サーモスWEBマガジン
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包むって楽しい! さっぱりおいしい「ピーマン餃子&フレッシュトマトソース」
「包む料理」の定番といえば餃子。具は白菜やキャベツとひき肉、たれは酢醤油が定番ですが、自由にアレンジを加えてみたら、自炊に選択肢や楽しみが増えるはず。「好きな具材を包んじゃいましょう!」と提言する料理家のminokamoさんに、ピーマンやトマトを使った餃子のレシピを教えていただきました。
minokamo
みのかも
料理家、写真家、本名 長尾明子。岐阜県美濃加茂市出身。東京のアトリエ、岐阜の祖母が暮らした古民家を拠点に活動。地のもの、季節のもの、身近にあるもので、楽しくおいしい日常を提案する。各地に根付く料理の調査をライフワークとし、郷土食を通して知恵や歴史も伝えている。著書に『つつむ料理』『粉100、水50でつくる すいとん』(技術評論社)『みそ味じゃないみそレシピ 「ひとさじ」で変わる新しいみその使い方』(池田書店)などがある。
Instagram:@minokamo
餃子の具材は自由
もりもり食べて、元気になりたい! そう思ったときに味わいたい料理のひとつが餃子。お店で食べる餃子もおいしいですが、家で作る餃子は、包む楽しさも相まって特別感があります。
なにより手作りの餃子のいいところは、アレンジがきくところ。餃子の野菜の具というと白菜やキャベツが定番ですが、「身近にある食材をいろいろ入れてみるといいですよ! 」と話すのが、料理家のminokamoさんです。
包む料理って本当に自由なんです。冷蔵庫の余り食材、昨日のおかず、スーパーの特売で買った野菜など、その日身近にあるものを好きなように包むと楽しいんですよ。水分の多い食材は塩をかけて絞ったり、茹でたりして水分を少なくして入れればOKです。
minokamoさんが餃子の自由さに気づいたきっかけは友人だったといいます。
中国の友人が、卵炒めとニラを具材にしているのを見たときに、なにを包んでもいいんだって感激したんです。今日は、餃子と縁がなさそうに見えて実は相性のいい食材、ピーマンを入れた餃子を作ってみましょうか! トマトソースと合わせてさっぱりいただきましょう。
未知の世界だけどおいしそう……!
ぜひ詳しく教えてください!
さっぱり味わい深い「ピーマン餃子&フレッシュトマトソース」

<ピーマン餃子>
- ピーマン…3個(90g前後)※小さいピーマンの場合は4個
- 玉ねぎ(大)…1/4個(50g)
- 豚ひき肉…100g
- 片栗粉…大さじ1
- しょうゆ…大さじ2
- 餃子の皮…中サイズ25枚程
- 植物油…大さじ2 ※2回に分けて使用
- 熱湯…100ml
- 水…適量(つなぎ用)
<フレッシュトマトソース>
- トマト(大)…1個
- 玉ねぎ…1/8個(25g)
- ピーマン…1個
- 【A】お酢…大さじ2
- 【A】塩…小さじ1/2
- 【A】はちみつ…大さじ1(砂糖でもOK)
【1】(ソースを作る)トマトは1cm角切り、玉ねぎとピーマンはみじん切りにする。玉ねぎと【A】を混ぜたあと、ピーマンとトマトを入れて混ぜる。

ピーマンの独特の風味がいい仕事をしてくれるので、餃子の餡だけじゃなくソースにもピーマンを入れています。辛味が好きな人は、タバスコや一味を適量入れてピリッとさせるのもおすすめ! 余ったフレッシュソースは、唐揚げや魚のソテー、そうめんなどいろんなものに合わせても楽しめます。
【2】(餃子を作る)ピーマンと玉ねぎをみじん切りにする。

【3】刻んだピーマンと玉ねぎをボウルに入れて片栗粉をまぶして混ぜ、ボウルの端に寄せる。空いた場所に豚ひき肉を入れてしょうゆをかけて混ぜ、肉としょうゆが概ね混ざったら、全体を混ぜる。
片栗粉が野菜の水分が出てくるのを抑えて、ぎゅっと閉じ込めてくれるんです。おいしく作るためのちょっとしたコツですね。ほかの野菜で作る場合も、片栗粉を入れ混ぜてみてください。
【4】フライパンに植物油(大さじ1と1/2)を入れたあと、餃子を包む。
ここでのポイントは、包み始める前にフライパンを用意して油を入れておくこと。この時点ではまだ油は伸ばさなくてOKです!
包み方には個性が出ますよね。人によって違うのはもちろんのこと、同じ人が包んでも、その日の気分で変わったりする。それこそが包む料理のおもしろいところ。私は3つヒダを作るのが定番ですが、餃子の口がしっかり閉じていれば、どんな包み方でも構いません!
これで、クッキングペーパーを使わなくても油をフライパンに広げることができちゃいます(笑)。油がフライパンにまんべんなく馴染んだら、どんどん餃子を包んでいきましょう! 並べ方にルールはありませんが、向きを合わせたり円を描くように置いたりするときれいです。

もし餡が余ったら、オムレツやチャーハンの具にするのがおすすめです。冷蔵庫で保管する場合は翌日までには使い切りましょう。
【5】餃子を並べたフライパンを強めの中火で加熱する。ジリジリ音がしてきたあと1分ほど加熱したら、フライパンのふちに熱湯を注ぎ、フタをする。
パリッとした餃子を作るためには、しばらく加熱してから熱湯を入れるのがポイント! 火をつけたあと、すぐに水分を投下すると、皮がびよ〜んとなってしまうんです。
【5】フタをしたまま5分ほど強めの中火で加熱して、ほぼ水分がなくなったらフタを外す。さらに水分を飛ばしたら、植物油(大さじ1/2)を入れ1分ほど加熱し香ばしく仕上げる。
焼き色がちゃんとついているかが気になるときは、トングやお箸などで一個だけ持ち上げて確認してみるのがおすすめです!
【6】焼き色がついたら完成!
清涼感があるからどんどん食べられる! ピーマンたっぷりの餃子

香ばしい香りが漂う部屋のなか、さっそく実食といきましょう。minokamoさん、お味はいかがでしょうか?
ばっちりおいしいです! さっぱりしているから、どんどん食べられますね(笑)。フレッシュトマトソースはもちろん、定番の酢醤油と合わせるのもおすすめです。それから実はこの餃子、ピーマンの肉詰めと同じ材料が使われているので、ケチャップとも合うのでは……!
編集部も一緒にいただきました。まずはソースをかけずに一口。思っていたよりもずっと、餃子のなかのピーマンがまろやかに馴染んでいることに驚きつつ、軽やかで優しい後味ゆえか、まだ食べられる、もっと食べられる、そんな気持ちが湧いてきます。
酢醤油をつけるとキリッとしたさわやかな後味。フレッシュトマトソースを絡めると、さわやかさはさらに高まって、目の前から餃子がひとつふたつ、軽やかに消えていきます。夜ごはんや晩酌のお供にするのはもちろん、朝からでももりもり食べられそうなさっぱり感!
ところでminokamoさんは普段、どんなときに餃子を作るのでしょう?
今日はちょっと疲れたな、でもそんな時だからこそ食べたいなって、ささっと餃⼦を作ることがあります(笑)。包むのは、その日家にあるもの。季節の野菜を入れるのもいいですよね。ちなみにもし餃子が余ったときには、翌朝のみそ汁に入れたりしてもおいしいですよ!
忙しいとつい手間に感じてしまうこともある包む料理。ですが、好きなものを好きなように包む時間が、癒しに繋がることもあるのかもしれません。いい色合いに焼けると、ぐんとテンションが上がるのもいいところです。
今晩、餃子にしてみるのはいかがでしょうか。あなたの手で包んだ、ある意味では唯一無二ともいえる餃子たちが焼き上がった先には、ほくほくした楽しい時間が待っているはずです。
撮影:藤原葉子
編集:ノオト
高橋 亜矢子
たかはし・あやこ
コンテンツメーカー・ノオトに勤めるライター/編集者。知らない土地やスーパーをうろうろすることと交通インフラが好き。よく使う調味料はお酢。