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フライパンだけでOK!クリスマスの主役「ローストチキン」をおうちで作ろう
クリスマスの食卓は、手軽で華やかに。フライパンだけで作れるローストチキンなら、忙しい日でも無理なく特別感が出せます。失敗なくジューシーに仕上げるコツを、料理家の高橋はるなさんに教わります。
高橋はるな
たかはし はるな
料理家・フードコーディネーター・ワイン講師
航空会社の客室乗務員責任者として世界各地を訪れる中で多彩な食文化に触れ、退職後は食とワインの道へ。現在は企業のホームページなど各媒体用のレシピ監修、開発、撮影調理、スタイリング、TV番組などのフードコーディネート、ワインスクールのワイン講師としてなど幅広く活動している。手軽で洗練されたおつまみレシピをはじめ、華やかで作りやすいレシピづくりが得意。
Instagram:@haruna_takahashi7148
Nadia:https://oceans-nadia.com/user/391539
フライパンで時短ローストチキン、失敗を防ぐポイントは?

クリスマス料理の定番といえばローストチキン。骨付きの鶏もも肉を選べば、主役らしい華やかさが生まれます。いくつかのポイントを意識すれば、オーブンを使わずともフライパンだけで完結できるそう。高橋さんに詳しくお聞きしました。
骨付き肉はまず、皮目の焼き付けで香ばしさを出すのが大切です。裏返したら弱火+ふたでじっくり火を通せば、しっとりやわらかく仕上がりますよ。
焼く工程をスムーズに進めるには、事前の下ごしらえが成功のカギ。ここからは、その具体的な手順を教えていただきました。
焼きやすく&食べやすくするための下ごしらえ4ステップ
① 真ん中の骨に沿って切り込みを入れる
骨に沿って2本切り込みを入れると、厚みが均一になり加熱ムラが減ります。火の通りがよくなるだけでなく、下味も入りやすくなります。
② 中央の関節部分をカットする
関節の軟骨部分を包丁で切り離すと、肉が開いて、より平らになります。火の通りがさらにアップし、食べやすく仕上がります。

③ 余分な脂を取り除く
皮と身の間にある、黄色っぽく固まった脂肪部分を取り除きます。焼いたときの臭みが抑えられ、スッキリした味わいになります。
④ 皮目に穴を開ける
皮目の焼き縮みを防ぎ、きれいな焼き目に。包丁の刃先で数カ所穴を開けるだけでOK。余分な脂が出やすくなる効果もあります。

スーパーで販売されている骨つきの鶏もも肉は、すでにある程度下処理されているものも多いので、全部を完璧に整える必要はありません。気になる部分だけ軽く手を入れるだけでも、火の通りや仕上がりがぐっと変わりますよ。

今回は、取っ手のとれるフライパンKV26cmのフライパンと、取っ手、フタを使用します。
IH・ガス火のどちらにも対応し、調理後に取っ手を外せばそのまま食卓にも並べられます。
26cmサイズなら、骨付きのもも肉2本が無理なく入ります。お肉をひっくり返す頃には付け合わせの野菜を焼くスペースも確保できるので、フライパンひとつで完成します!
添え野菜まで作れる!ハーブ香る、しっとり&ジューシーなローストチキン

今回は、香り豊かなハーブ仕立てのローストチキン・レシピをご紹介します。
下味をつけて冷蔵庫で寝かせるだけで準備が整うので、ローストチキン作りが初めての方でも気負わず作れます。
取っ手のとれるフライパンは深型設計で油ハネしにくく、取っ手を外せばそのまま食卓に並べられるのも魅力です。ひとつのフライパンで鶏肉も野菜も仕上げられるので、忙しい日でもごちそう感のある一皿が作れます。

- 鶏もも肉(骨付き/先ほどの要領で下ごしらえしたものを使用します) 2本
<下味用>
- 砂糖 鶏肉の重量の1%
- 塩 鶏肉の重量の1%
- にんにく 2片
- タイム(乾燥) 少々
- オリーブオイル 大さじ2
<付け合わせ野菜>
- かぼちゃ(薄切り) 4枚(約120g)
- さやいんげん 1パック(約100g)
- ミニトマト 4個
● 鶏肉(ローストチキン)の下味
・下ごしらえした鶏もも肉に、砂糖→塩の順でもみ込む。
・にんにく(3mm程度の薄切り)、タイム(乾燥)、オリーブオイルを加えて全体をなじませる。
・冷蔵庫で3時間以上おく。
● 付け合わせ野菜
・かぼちゃは5mm程度の薄切りにする。
・さやいんげんは筋を取る。

砂糖と塩には保水作用があり、油には保湿の働きがあるので、下味の効果で鶏肉がしっとりジューシーに焼き上がります。調味料は料理の「さしすせそ」にならって、砂糖→塩の順番でもみ込むのがコツ。3時間~ひと晩ほど漬けておいても大丈夫です。
ハーブはフレッシュタイプよりも、乾燥タイプのほうが焦げにくく扱いやすいのがメリットのひとつ。長期保存もできるので、初めて買うときは乾燥タイプがおすすめですよ。
【1】フライパンに鶏もも肉の皮目を下にして並べ、弱めの中火でまんべんなく焼き目がつくよう時々トングで押しながら焼く。
下味のオリーブオイルごとフライパンに入れるので、追加で油をひく必要はありません。皮目に焼きムラができないよう、にんにくはフライパンの端に寄せておきましょう。

今回使用した鶏もも肉は1本約350g。お肉のサイズや厚み、ご家庭のコンロの火加減でも変わりますが、だいたい12~3分程度でキレイな焼き色がつきますよ。
【2】皮目に焼き色がついたら裏返し、すき間にかぼちゃ、さやいんげん、ミニトマトを加える。ふたをして弱火で約10分、火が通るまでじっくり焼く。
かぼちゃはスライス済みのものを購入しても◎。端に寄せていたにんにくは、焦げないように鶏肉の皮の上におきましょう。約10分後、鶏肉をトングで持ち上げてみて、骨のまわりから透明な肉汁が出ていたら焼き上がりの合図です。


今回教えていただいた「ハーブ香るローストチキン」はそのままでも主役級のおいしさですが、味付けを変えるとまた違った楽しみ方ができるそう。
材料は最小限、焼いたチキンに合わせるだけで決まる「レモンバターソース」も高橋さんに教えていただきました。
ローストチキンの味変アイデア「レモンバターソース」

ハーブとレモンは相性がよく、さっぱりしながらもコクが出ます。生クリームではなく牛乳で作れるので、軽い口当たりに仕上がりますよ。作ったソースは別の小皿に入れて、途中の味変として使うのもおすすめです。

- バター 15g
- 【A】レモン(3mm程度の輪切り) 2枚
- 【A】牛乳 大さじ2
- 塩 少々
※ローストチキンを焼いたあとの「フライパンに残った煮汁」を使います。
【1】焼き上がった鶏肉と野菜をフライパンから取り出す。残った煮汁にバターを加えて中火で溶かし、【A】を加える。塩を加え、味を調える。
【2】器に鶏肉と野菜を盛り付け、【1】をかける。

「初めて挑戦する方や、手順に慣れていない方でも特別感を楽しめるよう、失敗の少ない乾燥ハーブと、家にある材料を中心にしたレシピにしました。重たくなりすぎず、さっぱりと食べられます」と高橋さん。
添え野菜も同じフライパンで作れるので、サラダを追加しなくても十分な満足感があります。彩りも良く、食卓がパッと明るくなりますね。
フライパン調理なら手間をかけずに作れて、見た目も華やか。ごちそう感のあるローストチキンが無理なく完成します。今年のクリスマスにぜひ作ってみてはいかがでしょうか。
撮影:山下コウ太
編集:Nadia株式会社
執筆:田窪 綾
調理師免許を持つフリーライター。惣菜店やレストランで8年ほど勤務経験あり。食分野を中心に、Webや雑誌で取材やインタビュー記事作成などを行っている。