが、最初に持っておくとよい調理器具はどんなものなのでしょうか?

その方の料理をする頻度や習熟度によっても変わってきますが、まずは「電子レンジ」「炊飯器」「フライパン」があると安心です。
電子レンジは、温めはもちろん時短レシピなどでも活躍してくれます。炊飯器があれば、いつでもほかほかのご飯が食べられます。ご飯を炊くだけでも立派な自炊ですよ。フライパンは、「焼く」「炒める」だけでなく「煮る」「茹でる」、さらには「揚げる」などもできるオールマイティーさが魅力です。

フライパンは、直径22〜26cmで5cm以上の深さがあるものがおすすめ。さらに直径18cm程度の片手鍋も持っておくと、もう一品作りたいときに便利とのこと。


一人暮らしのキッチンは狭いことが多いので、常備する調理器具は最小限に留めて、使いまわすのがおすすめです。
あれば便利なキッチングッズとは?
キッチングッズもまずは最小限でOKとのこと。

結局使わなかったのではもったいないので、まずは応用がきくキッチングッズを揃えましょう。キッチンバサミは野菜をはじめ、お肉やお魚まで幅広い食材を切れる優れもの。まな板を洗うのが面倒だな〜という時にも活躍してくれますよ。
フライパンを傷つけることなく混ぜ合わせることができるシリコン製のヘラも揃えておくと便利です。それから他のグッズではなかなか代用が効かないのがおたま。ひとつ持っておくと安心です。
そのほか、料理初心者さんが揃えておきたいキッチングッズはあるのでしょうか?

自炊を無理なく続けていくには、「自分が作ったごはんがおいしい!」「また作りたい」「料理が楽しい」と感じられるような、成功体験を重ねていくことが大切です。そのためには、まずはレシピ通りに作ることがポイント。特に大事なのが計量です。計量スプーン、計量カップ、はかりがあるとよいでしょう。

ひとり暮らしに便利な食器類とは?
食器は、どんなポイントで揃えるのがよいのでしょうか?

どうしてもひとり暮らしの方は収納スペースが限られるので、いろんな形や大きさの食器を揃えるよりも、和洋中などどんな料理でも使えるシンプルで大きなお皿がおすすめです。あと豆皿は、醤油やお漬物、お惣菜を入れるのにもぴったり。小さなスペースでも置いておけるので複数枚、好きな柄をコレクションするとテンションも上がってお料理がもっと楽しくなるはず。
さらに「おぼん」があると見栄えもよくなるだけでなく、キッチンからテーブルまでの持ち運びに便利です。

賢い調味料の選び方と保存方法
調味料は、使う頻度の高いものから揃えることと、まずは小さいサイズから買うのがポイントとのこと。

マストで揃えておくと料理のバリエーションが広がりやすいのが、塩、醤油、砂糖、こしょう、油、味噌。めんつゆはいろいろ使えるので料理初心者さんにイチオシの調味料。チューブのしょうがとにんにくも、パンチのある料理を作りたい時、手軽に活用できるのでおすすめですよ。「この調味料はよく使う」と思ったら、大きなサイズに切り替えるようにしましょう。
また調味料は、保存法にも気をつけたいところ。

特に夏場は、部屋の温度がグッと高くなってしまうのでなるべく冷蔵庫で保存するようにしましょう。
買い出しは計画的に
仕事や学校が毎日あると頻繁に買い物に行くのは難しいもの……。井上さんは「買い出しは、週に1回でOK。食材を買いすぎて使いきれずに腐らせてしまうのはもったいないので、買い物の前には必ず冷蔵庫の中身を確認して、計画的に買い物しましょう」と話します。

買い出しに行く前には、冷蔵庫の中身を確認してから買い出しに行くことと、1週間の献立を考えてから買い出しすることが大切です。
1週間では生野菜が使いきれない、という方は2〜3日で使い切れる分のカット野菜と冷凍野菜を使い分けてみて。お肉も2〜3日で消費期限がやってくるので、食べ切れるものは冷蔵で、期限内に食べきれないものは小分けにして冷凍しておきましょう。最近は冷凍肉のクオリティも高いので、冷凍室に余裕がある方は冷凍肉を購入するのもひとつの方法です。
缶詰や乾麺など、常温で保存できる食材もうまく組み合わせるのもおすすめ。ホットケーキミックスは、休日の朝食で食べたらテンションも上がっちゃいますよ。

自分の「好きな味」を探ってみよう
最後に料理初心者さんが心がけておきたいポイントを伺いました。

料理で大切なのは、作り始める前に計画をすること。最初に全ての材料を切っておくと効率よく進められます。献立を考える時には、お店の定食の主菜副菜の組み合わせなどを参考にするとアイデアが湧きやすいですよ。
また、食材数が少なくても、立派な料理になることを覚えておくと安心です。例えば豚こまとキャベツの2品で炒め物を作る時に、塩・醤油・味噌味など調味料を変えてみると全く別の味わいが楽しめます。まずはあるもので、自分の好きな味を探ってみましょう。
自炊は毎日の積み重ね。やる気がでない日も出てくるでしょう。そんな時は、無理はしなくてOK。新しいお皿を買ったり、周りの人に作った料理の写真を見せて褒めてもらったりなど、自分のモチベーションを上げる方法を知っておくのもポイントです。料理が楽しくなれば、続ける気持ちが湧いてきます。
初めての料理は迷うこともたくさんありますが、一歩ずつ進んでいきながら「自分の味」を見つけていきたいですね。焦らずに、楽しい自炊ライフを過ごしてみましょう。
取材・執筆:つるたちかこ
撮影:高橋亜矢子(ノオト)
編集:ノオト